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転生者ですが孤児だったので、活字拾いでなんとか生きています!  作者: 小鳥遊 郁


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81 活字拾いの娘、ヴァンを心配する

 アレックと話をしてから三日。まだアレックからの知らせはない。

 ぽやっとしているって言われているくらい呑気な私も流石に心配になってきた。

 ヴァンは一体どこにいるのだろうか。

 

 ヴァンが冒険者になってから、王都とガッテン街とで離れて暮らしていた時もあった。だから何日も連絡取れないこともあったのに、どうしてだか不安で仕方ない。

 今日はとうとう活字拾いで失敗してしまった。

 私が活字拾いで失敗するなんて、初めてのことだ。

 昨夜眠れなかったから、集中力が切れたのだろう。



 胸の奥がざわざわするのだ。絶対に何かあったに違いない。

 だって今まで感じたことがないのだ。落ち着かない感じで、そわそわするこの感じ。

 瞬間移動とかできたらいいのに。どこでもドアとか、研究すればよかったよ。


 護衛に行くと言ってたから、襲撃にでもあったのだろうか。明日は休みだから冒険者ギルドにでも行ってみようか。何かわかるかもしれない。

 まさか死んだりしてないよね。うん、大丈夫。ヴァンが死んだら絶対にわかるはず。

 なんか厄介なことに巻き込まれたに違いない。

 うん、大丈夫、大丈夫、だいじょうぶ……。



 翌日、私は冒険者ギルドへは行かなかった。

 アレックから連絡があったからだ。


「この間、貰った黄金林檎パイはなかなかのものだった。あれは他の果物でも良い気がするがどうだ?」


「うん、そうだよ。黄色さくらんぼのパイとか蜜いもでも同じように作ったら良いと思うよ」


「そうか、料理人に行っておこう」


「って、そうじゃないでしょ? 猫ちゃんが何か知らせてくれたんじゃないの?」


 会いたいって連絡が来たから、てっきりヴァンのことだと思っていたのにパイの話の方が先だなんてびっくりだよ。


「ヴァンのことなら心配はいらない。おそらくあと数日で戻ってくるだろう」


「それを先に行ってよ」


 絶対に私が心配してるのわかってて後にしたんだよね。アレックの意地悪。


「どうやら橋が壊れたらしいんだ」


 橋? この世界の橋はそんなに簡単に壊れるの?


「こちらでも雨が降っただろう」


 確かに雨は降ったけど、そんな橋が壊れるような雨じゃなかった。あれくらいの雨で壊れるような橋は渡りたくない。


「ヴァンが居た街は豪雨で風もすごかったそうだ。橋が壊れ、家も倒壊し、土砂崩れもあり、かなり大変な旅になっているようだ」


 台風みたいなものだろうか。魔法がある世界でも自然災害には無力なようだ。

 それにしても橋が壊れ土砂崩れもあったら、道路が少ないこの世界では身動きできなくなるんだね。日本ではこっちが通れなかったらこっちの道路を使って、そこがダメならあっちをって選ぶことができたけど、こちらの世界だと他の道路にするとなるとかなり遠回りになるみたい。


「じゃあ、ヴァンは無事なんだね。なんかものすごくゾワゾワしてたから、なんかあったのかと思って心配してたんだけど安心したよ」


「ああ、ミーヤが帰ってきたのが昨日だから後数日で戻ってくるだろう」


 それを聞いてやっと安心することができた。心配して損したよ。パイは作れないけどアイスは作れそうだから、ヴァンにはそれをあげよう。


 今日はよく寝れそうだ。


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