16話 うさぎさん達、帰るまでが遠足ですよ
2章の最後になります。
まだまだ愛理の冒険は続きますが今回は果たして。
それではお楽しみ下さい。
【ゲーム内に潜むバグって問題見つけるのが非常に大変だなと思う】
クソみたいな、ギミックを搭載した
罠の数々をくぐり抜け
ようやくダンジョンの頂上へ
とやってきた。
ここまでいくつもの、修羅場を潜り抜けてきたか
数えきれたものではない。
んな知ったことか。
どれほど苦労したか。
狂政の仕掛けた罠は、どれも油断ならぬ
ものばかりで。
時には、巨大な岩が転がってきたり
またある場所では、
爆弾を持ったモンスターが湧いてきたり。
さらに空腹で倒れ込む美人女性戦士。
いやこれは関係ないか。
「なんか、色んな本置かれていますね」
部屋の先には、機械がぽつんと
1つ置かれていた。
他には周囲を囲むように
置かれた宝箱が置かれている。
みるからにあやしい。
何だろこれ。
どうぞ取ってくださいと、絶対誘っ
てるでしょこれ。
「その宝箱は後で」
「目泳いでますけど」
気になる。
少々試しで1つ覗いてみよ。
私はひっそり、端の方に置かれた
宝箱を慎重にゆっくりと開けた。
「さて、何が入って…………ちょこれって」
宝箱にはなんと。
金目の物が入っていた。
のではなく。
【愛理はとある薄い本を手に入れた!】
なんであるんだよ。しかもこの本私も知っている。
ってなんでこの世界にあんの。
「なあ狂政、これ何かな」
怖々と責めるようにして聞く。
決して一方的にとがめるつもりは
端からないのだが。
気になりすぎる。
それは。
男ならにやっとした顔で
見られる“アレ”だった。
人によっては、不快になるかもしれない物。
でも私は、こういうの平気だから
何とも思わないけど。
妹が違法合法サイトにて、その無断でうp
されていた
大量のPDFファイルをダウンロード
しているところお姉ちゃん見ていたんだぞ。
ログは全部落としたあとに全部消したみたいだけど
(※よい子はこんな
クソ妹みたいなマネしないでね)
中身は美少女系だったらしいけど
金出して買おうぞ妹よ。
少し話が脱線したが。
ただいま絶賛周りを
一瞥しているシホさんには、絶対これ
見られたくないんだが。
……いや見られるわけにはいかない。
どうする仲宮愛理?
正直に白状した方がここは身のためか。
わからぬ。
頭の中でまた候補を巡らせてみる。
▶正直に白状して弁解する
これ実は売ったら高値で売れるんだぜ?
と独善的なことを言う
解読不可能な古文書だよ
だめだ、どれもよくない
案しか思い浮かばない。
「あの愛理さん、どうしたんですか?
なんでそんな宝箱を隠すように前に立
っているんでしょうか」
なに躊躇するようにして
詰め寄ってきてるのさ。
ちょ、やばい私殺される。
「あ、あいやぁ……これはそのぉ」
時間は待ってくれない。
シホさん、勘のいいあなたは嫌いだよ。
余計な一言で私はちぬ。狂政は、私にしか
聞こえない声で問いに答えてくる。
『すまん、こういうのみんな好きだと思ってな、つい出来心で』
出来心ねぇ。
因みになんだが私は設定的にまだ
女子高校生なんだぞ!
まあ不登校生だけど!
『本当は男性冒険者が、このダンジョンを
クリアしたことを想定しこのような
報酬にしたのだが、これは私の
不覚だったな』
もっとまともなものあっただろ。
強い剣とか、あるいは消費アイテム
ではない最強の壊れ魔導具やら。
だがそれはそうと。
このままだと、親フラならぬ、
シホフラというとばっちりを受けてしまう。
そんなことになれば、
私の変な印象を彼女に与えしまい
好感度も型落ちだ!
(他にも入って……は?)
