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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第6章 うさぎさんと、あたおかな挑戦者達
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45話 うさぎさん達と、宇宙からの侵略者その2

【図に乗ると痛い目に遭うのは常考(じょうこう)だろ】


 突如飛来したUFOから現れた謎の宇宙人。

 ナメップ星人のブラフと名乗るこの男。

 あの大丈夫かなこの作品。


 一応、あらすじに『パロディ等含みます』って書いているけどさギリセーフかなこれ。

 作者の自己的な偏見で、どこか聞いたような名前のパロ物がたんびに出るけどそこはあまり詮索してもらわないでくれると非常に助かる。


 え。そんな注意書きいいからさっさと話進めろって?

 まあまあそんな急かさない急かさない。

 気を取り直して、本編に移ろう。


「小娘4人ごときがこの俺様に勝てるとでも? バカなのかこの星の生物は」


 さっきから口が回るこのブラフとかいう男。

 文句を垂れるのはいいけどさ、あくしろよ。

 実は、弱かったとかそんなオチやめてよね。じゃないとこの世界をヌルゲー認定するから。


「あのさ、文言はいいからさっさとやろうよ。口開いてから30分も経っているよ?」


 数十分間。

 私達に言い渡された命乞いの時間はとっくに過ぎた。……なのにも関わらずコイツ攻撃を一切仕掛けて来ずこうして下らない話を私達にしてきた。

 その時間はおおよそ30分。

 テレビアニメが1本見られるくらいの時間。

 なんでそんなに長く話せるのさと文句の1つ垂れてみたいところだが、次から次へと下らない話が飛んできて、私のツッコミが不在となる始末。


 少しは私のツッコミ入れる時間くれよこんチクショーめ。

 黙するブラフは。

 一瞬、眉をひそめると、また偉そうな口調で語り出す。

 ……言いたいことあるなら言えよ。


「と、とりあえず! 我が最先端技術を持つナメップ星の恐ろしい科学力に怯えそして絶望するがいい!!」


 いかにも悪人が言いそうな馬鹿なセリフだが。


「どうします? あのブラフとかいう宇宙人さんとても自信ありげですけど?」

「自信ねぇ……。私にはそうは見えないんだけど。ただイキがっているだけじゃない?」


 隣にいるシホさんが、不安そうに私に語りかけてくるが。

 そこまで気にするような強敵には見えないが。

 異世界に宇宙人襲来イベントとか、人知を超えるできごとに直面してまじで草なんだけど、実力のほどは一体どんなものか。


 まずはお手並み拝見だね。

 私は3人の前に立つ。

 敵との距離はだいたい10メートルくらい。

 目算な感覚だがそのくらい。……察して。


「愛理さん大丈夫なんですか? よからぬこと仕掛けてきそうですよ」

「なあに大丈夫だって。私がこの拳でけちょんけちょんにしてあげるから」

「愛理っていつも自信ありげだよね」

「ミヤリー殴って欲しいの?」


 後ろにいる、ミヤリーが気まずそうな顔をする。

 心配かけるくらいに、私が戦うことに疑念を抱いていらっしゃる?

 そりゃあないって。


「な、なんでもないわよ。思う存分戦ってきなさい」


 少しは私に頼る気にはなった模様。

 さあどーんと来いや。

 デカいモンスターでも、巨大なブラックホールでもなんでも相手になるぞ私は。


☾ ☾ ☾


【ゲーム対戦で友達に少し加減してあげるのがいいと思う】


「そういえばブラフ名乗ってなかったね。……私は愛理。この地球の冒険者でうさぎの職業をしている」

「ほう。愛理というのか。ふざけた格好だが、勝てる自信あるのか?」

「どうでもいいわ。そんなのとりあえず今はお前をぶっ飛ばしたい気持ちでうずうずしてんの。早く来いや」


 手始めに挑発。


「……いきなりボスが出る幕ではない。ここは俺の可愛いペットを倒して行くがいい」


 すると、彼の言葉に応じたのか。

 地面が急に揺れ始め、地の底から巨大なモンスターが飛び出す。


「ごがああああああああああああ!!」


 飛び出したのは巨大な、イモムシモンスター。口から汚い唾液を露出した下から垂れ流し目下の私に目を付ける。

 きったね。

 一口の唾が私の頬に。

 なんてことするんだよ。嗅ぎたくもない臭いが私の体から……うぇ。


 見た目がほんとグロテスク。

 いかにも宇宙人が繰り出してきそうなモンスターな見た目だけど、実際みるとこんなにスケール大きいんだ。

 グニュグニュとこちらの様子を伺っているけどさ、はよ来い返り討ちにしてやろう。


「俺が、この日の為に飼育したペット『イシューム』コイツは凄いぞ! 宇宙森でも中々大きい種は見つからなくてな非常に貴重なんだぞふふ」


 説明乙。

 そりゃどうもご苦労なこった。

 え、じゃあ侵略のためわざわざ捕まえてきたってこと?

 ……かわいそうに。

 ていうかコイツバカだろ。そういうのは言わない方がいいと思うんだけど。


 するとそのイシュームは蛇体を叩き落とし私へと攻撃する。

 瞬間的な反射神経で、避けモンスターの体へと乗る。

 乗った私を察知して体をくねらせて私の方に振り向く。


 なんかめっちゃ揺れる。ジェットコースターかなにか、アトラクションでも味わっているようなそんな気分。暴れんな暴れるな。

 酔い止めの薬ってこの世界にあるのかな。

 さてどうしたものか。このままぶん殴って倒すのもいいが、それだとなんかつまんない気がするので少し遊んでやることにした。


 こちらまで、なめプしているような感じ。

 悪く思うなよ、宇宙イモムシさん。

 ちょいとうさぎさんが、お遊びに付き合ってあげるからちゃんとこっちを狙えよ?

