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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第5章 うさぎさん達、力を付けに行きます!

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閑話 司祭長の記録

とある場所での話です。

ちょっと荒っぽい司祭? です

【言動と性格は似て非なる存在だと思います】


~とある海の海上~


 ここは海上を進む船の中。


 波の揺れる音を聞きながら、ひたすら

私は個室で書物を読みます。




音読中。




 聖句を毎日こうして読み続けては

見習い実習としてついてきた、グリモアの

生徒に日々教えを言い続けて

います。


「そのマリレイユ様、あとどれくらい

かかるのですか」

「私もです、昨日からずっと雑用ばかりで……」


 3人の生徒を教えているのですが

何日かに1度は、愚痴を漏らす子もいます。


「いいですか、リム、ロム、ルカ」

「グリモア様は寛大なお方です、心で

そう思っていても口に出すのは控えた

ほうがいいですよ」


 気持ちは……理解はできますが

これでは私たちが信仰とする、我が魔法の師

グリモア様にみせる顔がないではないですか。


 まあたしかに、クソめんどくさ

……コホンコホン。


 おっと失礼心の声が。


 億劫ではありますが、心を清く染めて

3人に教えてあげなくては。


 青長髪の子、リムは不安な顔で首を傾げ

ながらも忌憚(きたん)なく問うてきます。


「じゃあ、マリレイユ様は会ったこと

あるんですか?」

「い、いえそれは……」


 子どもは容赦なく真面目に聞いて

きますね。

 視線を彼女たちに向かないように

一旦逸らし。


少々憤りを覚えつつも

再び向き直ります。

 聞いてことと、聞いてはいけない

ことがあるでしょう!?


「リムちゃん、司祭長困ってるよ」

「そーいうのって聞かないがいい

ってお母さんとお父さん、あと

先生が言ってた」

「し、マリレイユ様? だだだ大丈夫ですか?」


 丸みのある髪が特徴的な

ロム。

 彼女は小さいのにもかかわらず

いつも私を気遣ってくれます。


 話が行き詰まっていたら、率先して

事がうまく運ぶようにまとめてくれる

世話役。


 私が無能なダメ司祭などの発言は

お見合わせください。

 べ、べつに尻込みしているわけでは

ありません、からね?


「こほん、3人とも今日はもう寝なさい」

「あ、マリレイユ様逃げた」

「お、お黙りなさい、リム」


 首まで髪が垂れた少女――ルカが

怖々横から言い。


「こ、こわ。マリレイユ様の顔

青ざめちゃってるよ」

「ルカ、た、助けて」

「知らないよ、そんなよくよく考え

たら神様にあった人なんている

って聞くほうがおかしくない?」


 要件がすみ、私は彼女たちを

個室へと帰らせます。


 まだ小さいので、私が部屋まで送ります。


 気が小さいのか、言ってくるんですよ。

魔物に襲われそうだから、怖い


と。


 正直なところ、私は夜ぐらい自由時間を

有意義に使いたいわけですが


 子どもたちがいるのですから

しょうがないですね。

これもグリモア様から課せられた

試練ということなのでしょうか。


 そういうことはさておき。


「ふう。やっと自由になれますね」

「極上のグリモア製知『恵のヴィナ※お酒』を……」


「マリエル司祭長!」


 船員が大きな声を荒らげて入

ってきました。


どこかで争ったであろう、数々の

傷を見て私は、心の底で深くため息。


私にやれと?


「どうしました?」

(要件を早く言ってくれませんかねぇ)


「手当してくだせぇ!」

「はい」


 私の運がついていないのか

しりませんけど

一息ついた、と思ったらこうなること

が多いんですよね。


 よし、お酒飲もうと

したら


傷をしただの


魔物に襲われた


毒に冒された


などよく言ってくる

乗員がやってくるんですよね。


 人が休みたいだなんて露知らず。


 時間問わずこれが永遠と続くので

おわりすら見えてこない現状

なのですが。


 いつになったら私は休ませて

くれるのでしょう。


寝たい気持ちとお酒を飲みたい

感情が毎回、互いに喧嘩している

ことだなんて


誰も知る由もないでしょう。


ちなみにマリエルという名前は

私の別称。


知らない合間に

お恥ずかしながら付けられた

ものです。


☾ ☾ ☾


「はぁ゙ぁ゙ぁ゙~~~~!!」

「しんどい、しんどいです……」


 気がつけばもう眠気に

襲われていました。


 酒を飲む暇もなく

目の皮がたるむ自分がそこに

いました。


 聖職者ならぬ言動は目立ちますが

これが私です。

 1人、クソウザな船長、兼冒険家が

いるのですが


 明日も彼の冒険と付き合わせられる

そう考えると頭が痛くなってきます。


しんどいしんどい

とひたすら連呼する私はそのまま

寝入るのでした。





☾ ☾ ☾





 早朝。


「おはようございます、司祭長」

「おはようございます」


 甲板室をくぐると

大勢乗員が挨拶してくれました。


 軽く挨拶をと、私もそれに応じ

声をかけられる度に返します。


 数分、一通り挨拶しおわると

1人の男性が私目がけて歩いてきます。


「おい」


大柄

ではなく。



特段


「僕様のこと忘れてなかったか?」


背が高いわけでもありません。


首を傾げて答えてみせます。


「コロカ……こほん

おはようございます、コロ船長」


「コロマニカだ!