他にもあったので覗いてみる。
なんとそれは
二次元キャラの体が、裸で描かれた
本が大量に入っていた。
しかも夥しくある本の数。
「どうするんだ……どうすれば
いいんだこれ」
弱々しく小言で
「あの大丈夫です? 肩貸しましょうか」
……。
やむを得まい。こうなったら。
『『ん? 愛理君? 何のつもりなのだ⁉
やメロン! 私の命より大事な本に何をする⁉
その本は即売の激闘の末手に入れた戦利品なんだぞ』』
大声を飛ばす狂政の声を気にせず、
私は躊躇いもなくその宝箱に
手を振りかざした。
私は頭で炎を思い浮かべ
念じて手のひらから
燃えたぎる火を生成した。
ふん、悪く思うなよ。
その火を宝箱の中へと放り込み、
\ポイッ/
中にあった
むふふ本を全て燃やす。
これで証拠隠滅だね。
と愛理さんの大勝利と思いふける間もなく。
『『ぎゃああああああああああ
あああああああああああああッ!』』
とち狂ったかのように叫ぶ狂政。
耳に響くからもうちょっと
ボリューム下げろ。
でもこの危機を回避するためには、
こうするしかないのだよ狂政。
そんな泣き叫ぶ狂政を
無視してことを進める。
「あ、なんでもないよ。
中みたんだけど空だったんだよ。
……お宝欲しかったんだけどな」
しらを切る。
誤魔化す素振りをし、よそ見をして口笛。
シホさんにその宝箱の中身をみせる。
中は綺麗さっぱりなくなっており、
本の1冊もなかった。
あるわけがない、この私が自ら
全て燃やし尽くしたのだから。
「……本当ですね。残念です」
わりとシホさんが鈍感
で助かった。
泣き止んだ狂政は言いづらそう
にも会話に再び参加した。
なんという鋼の精神。やっぱ
ただ者じゃないなこの総理は。
『…………そこの…………
機械に触れてみるがいい…………』
さっきの威勢はどこにいったのやら。
涙声になりながらも彼は説明をしてくれる。
〖ふっかつのパスワードを入力して下さい〗
のウインドウの下に。
細長い長方形と五十音順
に並べられた画面が。
恐らく某RPG初代のセーブシステムを
模した物だろうが。
1文字間違えるだけで
死ぬやつ。
試しに打ってみよう。
【きょうせいはばか】
〖じゅもんがちがいます〗
【ああああああああああああ】
適当に打ってみる。
キーボードの入力なら慣れているぜ。
タイピングサイトで、一時期1位になった
ことのある愛理さんを舐めるなよ。(後日すぐ抜かれたが)
〖じゅもんがちがいます〗
『愛理君、私を馬鹿にするのやめて
くれないか。……というか私が教えないと
わからんだろ。……というか遊ぶな!』
正論パンチ。
お遊びはこれくらいにしておこう。
「愛理さんこれ、なんですか?」
「ええとね、暗号みたいなものだよ。
ほら謎を解いたら扉が開くじゃない?
あれと一緒」
私の世界で経験したRPGシステムが、
この世界と同等かはわからないけど。
「なるほどです。前に1度、
冒険者の方と同行していた時
謎を解いて古の地図を取ってくる
クエストをやったことがあるんですけど」
「あれと一緒なんですね感じは似ています」
あれ通じた?
なんすかそれ、と返される
かと思った。
『……愛理君言うぞ。いいか』
「おふのこ」
即答で答え、合い言葉を教えてもらう。
大丈夫、私記憶力だけはいいほう。
なのでメモとかは不要。
あ、でも妹にはちょっと負けてしまうかも……
あいつ今どうしているんだ。
『"レイコちゃんはわたしのかわいいはなよめ"と入力するがいい』
がたん。
ずっこける。
「「もっとまともなのあっただろ!」」
なんちゅうパスにしているんだ、この人は。
出たよオタク特有の俺の嫁宣言するパターン。
私も人のこと言えないから
こういうのもあれだけど。
今一度立ち上がり仕切り直し。
言われた通りそのパスを入力。
【レイコちゃんはわたしのかわいいはなよめ】
〖承認しました〗
マジでこれなんだね。なんか打って恥ずかしく
感じるのは気のせい?
『よし、成功だな、……その画面に表示されている
【ダンジョンチェック】の項目を押してくれそれで
……問題がわかるはずだ』
問題あるのはこのクソダンジョン
事態だろ。
こんなあたおかダンジョン作りやが
ってよぉ。
#$%&*☆!
画面上に表示された選択肢の中から
言われたとおり選ぶ。
すると、画面上に【確認中】という
画面が表示され
しばらくそのまま待った。
「なにが起こるんです?」
「うん、ちょいと待って、
絶対壊さないで、あと触れないで」
「ははい」
不意に触ろうとしていた
ので注意する。
興味本位なのはいいのだが
ここで破壊したら地雷やらなにか
起きそうなのでやめるよう言っとく。
数分後、ようやく問題点となる
部屋を特定し直ちにその場所へと
向かった。
「あの場所にそんな所が」
「行きましょうか」
正直変な罠には散々な目
にあったから、もうあんな
修羅場進みたくないんだけどな。
と私がそんなことを考えていると
狂政から朗報を耳にする。
『おっと愛理君、下りもあんな難所を通
るのは困難だろ?
