問題発生!?
くすぐったい、なにかが頬を舐めている
そこで、僕は意識を取り戻した。
辺りは一面の......毛むくじゃら!?ってなんだこれ!!
僕のほっぺを舐めてたのはクリーム色の犬のような生物というか
見た目は完全に柴犬......
でも、人懐っこそうなその顔に思わず...抱き締めてしまった!
ハッと今自分の置かれている状況を思い出して周りを見渡す
辺りは一面の草原、小高い丘があったり小川が流れてたりする。
「あゆみ、異世界についた.....あゆみ?」
毛むくじゃらの生物に気を取られていて気が付かなかったが、
あゆみが居ない!!!
『ピコーンピコーン』
視界の端にメールのマークがプルプルと揺れている。
【はやて君起きたかな?
私の管理する異世界の一つラーズへようこそ!!
多分、色々と気になっていると思うけど
まずは君に引っ付いているワンちゃんからね!
その子は神獣の『シバ』私からの異世界渡航のプレゼント
絶対に役に立ってくれるから可愛がってあげてね?
じゃあ、次にあゆみちゃんの事ね
実は..........「ふわぁ!?」
「はやてくん、ごめんね!!
愛弓ちゃんと一緒に異世界に送ったはずなんだけど
なんか、別々の場所に転送しちゃったみたいなの!!!」
「あの、....アマテラス様?急に出てこられても
と言うか、こんなに白昼堂々と現れちゃ不味いでしょ!!神様が!!」
落ち着いてー、落ち着いてー。
「アマテラス様、いやアマちゃん?
どうしてボクとあゆみがバラバラになったのかなー?
原因教えてもらおうか」
「あの、はやて君?怖いんだけど!なんか凄く威圧してるよね!?
ゴメン!本当にごめんなさい!!謝るから!!この通り!!
じっ、実はね、送り終えるときに郵便が来ちゃって....
集中力が切れちゃったので気付いたときには
もう、バラバラの場所に到着しちゃってて.....」
「はぁ~、そうですか、でどのくらい離れた場所にいるんですか?」
「えっ、えぇっとーー、違う大陸かな?」
「そうです.....えぇーーーー!違う大陸!?
それ、どう言うことですか!なんで違う大陸?どうしてこうなった!
...まぁ大丈夫だろ、あゆみはあんな風に見えてもしっかりしてるし」
「えっと、はやてさん?この不手際に関してのお詫びについてですけど
何か、希望はあります?」
「なるほど、そのためにわざわざ現れたんですね
そうですね、特にな....刀を下さい。
良く良く考えてみたら、あゆみが弓矢と防具貰ったときに
なんにも言わなかったんですよね、と言うことで刀をお願いします。」
「刀、ですか。分かりました、防具と言うか服も一緒に揃えますね。
他に希望はありますか?
刀と服は、装備品ということで今回の勘定には入れませんので」
「うぅーん、そうですね、特に無いです。
また何かあったときにお願いします」
「分かりました、ではそうですね、こちらをどうぞ」
そういって、アマちゃんが出してくれたのは
一振りの日本刀と脇差し、直垂だった。
「では、この世界の事をよろしくお願い致します!」
そう言うとアマちゃんもといアマテラス様は姿を消した。
「じゃあ、シバ君?行きますか!」
取り敢えず一番近い町を目指して冒険者登録とレベル上げかな?
(はやてさん、あの?)
「えっ?」
誰もいないよね、空耳かな?
(はやてさん、下ですよー。あなたの足元)
ん?足元?
「もしかして......シバ君?」
(あっ、はい!そうですよ。
一応、神獣なので念話が使えるんですよ)
「あっ、そうなんだ.....、でどうしたの?」
(じつは、命名をして欲しいのですが....。)
「命名、うーん急に言われても、名前なんか出てこないよぉー」
(あの、それから私一応女の子なんですけど......。)
「えっ!そうなの!ごめんねアマテラス様が『シバ君』って
言うからてっきり男の子かと。」
(いえ、気にしないで下さい)
「それにしても、名前かぁー、そうだねぇ
なんか、声が愛弓に似てるから...『ゆみ』ってどうだろう?」
(ゆみ.......、ありがとうございます!)
「えっ、えっ!?」
急に光出した、シバ君改め「ゆみ」もしかして、これって命名の儀だった!?
「改めて、はやてさんこれから宜しくお願いしますね!」
光が収まって現れたその姿は......。
「え、え、えっーーーーー!!!!