というかまた僕様のことを

変なあだ名で呼ぼうとしてた

だろ?」


 図星をついてくる船長は嫌いですよ☆


「マリレイユ・ナシャトヴァ・グリモアール……

君ってやつはいつも僕様を変な

呼び方をして……」

「耳悪いんじゃあないですか?」


「バカにするな、僕は僕様は

グリモアの学校を首席で卒業、いくつも

の魔法をいくつも習得し、成績も常に

上位で……」


 クソな前口上が長いので割愛。


「はいはい、それはご立派ですね」


 もう入ってから数百回聞かされた

言葉……書物の聖句には届きませんが

それに通ずる長さです。


 いい加減聞き飽きた言葉ですが


毎回一言違(たが)わず、言い切る姿勢は

どこからくるのでしょう。


 ある意味、これも一種の才能かも

しれませんけど。


「マリエル、とりあえず今日の予定

それと報告を」

「はいコロk……コロ船長」

「「コロマニカだ! また間違えただろ!」」


 合間でしかけているのですが

ふふ、やはりこの人は面白いですね。


 発言が独特……なのはたしか

ですが、周りからはそれなりに

好かれている人


なので決して悪い人ではないのです。

ゴスポリゴスポリ。


「はて、なんのことやら」

「顔に出てるぞ……脱線するところ

だった、頼む」


 仕方なしに私はいつものように

報告書を手に取って読み始めました。




☾ ☾ ☾






「読み上げます」


 読み上げ待ちをしている

前にいる男性。


 彼の名前はコロマニカ。

品の良い黒い外套を着ている

この人こそ


 今私たちが乗っている船の

船長、兼冒険家です。


 聞けばある理由で冒険していて

未知なる大陸を多く見つける

それを生きがいにしているんだとか。


 詳しく聞こうとすれば

眉をしかめて、口を開こうともせず

言ってくれない。わりと恥ずかしがり

屋さんです。


 いつも自慢になにかと過剰に

自信があるのかよく喋ります。

 まあだいたい彼が言った後に

災難に見舞われるのが落ちですが。


 そのせいで一部からは

“コロカス”だとか“コロ船”

と言われています。


とくにコロカスは愚痴をこぼす

さい、よく言われているあだ名です。


「苦情ここ数日で数千件、

肯定的な意見1件」

「なんだそれ、差が開きすぎでは

ないか。僕様の良さがわかって

いない連中が多いのではないか?」


 評判は……このように

壊滅的ですが、どうやら彼の辞書に

「諦める」という言葉はなさそうです。


「コロカ……コロ船長」

「だから僕はコロマニカだ」

「……コホン、数日前、巨大なドラゴン

を倒したのは誰でしたっけ。船長が

『ここは新地だ、心配いらんいいから

皆の者、僕様の後に続け!』などと

言っていましたが返り討ちにあいました

よね」


 結局、船は損傷、修理は私とロム達と

協力して直しましたが。


「ぐぬぬ、た、たしかにあれは運が

たまたま……なかっただけだ」

「なにをいいますか、あれほど

船員が行くのは危険だと忠告

していたのに……聞かないん

ですから……ですから

周りからコロカスだとか言われる

んですよ」


 グリモアの上層から頼むよう言われて

ここに派遣されたわけですが……気は酷

過酷です。彼が非常にメンドくさい

人だということに。


「そ、それで今は他に良い知らせ

でもないのか? 面白いウワサ

とか」


 面白い、面白い……。

手にある書物のページをめくり

読んでいきます。


 こちらは直近、私が人からかき集めた

情報を記したものです。

 ひたすらめくっていくと。


「おや」

「うん? なんだ」

「これなんてどうです?」

「“うさぎの服を着た謎のおぞましい少女”

を見たとか」

「なんだそれは」

「なんでも、見たことない技の数々で

敵を蹴散らしていっているとかで」


 正直これは、私も気になっています。

話によると、私と同じグリモア人が

パーティにいるとの情報がある

みたいですが。


「うさぎだと……それは気がかりだな

それでそいつはどこにいる」

「えぇ、並大陸です」

「今は、大分離れているな、よし行こう」


 な、何を言い出すのですかこの

バカ船長は。

 今いる海域だと数十日はかかる

距離ですよ‼

 正気なの……でしょうか。


「昨日、この海域に入ったばかりでは

ないですか。小、並、中、大大陸のある

エリアからだいぶ離れているのに」

「だからこそだ、行って確かめれば

なるまい、価値はそれほどある

というものだ!」


 理屈がまるで理解できない。

この人に何を言っても無駄だということ

は重々承知の上。


はあメンドくさくはありますが

行くしかないようですね。


「それじゃあ次は並大陸に行く

のですね? 途中でやっぱり

やめたなどはなしですよ」


「するか、どれほどの実力かを

この目で見て実感したいだけだ!」

「はいはいわかりましたよ

少しメンドくせーですが行きますかね」


 また少し憤りが高ぶってきましたよ

うんうん。グリモア様お許しください。


「口荒くなるな、いつもそうだが

見た目や口はいいが、ときどき

荒くなるのはどうしてだ?」


「船長、言動と性格は似て非なる存在として

考えたほうがよろしいかと」

「マリエル、顔が怖いぞ」


 少し苛立ちを覚えましたが

再び目的地に向けて舵を切るのでした。

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