私が停止プログラムのスクリプトをこの
ダンジョンのソースコードに書き
込んでおこう』
「それ早く言えよ。……というかお前
プログラミングできるのか」
『まあな。暇な時、創作する時間があっ
たんだが』
『自作のギャルゲー開発する為に
色んな言語学習したな』
『だが、完成する前にこの世を立ってしま
ったから、結局未完成に終わっ
てしまったのが心残りだ』
ちょおま。
ガチ勢がいるやんここに。
これ、才能の無駄遣いって
言うんじゃ。
「でもなんで早く言わなかったの?
最初っから停止しとけばこんなに
苦労することはなかったのに」
あんな恐怖のアトラクションをやるのは
正直勘弁。
鬼畜を超えた難所が多くもう
お腹いっぱいですわ。
……それがそもそも
罠だということは言わないお約束。
『ほら、とりあえず他の人に1回
やらせてみたくなるではないか』
「ああね」
わからなくもない。
誰かにやってみてもらって「うわこれすげー!」とか
言われたいんでしょ。
『それにこれは"大人の事情"っていうものも
関与しているわけで』
メタ発言乙。
でも言いたいことは大体分かったから良しとしよう。
だめだコイツやっぱなんとかしないと。
☾ ☾ ☾
【馬鹿総理やりすぎな件で私困るんだが】
中層部に戻り
問題部分があろう部屋へと向かった。
狂政が、罠を停止する
スクリプトを実行したおかげでスムー
ズに行ける。
こうできるなら早く
彼に言うべきだったと今さら思う。
だが過ぎ去った時間は戻りはしない。
遅かれ早かれだがもう遅い。
「で、この部屋なわけ?」
先ほどのような機械が置かれて。
いや他なんもないの? 門番的な
ヤツが待ち構えているとかさ。
うん。
本当に他は何もない。
むふふな本が詰まった宝箱も。
いやこれはないほうがいいよ。
というかその宝箱撤去しろ
今すぐ全部。
『ふむ、果たして一体何が原因か』
機械が記していたのは、この部屋に何か
異常があるということだった。
他何ひとつない部屋だが。
「変わってる場所なさそうだけど」
どこだよ。
ちゃんとみないと
わからないところにあるとか
そーいうしょうもないオチはなしだぞ。
「何もありませんね。本当にここが原因が
あるんですかね?」
「機械が言ってたし、そうであることは
たしかだよ……たぶん」
周囲を見渡す彼女も
どこが問題なのかわからない様子。
私が腕組みをしながら
考え事をしていると、シホさんが下に
あったとある物に目をつけた。
「愛理さんこれってなんですか? 黒い
ツタみたいに伸びていますけど」
んー。
明らかにコードだね!
彼女が指さしたのは、機械の主電源
となっている端まで伸びた黒い
コードだった。
この世界にもあるんだなと思いつつも
彼女に教え。
「あぁそれ? 機械の起動部分となる装置だよ
それを……つな…………げ?」
説明しながら、向こうの端に
何かがあった。
壁に。
縦線2つついたアレ。
厳密には穴だが。
「なるほ」
それを見て、問題となる点を
全てを理解した。
あぁこれが原因だったのかと。
「それをどうするんですか?」
「まあシホさん、見ておいて
くだせぇな」
コードの部分を持ち
伝うようにして歩く。
重さは多少あるも
なんとかなる重量、うん行ける。
そして壁際の方へと近づく。
「やっぱこれか」
よく見ると、プラグ部分が外れている。
思った通りだな。
「どうしたんですか? このよく分からない
細長い穴に何かあるんですか?」
「多分これが原因だと思うよ。……これをこうして」
私はプラグ部分をその差し込み口にさす。
時間を置くと、後ろに置いてある機械が
起動。
騒音が鳴り出す。
「愛理さん一体どこに……そっちは危険な谷がありますよ」
来た道を戻ろうと踵を返す私。
さすれば、そこは先ほど苦戦した谷間の道。
だがそれは本来、上層部にあるべき仕掛けだと
狂政は言っていた。
部屋を出たその先は。
凶器のある谷の道……ではなく。
「へ? どうなっているんですか」
何ひとつない、ごく普通の道に変わっていた。
『ま、まさか』
「……これで片付いたね」
そう問題はすごく
簡単なシンプルな理由だった。
