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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第9章 うさぎさん遙かな高みを目指せ
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144話 うさぎさん、秘められし奥の手使ってみる その3

【世にも恐ろしいパーカーの恐ろしさ?】


 体中から伝わってくるのはとてつもない力。

 向来使ってきたパーカーとは少々変わった色合いをしており。

 パーカー全身は白銀に虹色を帯びた鮮やかで色取り取りな見た目となっている。

 ざっくり言えばゲーミングカラー。私が使っていたパソコンもこんな色で発光していたが、目映いな。


「すっげぇー光っているけど、見た目だけ派手でスペック自体は高くないってオチないよね?」


 半信半疑でこんな見た目で、果たして肝心の性能はどうなのかと考え込む私。

 だが、本来片方ずつしか使えない武器を両方持てているのだからこれは期待できそう。


「試しに一振りやってみっか」


 飛び上がり、大剣を下へと振り、斬撃を放った。


「!? うがぁ!?」


 力も何も加えていないのにも関わらず、巨大な虹色をした斬撃が生成され魔人の体へと直撃した。

 破裂するような爆音とそれにより発生した爆風が辺りを包み込み目の前が見えなくなる。


「あ、やらかした。こうなるんだったら事前に確認して加減するべきだった…………ってあれ」


 いつもながらの加減間違えた的なことを言おうとしたが……その問題をかき消すように目の前で妙な現象が発生していた。


「あれ暗い中でもちゃんと昼間同様の明るさで見えるぞ?」


 辺りは確かに真っ暗だ。だが私の目にはその視界が鮮明に見え物体や端の方にある木々まではっきり見える。

 倒れ込んで怯んでいる魔人の姿も。


「どうして暗いのにこんな明るさなんだ? ……相手はこっちが見えていないようだけど……ちょっと余裕あるし確認しよ」


 考えるのは置いといて、画面を開いて能力、そして手に持つ武器の詳細を解析してもらう。

 数秒もかからないうちに早くもその中身が露わとなった。


「なんじゃこりゃ……反則過ぎね」


 だがそのパーカーの性能はというと……弱いどころか非常に反則、いやこれまでの力を踏襲したようなハイスペックな形態となっていた。


【マスター・ラビットパーカー 解説:12個のパーカーが揃ったとき専用のラビット・ガジェットを起動させることで変身することの可能な最強ラビット・パーカー】




 問題はこのあとである。




マスター・ラビットパーカー 全能力値100倍(装備、装着者の基本能力値、装備及び装備に付いている効力、武器、魔法等にも全てこの倍率を乗せる) 武器:全て


【固】全てのパーカーの能力、技、武器をこのパーカー能力として使用することが可能。

【固】超無敵板装甲:無敵版装甲の強化版。あらゆる状態異常・ダメージ抵抗等を全て無効(制限時間なし)

