表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第5章 うさぎさん達、力を付けに行きます!
53/275

番外編 うさぎさん達、色々試行錯誤する その2

【願い事は無理のない程度がいい塩梅じゃね】


 朝食後。

 4人揃った所で狂政のいる豪邸へと赴く。

 門を潜り抜けて中へ。


 アニメ、ゲームとオタクが沸きそうな広間を超えて階段をのぼり上へ。

 あれ、あんな所に私の好きなアニメキャラのフィギュアが1体。

 ……寄り道程度に少し拝見を。


 っていかんいかん。

 危うく無駄に時間を浪費するところだった。

 登り行く階段の段で止まる私に、気に掛ける仲間達が気に掛けてくる。


「どうしたの愛理立ち止まって……。早くのぼりなさいよ」

「……昨日の戦いの痛みがまだ癒えてなかったんですか? 治癒魔法はかけたはずなんですが」

「愛理さんの事ですので、何か意味があるんですよきっと。……ですよね愛理さん?」


 期待を裏切るようで悪いけどさ、そんなこと微塵も考えていないんだよこれが。

 同意をシホさんに求められているのだが、めっちゃ答えづらい。

 みんななんか絶対変な妄想しかしてないよ!

 3人のいる、後ろに私は首をロボットのようにカタカタと回しながら答える。


「あ、あのさ……そんなこと別に何も考えてないから!」


 沈黙に終わる3人が私に早く行くよう促してきた。

 背中を押して。

 いや、なんか言えよ。


「ちーす狂政いる?」


 狂政のいる部屋へと歩みを進め室内へ。

 そこにはソファに腰掛けながら、テレビ画面上に映し出される女の子が映し出されていた。

 下には、メッセージウインドウと3つの選択肢が映し出され、狂政は絶賛その選択肢に迷いを見せていた。


「むむ、これはこうで……だがこれだとこうなる可能性も」


 あ、ギャルゲだこれ。

 というか、転生してもやはり二次元もの大好きなところは全く変わっていないらしい。

 少しは、街のため何かしようとか考えないわけ?

 と私が近くに近づき再び声を掛けると。


「きょーーせえええええ!!」

「むむ!? 愛理君じゃないか! ……ほう来たという事は無事問題事になっているモンスターを討伐してくれたんだな? サンクス」

「それじゃ……約束通り私達の強化を……」

「そ・の・ま・え・にレイコちゃんルート新約を攻略せねば……もうちょっと待ってくれ」


 再び画面に視点を切り替えゲームに没頭する狂政。

 こいつあれだ。

 宿題後からするとか言って、明日に回そうとするやつ。

 おい、元大統領逃げんな。遅延行為厳禁ぶっ飛ばすぞ。

 画面に気を取られている狂政の胸ぐらを掴み、私は彼の顔を睨んだ。


「あ…………愛理君?」


 一瞬にして。

 私の怖い顔と向き合うと狂政は顔から、汗をたくさん流しながら気まずそうな顔付きをした。

 声を落としながら小さな声で彼に言いかける。


「いいからやれ……ぶっ飛ばすぞ」

「は、はい」


 降参したかのように狂政は私の言われるがまま、ゲームを中断し私達の前に立つのだった。


☾ ☾ ☾


【順番はちゃんと守ろうかって列を作るべき】


「最初はぐーじゃんけんぽん」


 気を取り直し、無事狂政にゴリマッチョ君を倒したことを報告すると、約束通り願いを聞いてもらえることになった。

 だが、誰が先に聞くか言われたので、なんか解決策はないかと考えていたところ。

 他のみんながじゃんけんがいい。


 とかいい出して、そのままのノリでじゃんけんで順番を決めることにした。

 ……なんでこの世界にじゃんけんがあるのさ。

 明らかにおかしい。

 まあでも普通にオタク文化が発展している世界だし、これの1つや2つ。

 不思議なことがあっても、普通のことと言える。

 いや、もうおかしいことの1つや2つ、

 軽く超えていると思うけど、もう驚く必要はないとだろう。


 あといくつ。

 異世界とはかけ離れた要素が、散りばめられているのやらと心で感じながら。

 じゃんけん先手を制したのは。


「私だね」


 私、愛理さんでした。

 2番手にシホさん、3番スーちゃん、最後にミヤリー。

 戦いで活躍できないミヤリーは、こういう場面でも貧弱なのは変わらないことらしい。


「もうなんでよぉ」

「……順番は順番ですミヤリーさん」


 中腰になりながら拗ねるミヤリーを、スーちゃんは頭をよしよしと撫でた。

 やっぱ優しいなスーちゃんは。

 というかこの中で一番やんちゃなのってミヤリーなんじゃない?

