表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第6章 うさぎさんと、あたおかな挑戦者達
61/275

51話 うさぎ達のとある山登り調査 その1

【遠出での際はご用心はしておくのが無難】


 昨日は結局、ミヤリーをおいてギルドの食堂にて腹を満たした。

 ったく。

 あいつは幼稚地味たことしか考えられないのか。

 はい、これを読んでいるあなた。

 あんなダメダメなミヤリーみたいになっちゃだめだよ、愛理さんとの約束。


 お使い行けって言われたのなら、言われたとおりに寄り道せず買い物をするそれが一番。

 あいつみたいに途中、ギャンブル吸ってしまったら取り返しのつかないことにもなるからね。

 お金の使い方は計画的に。


 つまり私は何が言いたいのかというと。

 余計なもんに金を使うなってことだ。

 そんなことはさておき。今日も1日が始まる。


「そんじゃギルドに行くよみんな」

「……忘れ物はないです」


 一同、首を縦に振り問題ない素振りをみせる。

 因みにミヤリーは今朝、スーちゃんに頼んで蘇生させました。

 スーちゃんが、なぜ彼女が死んでいるのかという疑問に対し私は、柄の悪い冒険者に絡まれて死んだと答えてやった。


 ……自分でいうのもアレだけどさ、間違っていないでしょ私の理屈。

 そう柄が悪い人っていうのはこの私なんだけどさ。

 隣にいたシホさんが気まずそうな顔で笑っていたけど、何、言いたい事あるなら言ってよ。


 スーちゃんは何1つ怪しまずその些細なイベントは終了。

 ミヤリーには真相を言わないよう口止めして。


「いつまで拗ねてるの?」

「まだろくに朝ご飯も食べていないんだけど」


 そういえば忘れていた。

 朝飯済ませてからこいつを蘇生させてもらったから。

 ……ご機嫌斜めな様子。


 どうやら昨日の事を根に持っているみたい。

 いや、あれどう考えてもミヤリーの自業自得じゃね。

 と言葉を重ねると口げんかに発展しかねないので私は。


「んもう分かったよ。ギルドについたら真っ先に好きな物頼んであげるから」

「なら早く行きましょう」


 機嫌が直ったのか、僅かな微笑を浮かべたミヤリーは率先して前に立ちギルドへと向かおうとする。

 すると足下。


 ガタ。


 運悪くそこにはやや大きめの石ころが待機していた。

 彼女はその石に足をぶつけ、ずっこける。


「ぐがっ!」


 伏した状態となった、ミヤリーのステータスを確認すると。

 HPが1に減少。


 え。

 あの反動だけでこんなダメージなのかよ。

 HPを上げてもらった意味あんまりなくね。

 なんなら棺桶の中にずっといてもらいたいのだが、また「早く蘇生させろ」だの言ってきそうだからそういうことは慎むべき。


 まんどくせ。

 いちいち世話が焼ける子だよミヤリーは。

 起き上がったミヤリーは、喫驚し自分の手を見ながら。


「い、生きてるわよ私!? ね、ね愛理!? 私は生きているわよ」


 手が震えているけど、あれなに?

 まさかミヤリーお前中二病か。

 私も昔、そんなものにはまった時期あったけど、険しいよ中二病の道を究めるのは。


「はいはい、すごいねすごいねミヤリー」


 無碍。

 そのまま流すがごとく、彼女に早く行くよう視線を送る。

 3人で手を払いのけるような仕草をして。


「……早くいけって? 少しは褒めてくれてもいいじゃない」


 腕を組みまた機嫌を損ねだすミヤリー。

 そんなに褒めて欲しいのかよ。

 と対応に少々困る私なのであった。



☾ ☾ ☾



【登山は準備を怠らないように】


 ミヤリーの腹ごしらえがおわり、お姉さんのもとへとやってきた。

 というか、この小説で久々の登場なんじゃね。

 あれ、1章以降出てなかったよねこの人。


「お久しぶりですね、愛理さん。と……その随分人数が増えたそうで」

「それはこっちのセリフだよ。一体なにやってたのさ」


 愁眉を寄せ、言いづらそうに血相を変えるお姉さん。

 裏事情? 的なものがあるわけ?


