序
原始太陽系。
未だ宇宙空間は混沌としていた。
多くの星間物質が漂い渦をなし
その中心部へと集まりだした。
太陽の誕生である。
そして惑星たちも。
その太陽から数えて三番目の惑星。
数億年の時を経て
惑星内部の核分裂反応により熱く
数万度の高温の星となっていた。
地表では水どころか
酸化ケイ素(現在の岩石の主成分)でさえ蒸発し、
惑星の周囲を大気という形で覆っている。
さらに第四、第五周期の物質も気体となり
大気成分の一端を構成していた。
それらによる圧力は-----想像を超え
第六周期物質は-----溶岩となり大地を白熱化させていた。
それも惑星内部の核分裂反応の衰えのともない
大地は冷え
第五周期の水様物質(液体)による雨が大地を潤した。
空には第五周期の大気が満ち
海には生命が生まれた。
光合成機能を持つバクテリアが。
それから生み出された第五周期の酸素様物質は空中へ。
第五周期の二酸化炭素様物質は
光合成により減少し
酸素様物質へと置き換わっていった。
植物の誕生。
海には原生動物が。
さらに数億年の年月を経て
動物の地上への進出。
この時点で地表は未だ高温高圧状態。
地面を構成する元素も
もちろん酸化ケイ素ではない。
第六周期のものだ。
そしてその環境に適した生物の進化は進み
地表にも海にも、空でさえ
様々な生物が跋扈していった。
恐竜のような生物も。
しかしそれは長くは続かなかった。
もちろん惑星の一生から見ての話である。
その間、人類の誕生はあったのか
なかったのか
-----今となっては知りようもない。
化石がもし存在したとしても
それははるか地下深く。
数億年の後。
惑星は冷えだしたのだ。
内部にあった核分裂物質が数億年の時を経て
減少したのだ。
地表は冷え
第五周期の水も大気も固体となり
新たな大地を構成しだした。
単体あるいは化合物の形で
固体であったものはもちろん、
液体、気体であったものも
その個々に持つ特性に応じて。
そこへ第四周期の水様物質が
雨となり降り注ぐ。
固体となった第五周期物質の大地、
第四周期の海と大気。
生命の誕生。
それもまた数億年。
今度は第三周期の水様物質と大気が。
生命も。
そして現在。
惑星の温度の低下とともに
第六、第五、第四と
比重の大きなものは下へ
惑星の中心部へ。
小さなものは地表近くへ。
凝固圧力、温度の差により液状、固体状と
重なり合うように層をなし
堆積した大地の上。
第二周期の水と大気が地表を覆い、
様々な生命の発生、盛衰を経て
人類がその惑星を支配していた。
その惑星。
地球。
第二周期の水や二酸化炭素、大気が冷え、
大地を構成するにはまだ僅かばかりだが
間があった。