何故、各フロアのしかけが
ごちゃごちゃになっていたのか。
それは誰にでもわかることだったのだ。
プログラムの知識もいらなければ、機械に
関する知識も全く必要ない。
それは
"単にプラグが抜けていた"
だけだったからだ。
なんだこのオチは。
期待していたものと少し、だいぶかけ
離れているが。
そうして問題を解決した私達は、道中何ごともなく。
狂政の元へと帰り報酬を貰いに帰るのであった。
☾ ☾ ☾
【人はみな、誰だって失敗する 馬鹿総理もそれは一緒】
「すまん!」
勢いよく、その場に座り込み土下座をする元大統領様。
みなさん、見てください。
これがかつて税金を2次元グッズに費やし
首相の座を強制的に下ろされた人の現在です。
悪かったことは反省してくれている
んだろうけど。
そこまでに申し訳なく
思わなくてもいいんだけど。
シホさんが小声で私の耳に
向かって問いかけてくる。
なんだろう。
「愛理さん、あれなんですか。……あの座りながら
謝る格好見たことないんですが」
私は快く土下座の事を略言ながらも
彼女に説明してあげた。
「あれはね、土下座っていうんだよ」
「ドゲザ? ……不思議な座り方ですね」
「私の故郷に伝わる古の技だよ」
少し違うような気がするけど。
「なるほど、これはまたひとつ勉強になりました。
ありがとうございます」
私は一体彼女に何を教えているのだろう。
感謝されているのかな
これ。
でも興味津々と聞いてくれているから問題なし?
さて一方の元大統領さんは。
「こんな些細なミスに気づかなかった
自分が情けないすまぬ」
トラップに色々と手こずらされたけど、
個人的にはそれなりに楽しめたけどね。
最初は、帰ったらぶん殴ろうとも
考えていたけどその気力も消え伏せた。
こいつは確かに、馬鹿だけど決して
悪いヤツじゃない。
根はいい善人で、困っていたら
私達を助けてくれる頼れる人だ。
だから憎みたくても
憎めない私としてはそんな。
1人の友人としてみてもいいと思っている。
一応頼れる大人の友達という名目で、これを機に
交流を深めても悪い気はしない。
そっと彼の方に近づいてしゃがんで手を差し伸ばす。
「顔あげなよ。怒ったりしないから」
「愛理君……?」
「失敗は誰にでもあるでしょ? それにお前に
その顔は似合わないよ」
涙を拭き私の手を握ると、彼は立ち上がり
いつもの口ぶりで対応してくれた。
「すまなかったな! 君のその一言で元気がでたぞ!」
「切り替えはっやっっ! ……でも馬鹿が
治ってよかったよ。元大統領さん」
「だから馬鹿はやめろって言っているだろう。
……だが君にはいろいろやってもらったし」
「これから何か困ったことがあったら私を
頼ってもいいんだぞ」
そんなの考え込む必要もなかった。
こいつは、これから私達にとって必要不可欠な
存在になるだろうと確信した。
持ちつ持たれつって言うしね。
それに私も彼の大切なむふふ本を、
燃やしてしまったことを反省している。
私達を強化してもらったのにも
かかわらず。
彼にこんな惨めなことを
したままだと、私が悪人扱いされる
かもしれないし。
悪うさぎなんて言われたら不名誉だしね。
「おK! じゃあこれからどーんと
頼るからな元大統領」
ぐっと握手して手を取り合う。
「おう勿論だ。いつでもこい」
「なんかいい感じだったので、口を
挟めませんでしたが感激です」
「シホ君、君もだ今日から君も私の友だ!
だから何か武器が欲しかったら
私に頼むがいい」
シホさんに近づく狂政は
彼女の肩に手を置き、「がはは!」と笑った。
「あ、ありがとうございます
狂政さんこれから色々とお願いしますね」
少し戸惑い気味な彼女だが、どこか
嬉しそうな様子。
そして私は。
「ところで……狂政」
彼の背中の方に立って
凄まじいオーラを放った。
「なんだね」
こちらの方を振り返って、
目と目を合わせる。
私のほうが背低いから正確には
「合わせた」とは言わないかもだけど。
「これはよ」
私は手でbの形を作り、
「お金ちょーだい」のジェスチャーを送る。
金だ、金受け取らずにはいられない!