 蛇体を走り出す。うなり声をあげるイシュームは、目から紫色のビームを放射。ステップで華麗にかわし先へと。


 って目からビーム出るの怖くね。

 当たったら溶けるとかそんなオチは……ないか。

 揺らす攻撃も動じず、口から放たれる巨大な怪光線は吸収する能力で我が物とした。……ついでにもらっとこ後々使うことになるかも知れないし。

 ある程度は残すとして、要らない分はイシュームに返しておく。


「はい、借りたもの返すね……そらっ」

「ぐぎゃああああああああ!」


 手から吸収した光線の一部を跳ね返す。

 苦しみもがき暴れだし、走っている通路がより一層難易度をあげる。……だから暴れるなって。

 怒り狂ったイシュームは後ろの尻尾を巻くように私の道を閉ざす。差し迫る大きな尻尾がとても豪快で私の足場を徐々になくす。


 さては羽交い締めするつもりだな?

 君にしては少し考えた方だとは思うけど。


「あらよっと」


 一気に尻尾の部分を蹴り、下部分から顔の面前まで飛び越え移動。

 イシュームは顔から汗を流しながら驚く素振りを見せる。

 これは予想外。

 といった様子にみえなくも。

 ……それはそれとして茶番はもう終わりだ。


「……マラソン終わり。……んじゃ吹っ飛べ!」


 渾身のこもった拳が、イシュームの体を直撃する。


「グガ!?」


 するとイシュームは合間を置かず即座に。


「ガアアアアアアアアアアアアア!?」


 画鋲の刺された風船のように爆散する。

 ……着地してブラフの方に近づいて。


「……へ?」


 先ほどの威勢はどこにいったのやら。

 呆然と目の前で起きたことに、驚き言葉を失っていた。


「う、嘘だろ!」

「…………」


 ゴミを見るような目で彼を見つめる。


「イシュームは強いはずなんだ! だから負けるはずは…………ってなんだよその目は!」

「あのさ」


 拳に力を込めて、空高く突き上げるようにアッパーを放った。


「うさぎ舐めんなあああああああああああああ! で・な・お・し・て・こい!」

「ぐああああああああああああおぼえてろおおおおおおおおお! このくつじょくはあああああああああああ!」


 ブラフはUFOごと空高くへと飛んでいき、地平線の彼方に消えた。


「あっけね」


 予想通り、大した敵でもなかったナメップ星人を追い返す形で追放するのだった。

 いや弱すぎるだろ。


☾ ☾ ☾


【負けず嫌いは別に悪い事じゃないんだけどさ、少しはこっちの身にもなりやがれ】


 一時はどうなるかと思ったが面倒くさくない敵で安心した。

 そんなことを家の食卓でみんなと話しながら、今日のできごとを振り返る。


「まさか本当に1人であんな敵を倒してしまうとは、味方ながら怖いわ愛理」

「……出るまでもありませんでしたね」

「まあ愛理さんですからね。これくらい造作もないですよ」


 にこにことまた微笑むシホさんは誇らしげに語り。

 ……ちょいと突っついただけなんだけどな。

 渾身の力とは言ったけど、そこまで本気出してなかったんだけど。

 殴り倒すぐらいに留めたはずが、あんなあっさりと。

 ……ナメップ星人って強いのかな。


「シホさん、他に宇宙人が襲来してきたことってあるの?」

「そうですね、何回かはあるみたいです。私は今日が初めてでしたが他の冒険者さんの話を聞く限りではごく希に遭遇するみたいですよ」


 まさかのレアモンスター枠か!?

 でもちゃんと理性があったので、私の思っていた宇宙人と少しかけ離れていた感が否めない。


「……宇宙人はよく地球にやってくるらしいですよ。なんでも値打ちのある星を売るためわざわざ侵略目的でやってくるんだとか。……色んな宇宙人がいるので、これは飽くまで一説に過ぎませんが」


 まさかの転売ヤーかよ。

 そんなアホもいるってことか……なんて迷惑な話。


「また来たりしてね……そんときはまた頼みまっせ愛理さん」


 肩をぽんぽんと叩くミヤリー。

 い、痛え。

 加減っていう言葉を少し勉強しろ! って私も人のこと言えないやあはは。

 こうして無事宇宙人の恐怖がさり、再びクエストに没頭する。




 ……はずだった。




「あ、愛理大変! 外に! 外に変な円盤が!」


 急に部屋でくつろいでいる私の前にミヤリーが。

 息を切らしているが……あぁこれマジでやばいヤツじゃん。

 ……ミヤリーが昨晩言ったことが実現してしまうこの後始末に。


「なんてこった……」


 呆れて嘆息を1つ。

 どうやら、敵さんは私を休める気は一切ないようだ。

 くっそめんどくせえ。

 して再び、私達はクソ面倒くさい宇宙人を追っ払いに外へとでむくのだった。

こんばんはです。

昨日暑すぎて中々寝られず寝不足ムードな私です。

さて今回はちょいと頭おかしいヤツらに目付けられた愛理一行でした。

設定上ナメップ星人達の科学力は非常に進んでおり、色んな物を作っている種族です。

今回でおわり…………と思いきや次回また登場? になるかは次のお話に回すとします。

果たして、愛理達は侵略者から地球を守れるのでしょうか。

少々別作品になりそうな感じがして、作者ながら不安ではありますが今日はこの辺で。

ではみなさん見て下さりありがとうございましたそれでは失礼します。

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