 気のせいかも知れないが、間違ってないのかも。


「それじゃ愛理さんお先にどうぞ」

「よし、狂政おなしゃす」

「お、順番は決まったようだなどれどれ言ってみるといい。願いをいいたまえ」


 絶対言ってみたかっただけだろ。

 聞いたことセリフよこれ。

 まあ文句を垂れるのもあれだし、素直に自分が欲する物を頼んでみようか。


「この世界のモンスターってめっちゃ強いよね? それでなんか対策になる能力とか付けてくれない?」

「確かに。強力な耐性を持っているモンスターが多いからな」


 元はと言えば、全部お前が生み出したモンスターでしょうが。

 この世界。

 パワーバランスのいちいちがあたおかなんだよ。

 日々インフレが加速しそうな傾向。どうせならその力に匹敵しそうな力が欲しいのだが。


「ではこれなんてどうだ。【全ての敵を耐性関係なしに一撃で倒せる】とか」


 いやそれもう冒険する意味なくなるじゃん。


「インチキ能力はいいから!! ……でも一時的に耐性を無効化して攻撃できる能力は欲しいかも」

「ではそれを付けようか?」

「頼もう」


 私が承認すると狂政がいつも通りに手を振りかざした。

 体が目映く光り煌めき出す。

 光が収まると、UIが現れてステータスが表示された。


「あと愛理君。他にも強力な能力も付けておいたから存分に使っておくれ。一部レベルアップで覚えるようにした機能もあるが」


 勿体振っちゃって。

 でもそっちの方がやりがいあるかも。


【確認。ラビットパッチVer.2を習得。パーカーをアップデートさせますか? はい/いいえ】


 え、これパッチ当てる……アップデートタイプだったの!?

 いやゲームじゃんまんま。

 でもここでまできて、使わないのもあれなのでぽちっと【はい】を押す。


【アップデート中……アップデート中……………………10% 20% 30%…………50………………100%完了】


 パッチを当て、アップデートが完了すると、私は再びステータスを確認。

 共有能力の一覧を開き詳細を確認した。




【共】目に止まらない速さで俊敏に移動、ジャンプが可能。

【共】パワー及び魔力大幅上昇。

【共】広範囲の音をパーカーの耳で聞き取れる。(何の音かも識別可能)

【共】過去のできごとや聞いた話を保存できる。

【共】新しいパーカーの生成

【共】敵の耐性を無視して攻撃可能。(任意で念じて発動させる)