あゆみ?じゃなくて、ゆみさん?」
犬耳と尻尾の付いたあゆみだった!
尻尾をフリフリしながら上目遣いで見つめてくるその顔に思わず
心が揺さぶられてしまう、
「ケモミミのあゆみ」この破壊力は「ブゥワッ!」
「はやてさん!?しっかりして下さい!はやてさん!-----」
覗き込んでくるゆみの声....でも、意識がだんだんと遠くなって行く
----------なんか、ふわふわしてるなー
あれ?ここは...!
「あっ、はやてさん、気が付いたんですね!
急に鼻血を出して後ろに倒れるので心配しました!でも良かったー」
うん、今の状況を整理してみよう、
確か、シバ君に名前を付けて欲しいって頼まれて
名前を付けたらシバ君が光だして、現れたのは獣人化したあゆみで
余りの可愛さの破壊力に鼻血を出して、気を失って......。
はわぁ!
『ゴヅーーン』
「きゃあ!」
「ごめん、大丈夫、ゆみさん?」
「えっ、あの、はい、大丈夫ですよー。」
さっき、倒れてるときにされてたのって....膝枕....!?
はぅ、また、鼻血が。
「と、取りあえず近くの町に行こうか、もう夕方みたいだし」
気を失っているあいだにけっこうな時間がたってたらしい
辺りはオレンジ色に染まり、大きな太陽が地平線に沈みかけてる。
「そうですね」
と言ったは良いものの全然どっち行けば良いか分からない.....。
「はやてさん!あっちから美味しそうな香りが漂って来ますよ!」
おぉ、そっか、獣人だから鼻が利くんだね。
そうだね、じゃあその香りを辿っていこうか」
しばらく、歩いていると世界は星明りに包まれて様相を一転させた
遠くの方でなにか分からない魔物の遠吠えがしたり
足元では虫が鳴いている
「はやてさん!あそこに明かりが見えますよ!行ってみましょう!」
ゆみさんが指差した方向を見ると焚き火らしき明かりが
チロチロと揺らめいている。
「そうだね、行ってみようか。」
焚き火の傍までくると狼の魔物と対峙している一団の怒声と
血の匂いが辺り一面に広がっている
「おい、そっちはどうだ!」
「あと少しよ!一気に焼き付くしてそっちに行くから!」
「御二人とも怪我の無いように、シールドがあるとは言え
その範囲から出れば危険です!」
戦っているのは、洋刀で敵を切り裂いているいかにも屈強そうな男の人と
杖を掲げて呪文を唱える女の人
そして、二人の真ん中で杖を両手に持って薄緑色の結界を張っている男の人
多分、女の人は魔法使いかな?広範囲魔法で敵を殲滅してるし
屈強そうな男の人は剣士だろうな、で真ん中の人はヒーラーかな?
こんなことしてる場合じゃないね、協力しなくちゃ!
アイテムボックスから、アマテラス様に貰った刀を出し、直垂を装備する
袖を紐で縛り、刀を鞘から引き抜けば剣腹が月の光を反射して光輝いている。
肩の力を抜いて低い体制で走り
一団に襲い掛かってる魔物に向かう、
まずはまだ数が残っている剣士の方だ
こちらに気付いたのか、魔物が威嚇の対象を変えてきた
でも、そんなことは気にせず懐に入って一気に斬り上げる
仲間が殺られたのを怒ったのか、他の魔物が飛び掛かってきた
その下をくぐり抜けつつ魔物の腹に剣を突き刺す。
体勢を立て直し、刀を降ると目の前に一際大きな魔物が
行く手を阻むように立ち塞がってきた。
一気に駆け出して切り伏せると見せ掛け
大きく跳躍して、その魔物を両断する。
すると、どうしたことだろうか一団と対峙していた魔物が
統率を失って一気に殲滅された。
魔物を一掃した一団から、剣士の男が声をかけてきた。
「おう、ありがとう助かったぜ!小さいのに良くやるな!」
火の明かりに照らされた彼は強面だけど、笑顔で手を差し出してきた。
刀に付いた血を振り払ってから鞘に納めて握手に応える。
やっぱり、ゴツゴツとして歴戦を感じさせる手だった。
アマテラス様....ドジッ娘属性でしたかぁ。
はやて君も、流されてますねぇ~
毎度、毎度ではございますが
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次回、風の旅団 お楽しみに~♪