「その……最近クエストの用紙が尋常じゃないほどに増えてしまったせいでギルドの裏側にある部屋で書類の整理を行っていたんですよ」


 あれ、これって。


「目上の方からは、1日ぶっ通しで終わらせるよう言われ、ここ数日こちらには顔を出せずにいたんですよね」

「あ、あのお姉さん?」


 しくしくと涙が見えるのは気のせいだろうか。


「今日ようやく全ておわり、顔を出せたのですが辛かったですよ。上司に剣幕でああだこうだ言われ正直意識が飛びそうでした」


……ブラック過ぎね!?

 このギルドってまさかブラック企業だったの。

 やはりどこの世界にもブラック企業ってありものなんだね。

 お姉さん悪いことは言わない、早く転職しようか。(※愛理の自己偏見です実際のギルドはブラックではありません)

 私は彼女の肩にぽんと手を置き。


「お姉さん、今度お土産か何か持ってくるよ」

「は、はあ」


 お姉さんをかわいそうだと思い、少し安らぎを与えようと考えた私だった。


「それで今回は何用で?」


 仕切り直しに。


「クエスト表見たんだけどさ、またどれも柄にあってなくてさ」

「あの愛理さんなら、そんなことないと思いますけど。……知っていますよことごとくと立ちはだかる敵を粉☆砕しているじゃないですか」


 なんでそこ強調して言った。

 お姉さん、私を破壊神か何かと勘違いしてませんかね!?


「いやさ、どこの場所も条件ランクが高くってさ困っているんだよ……なんでSランク以上を5人が多いのさ」


 掲示板みたら、どれも高ランクを持つ冒険者が数人いる場所が多かった。

 クエストにて訪れる、指定ランクが必要な場所は。

 本来1人でもその一定ランクを持つ冒険者がいれば、入る事が可能なのだが数人指定は別腹。

 例えば、A街に入るのにSランク以上必要な場所の場合、1人でもSランク冒険者がいれば入れる。

 従ってそのパーティの他冒険者ランクが、Aランク以下の場合でも入ることが可能。


 なのだが。今回。


 その指定ランクを複数指定する場所が多いせいで、まともに受けることができない状況だった。

 なによこれ。

 クソゲーじゃん。


 なんちゃらオブザイヤーに認定して、ネットスレに愚痴書き込んでやる。

 ……まあこれは単に私に運がないわけであって、そこまで悪く言う必要はない……かな。

 それで最後の希望として、丁度見入ったお姉さんに話しかけたのだが。


「あぁそうでしたか。お気の毒に」


 冒険の書消えたりしない大丈夫?


「でしたらこれなんてどうですか」


 差し出されたのは1枚の紙。

 クエストの用紙だ。

 仲間一同私のもとへとやってくる。近い……それと潰れるから押すなああああああぁ!


「ふむふむ……グランドマウンテンですか。……ここからそこそこ距離ありますよ? そこの異常気象を解決すべく調査に向かえ……と」


 シホさんが読み上げる。


「……どうやら問題はそこに現れたモンスターに原因があるみたいです。……そのせいで頻繁に山火事やら色々自然災害が起きるようになったと」

「はい、どんなモンスターかは分かりませんが、退治しに行ってきてくれませんかね」

「……勿論です私達に打って付けですよ。……新しく覚えた魔法の試用運転もしたいですし」

「ではスーさん受けましょう! ミヤリーさんもこれで文句なしですよね?」

「全然大丈夫よ、即死対策は万全にとっているわ!」


 bサインを出すミヤリー。

 ってみなさん。誰か忘れていませんか?


 私だよ。

 勝手に話進めんなよ。

私を潰している、みんなを一旦両端に引き離し二分する。

 はあ。咽せて死ぬところだった。


「あのさ、私の意見も聞いてくれよ」


 すると一同。

 頭が上がらなかったのか、尖っている私の鋭い視線にビビり詫びる。


「すみませんでした」


 と。

 すると前にいるお姉さんが。


「あはは。仲とてもよろしいのですね。……そのお気を付けて行ってきて下さいね」


 懸念する視線。

 仲が悪いのかいいのかと心配するお姉さんをよそに。

 みんなと相談し、そのクエストを受けグランドマウンテンへと足を運ぶのであった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