 やはり念じて発動するタイプか。

 というかさり気なく、パーカー生成が固有から共有に。

 狂政やるな。


 他も一部修正が入っている箇所も。

 すっげえ有能じゃん。

 特技の一覧をみたら、新しい技もちらほら。

 ここであげていたら切りがないので割愛。

 追々、見せ場ができたら説明することにした。


【レベルアップ獲得能力】

 レベル55……ラビットフュージョン

 レベル59……使用武器増加

 レベル60……技・ラビットスマッシュ


 と続く様に下へ色々と表示されている。

 下に目をさげる度に強力そうな習得能力や技が表示されていた。

 中でも気になっているのが一部。

 このラビットフュージョン。


……パーカー生成と似た何かだと思うのだがどのような内容か。

 これもレベリングで習得することにして、今は仲間の願い事を聞くことにしようか。

 シホさん。


「全体的にステータスを上げて下さいできれば空腹もまた下げてもらえると」

「うーんステータスはともかく、空腹はもうできぬぞ? これ以上さげると君は人間じゃなくなってしまうぞぞぞ!!」


 と注意をするよう大声で彼女に警告。

 うーん食べ物もろくに食えなくなるのはまずいな。

 でも今は前より数時間遅れて空腹。ぶっ倒れる頻度もそんなに初期より多くはなくなったが、それでもまだ並の人よりよく空腹になりやすいかな。

 諦めがついたか、シホさんはため息を1つ零し。


「そうですか……ならステータスだけでも」

「よし、ならばほれ」


 シホさんも発光し、新たな力を得た。


「加えて、ピンチな時に能力が上昇する力も付けておいた。 存分に使いたまえ」


 だから気が利きすぎだろ。

 続くスーちゃん。


「……影を濃くしてください」


 彼女は最大の悩みを打ち明け狂政に頼み込む。

 そんなに陽キャに転身したかったの!?

 スーちゃん小さいながら結構苦しんだんだね。かわいそうに。

 これで彼女の存在が前より、認知されるようになればこちらとしては安心なのだが。


「……無理だな」


 え。


「非常に強力な呪いがふりかかっている。治すことも上書きすることも不可能な力で。……すまんがスーちゃん他は何かないか?」

「いえないです。……ミヤリーさん次いいですよ」


 切なく跡を譲るようにミヤリーにバトンタッチ。

 いやなんかかわいそう。呪いってなんだろう。

 私の知らない諸事情が彼女にありそうだが、今は控えておこう。

 ……そして続くミヤリー。


「強い武器がほし…………って!? 愛理!? なにすんの!! 離せ!」


 強い武器が欲しいとか言いそうだったので口を押さえてやった。

 そんなことより、お前は別にいうことがあるだろうに。

 アホな脳みそしかない彼女に変わって、私が狂政に彼女の願いをいってやった。


「HPを300ほど上げて。まだよく死ぬんだよねこの子」

「は、はあ。いいのかそれで。ミヤリー君とても苦しそうに見えるが」

「気にしないで、変なもの口に詰まらせているだけだから」

「んーんんんんんんん!!」


 苦しみ藻掻くミヤリーは振りかざす狂政の手により発光。

 そして願いは叶えられた。


「悪く思わないでよねミヤリー」

「お、覚えてなさいよ!? これでまた死んだら愛理に責任取ってもらうからね」


 私の想いが通じてなにより。

 って責任ってなんだよ。言っとくけど、この小説にはR18要素なんて含まれてないからねみんな。

 過度な期待は遠慮を……。

 そうして私達4人の願いは聞き届けられ。


「ありがとう狂政。またなんかあったらここにくるね」

「了解。いつでも力になるぞ愛理君」


 ついでにゲームを帰りしなに、狂政に1本やらせてもらい一時の時間を共に過ごすのであった。

 他の3人もゲームをやらせてもらった。

 初体験なスーちゃんとミヤリーはなにがなんだかさっぱりな様子だったが、楽しそうに顔を綻ばせていた。


「あ、残機が」


【GAMEOVER】


 下手っぴプレイで私が必死にプレイしたところを、無に返した彼女に苛立って。


「がああああああああああ!! ミヤリーの下手くそ!! そこのブロックはだから消えるってさっき言ったでしょ!!」

「ミヤリーさん、こういうのタイミング計るのもしかして苦手なんです」

「……そこ、ジャンプするときに下のボタンを押せば上手くいくのでは?」

「かもね。でもこのゲームというもの面白いかも。え、あ、……ほんとだ全然落ちない」


 2人で盛り上がっているところ悪いが、なんか心にぽっかり穴が空いてしまった私。

 難関面を頑張ってクリアしたというのにこのミヤリーは。

 そう悔いていたらあっという間に時間は過ぎていくのであった。

こんばんはです。

最後はゲーム落ちでしめましたが、いかがだったでしょうか。

少々途中から肩のこりがやばくなりちょいと打ちづらい状況にもなりましたが、なんとか出せました。

追々追加で文を書き足すかもですが、今回はここまでとして休日にまた編集するかもなのでそのへん把握よろしくです。ではみなさん読んで下さりありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