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歌の葉  作者: 黒茜
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僕の生きる、誰かの死ぬ

 ざくりと音がして

 気づいたら彼の腹にはナイフ

 滴る血を止めようとして手でぬぐって

 寒気を感じて自分を抱きしめて

 そのまま地面に真っ逆さま


 どんと音が響いて

 飛んでいく彼女はアスファルトに不時着

 手と足が折れて千切れて

 赤色を視界に収め暗闇の気配を感じて

 そのまま深淵に垂直落下


 僕は一人思う

 世界は死に満ちている

 僕は独り思う

 世界が死で溢れている

 空を見上げたら青色に腹が立った


 ばんと音が破裂して

 人々が物言わぬマネキンに早変わり

 ぴくりと動く人もいて死んで

 がくりと動かなくなる人がいて死んで

 広がるしじまが心に漣をたてる


 僕は一人思う

 世界は悲劇に満ちている

 僕は独り思う

 世界が悲劇で溢れている

 空を見上げたら青色にいらついた


 刺されて死んだ

 轢かれて死んだ

 爆発で死んだ

 彼は呪って逝った

 彼女は刹那に消えた

 人々は人生を終えた


 一人の僕は思う

 世界は死に満ちていると

 独りの僕は思う

 世界は悲劇で満ちていると

 そして空を見上げ

 僕は笑いながら生きていく

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