「いいぞぉ!」
「愛理君さあ受け取るがいい我が神の恵みを」
潔くこれは大袋に詰まった袋を
私に手渡してくれた。
「うひょ、ドパガキだから
こーいうのみるとあたおかに
なってくるよ!」
「かまわん! こんなもの
些細なお礼にすぎん遠慮なく
受け取れ」
「ドパガキ?ってなんですか」
ジャリジャリ。
ごっそりたくさん入っているやんけ。
袋の尋常ではない膨らみ
ようといい、重量感も
偽りもない正規の報酬金だな。
どことなく不安そうに心配するシホさんは。
「あの、愛理さんよだれたくさん
垂れてますよ」
それから3人で少し、彼が作ったゲームを
たくさんやらせてもらい。
切りのいい時間になったところでお暇し。
屋敷を後にする際、彼は満足そうな
顔で手を振り送ってくれた。
強いて言うならもう少し
遊びたかったな、それはまた次の機会
にしよう。
☾ ☾ ☾
街に帰る途中。
辺りはすっかり真っ暗で。
夜暗の空には綺麗な満月が、
辺りを照らしながら顔を出していた。
空には星々が散りばめられ
綺麗な夜の空を彩る。
シホさんが、また空腹でぶっ倒れそう
だったので。
途中、焚き火を作って食事を摂っていた。
「また行きましょうね。いい方でしたね狂政さん」
「うん、悪いヤツじゃないし
頼りがいありそうだし、なんかあったら遠慮なく寄ろう」
過信し過ぎかもしれないが大丈夫なはず。
「明日はどこいきましょうか?」
「無理してない? 大丈夫?」
夜風が私達の身を掠める。
涼しい風がこんなにも心地よく
感じるのはいつ以来だろうか。
長らく部屋に引きこもっていた
から忘れていた気がする。
「大丈夫です、それに」
彼女はまた笑う。
いつも迷惑ばかり掛けるけど
私にとって信頼できる最高のパートナーだから。
それにシホさん1人じゃ、やはり心配だし放っておけない。
「愛理さんと一緒なら、どこ行ったって楽しいですから」
私はにやっと笑い。
「ありがとうシホさん
でもそんなに期待しないでよ?」
「全然期待しますよ~」
「~~~ッ‼」
顔を俯きながらも照れくさそうに答える。
天邪鬼と来たか。シホさん言うようになったね。
「んもう、愛理さんそんな照れくさそう
にしなくても。……結構シャイですねあなたは」
「そうだよ、私は少し恥ずかしがり屋でね……
だから正直なところシホさんみたいな人が
一番理想形のキャラだったりする」
「え、それはどういうことですか?」
まったくどこでそんな言葉を覚えたんだか。
別に嘘言っているわけではないよ。
本音を言ったまでのことであり
私の求めていたもの――魅力を彼女は持っている。
そんな気がする。
まあそこがシホさんらしくていいけど。
「もう遅いね、今日は寝て
また明日にしよ続きはさ」
「そうですね……ふわあ。それじゃ寝ま
しょうか。おやすみなさい愛理さん」
「お休みシホさん」
そう2人で言い交わし、焚き火を消すと
眠りについた。
悪くないな異世界生活。
いろんなことあったけど
前いた世界より今が普通に楽しい。
これからどんなことがあるか、
少し期待を寄せていたりする
自分がいる。
まあやってみないとわからないさ。
何事も経験は大事最初の歩一歩が大事だから。
私はそのように心の底で呟くと眠りについた。
☾ ☾ ☾
「ぐがああああああああ。ぐがああああああああ!」
「だからうるさいよ! シホさん」
シホさんの寝相の悪さで
中々寝付けなかったけど。
私の留年から始まった異世界生活はまだ始まったばかりだ。
良くも悪くも。
(でもやっぱうるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼)
見て下さりありがとうございます。
今週も休まず平日毎週投稿できました。
あと評価をくださった皆様ありがとうございます。
正直こんなに評価をもらえるとは思わなかったので、皆様には感謝でいっぱいです。
来週からもまた、愛理達の冒険を書いていくので応援の都度よろしくお願いします。
さて今回は2次元大好きな少し頭のネジが外れた(少しどころではないと思う)異世界に転生した総理の話でしたがいかがだったでしょうか。彼は馬鹿ですがそれでも優しい面を持ち合わせているので今後愛理の手助けとなる主要人物となっていきますので彼には大いに活躍の場を設けたいですね。
さて次はひょっとすると新キャラが登場するかもです。新しい仲間を出すかもしれないので来週また待って下さるとありがたく思います。どんなキャラなのかは話が近くなった頃にでもちょっとだけ。最後になりましたが今週も読んで下さったみなさま本当にありがとうございました。それでは来週もお願いしますではでは。