【技】ラビット・アクセラレーション:光速を超える移動技。持続を続ける度に100倍の倍率が加算される。瞬間移動も可。

【技】Mラビット・フィールド:広範囲のフィールドを張り、味方全員を攻撃から守る。


ラビット・(マスター)・サオリアナ・ソード

【固】攻撃する度に攻撃力・素早さが上昇する。高火力の連続斬撃も放てる。

【固】いかなる耐性も無視して攻撃する。一撃ごとコンマ秒の速さで斬れる。


ラビット・(マスター)・マンサナシールド

【固】敵のダメージを大幅に減らす。触れた敵はかかっている効果が全てかき消される。

【固】空に振りかざすと今かかっている自分及び仲間の悪い効果をかき消す。




「やばいだろこれ」


 つまり自分の能力値(素)から武器やら全てに100倍かかるってこと? え、じゃあラビット・マントどうなっているんだ。



ラビットマント


パーカーの補助防具。これを着けることによって

敵からの攻撃を大幅減らすことができる。

またラビットパーカーチェンジによって

そのパーカー色へと変化する。

【固】敵から受ける全てのダメージを500%カットする。




 ついでにステータスをみると本来確認できなさそうな数値へと変貌していた。4桁は軽く超えている。

 どうやら私はとんでもない力を手に入れてしまったらしい。……うわぁみんなにこれなんて話そうか。


「うがががが」


 起き上がってこちらに向かってくる魔人。

 地面にいる私を巨大な鈍器で殴ろうとする。


「試してみるか」


 軽く移動してみる。

 すると私の体が残像を幾多も作りながら移動し攻撃をかわした。

 残像の色は虹色を反映させそれを見た敵は困惑。


「は、1秒もかからなかったぞ。……さっきのお返しだラビット・パンチ!」


 軽くパンチを叩き込むと変身前は歯応えのなかったパンチが嘘のように。


「ごがあああああああああああ!」


 魔人を遠くまで吹き飛ばし倒してしまう。

 マップからも赤いセンサーが消滅している。……どうもあの力も入れていないパンチであっさり倒してしまったようだ。


「……ふうなんだこの威力は……って浮かれている場合じゃない。スーちゃん達の所へ行かないと……でもどうしたら」


 勝利にふけるのもつかの間。

 先ほどの攻撃によって致命傷を受けたスーちゃんの元へと行こうと考える。

……そうだ。各パーカーの力を全て使えるのなら。


 ミラクル・ラビットパーカーの能力であるテレポーテーションを使ってみる。

……スーちゃんのところを感じ取り体ごと場所を移動させる。


☾ ☾ ☾


「……と、あスーちゃん」


「……? その姿は愛理さん」

「また姿変わっているわね。というか今度は眩しいわねその色」


 移動は成功した。

 シホさんがスーちゃんを抱きかかえたまま私の所へと移動する手前だった。

 急に現れた私の方に2人は視線を移しながらじろじろと見る。


「移動してきたよ。スーちゃんは……シホさんちょっといい?」

「あぁいいですけど……すごい傷ですよ彼女」


 スーちゃんは全身傷まみれで、あちこち体が汚れている。……非常に痛そうにしているが助けないと。


「愛理さんにまっかせろ」


 私は傷を負っているスーちゃんに手をかざす。

 リーフラビットパーカーの治癒能力を使って彼女を回復する力を使うと。


「あれ、スーちゃんの傷がどんどんひいていくわよ」


 傷まみれだった彼女の体は、次第に傷が治っていきいつもの彼女に戻る。

 通常のリーフラビットパーカーのときとは違い、再生速度がとてもはやいこれもこのパーカーの効力というわけか。

 しばらくするとスーちゃんが目を覚まし。


「…………? 愛理さん? 来てくれたんですか…………その格好とっても神々しいです」

「そ、そう? まあ眩しいよね。目に悪いかも知れないからあまり見ない方が」

「……いえ大丈夫です。……シホさんもういいですマックス・ヘルンさんから降ろしてください」

「そうですか? ではどうぞ」


 スーちゃんがマックス・ヘルンから飛び降りる。


「ですが愛理さん、あと997体倒さないといけませんよ? 秘策あるんですか?」

「うーんさすがの私達でももうあれだけでヘトヘトだからもう動きたくないんだけど」


 弱音を言い出すやつが約1名。

 まあ分からなくもないけど! 現に私も心の底で億劫だと感じるようになってきている。

 早々に終わらせたいなぁなんて……。


 と私はそのとき1つ閃いた。

 このパーカーを使った反則なコンボを。


「な、なによそんな笑って。……気持ち悪い」

「気持ち悪くて悪かったな……まあいいけど。閃いたんだよ」

「……閃いたって何を?」

「この莫大な数の敵をまとめて始末する方法をね」


 私が思いついた方法それは。

 ミラクル・ラビットパーカーの分身能力を応用とした数の暴力をこの森で仕掛けようとしていた。

 あぁあこれで森のモンスター達が絶滅危惧種なんかに指定されても私しらない。

 この後どうやったかはそれは次回ということで。

 最強のマスター・ラビットパーカーを手に入れた私は仲間と共にその方法を逐一話すのだった。  

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