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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第9章 うさぎさん遙かな高みを目指せ
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138話 うさぎさん、無法な地帯へと赴く? その1

【とんでもないクソクエスト受けてしまったみたいだ】


 対バイタスに向けてレベルを着々と上げていく。

 リーベルより遙か西の方面。奥深い森の中にとある街があるという。

 聞けば色々やらかしているらしい危険な地帯らしいが一体どんな場所だろうか。


 その森に向けて歩いているとモンスターが出現する。


「なんじゃこの雑草をデカくしたようなモンスターは」

「はへぇ。これは」


 雑草を巨大化させたようなモンスターが出現。下に足が二本付いている二足歩行を持つモンスターだが、なんだコイツは。


「クサぁ!」


 突起した草から針のような攻撃放ってきて、私達全員に集中砲火。


「いてててててててててて!」


 ダメージはそこまでではないが、鋭いもので掻きむしられるぐらいの痛みがした。

 グサグサっと何本もそれが降り注ぐように落ちてくるからそれはもう恐怖で。


「どりゃ!」


 瞬間移動で背後へと移動し軽くパンチで近くにあった壁へと突き飛ばす。


「く、クサァ……」


 まだやるのか。

 起き上がり耐性を整えてのこのこと進む様子が見られた。

 それでコイツの名前なんていうんだ?


【クサハエル 解説:草が生えているように見立てて名付けたモンスター。それだけ】


 いや草。

 草だけにクサハエルとか意味分からん。


「ヒヒーン!」


 シホさんを乗せたマックス・ヘルンが猛スピードで距離を詰めて蹴りを入れると。

 押しつぶされるように向こうへと飛ばされていき。


「あ、死んだ」


 とうとう力尽きた。

 ただの雑魚モンスターで助かった。名前はともかく嫌らしい攻撃をしてくるとか勘弁願いたいところだ。

 マックス・ヘルンのお陰もあるけどね。


「……えぇとここの草原を抜けた先にある森です。……そこで今回の依頼のある街があるみたいですよ」

「スーちゃんその名前ってなんなの?」

「えぇと……ムホウタウン。色々と支配されちゃっている街みたいです」


 む、ムホウタウン。想像が付かない場所だけど、あれか海賊版のDVDとかたくさんあるような場所か?


「依頼主によれば、街の治安をよくして欲しいが為に是非街へ来て欲しいとのことです」


 また面倒くさいクエスト受けちまったかなこれ。

 とりま、街を救ってくださいってクエストだということは概ね理解。

 治安がどうなっているかは知らないけど。


「推奨ランクはBランク二人以上らしいです。ここにいるミヤリーさん以外は全員Aランクですね」

「わ、悪かったわねランク低くって」


 後ろから拗ねるお方役1名。

 なにマジになってんの馬鹿なのお前。まあこれからコイツがまた死亡フラグを発生させないことを私は願わんばかりだった。


「な、なによ愛理その顔」

「い、いやぁなんでもねぇよ」


 ミヤリ-の目は少しこちらを怪しむような目つきで伺っていた。こっちみんな。


☾ ☾ ☾


 森を進んでいると、とある街が視界に入ってきた。

 スラム街のような見た目で格子のある建物がいくつも建ち並んでいる。

 やたらと禁止マークが貼られているけどあれなに?

 看板には……『けど言うの禁止。文句言うの禁止……』と色々書かれているがなんだこれ。


「ってあれなに?」


 さらに目を奪われる物が周辺に。

 街歩く人達の顔が指名手配犯みたいな顔で、顔が見えないように目元に黒い線が引いてあって見えない。

 とミヤリーが。


「なにあれ、凄く衝撃的な物を目の当たりにしているけどあのださいファッションなに? 流行っているの?」


 すると警告音のような音が鳴り出し。


ぶーぶーぶぶー。


「へ?」


 スーツ姿の頭が警告信号をした、モンスター? が現れミヤリーを覗き込みながら彼女に向かって言った。


「あなたは禁句を口にしましたね! よってあなたそのものに著作権をかけまーす!」

「え、え、え、え、なななにうわぁああああああああああ!?」


 謎のモンスターからミヤリ-は赤い光線を浴びさせられ。


「な……はぁ!? わ、私の声がああああああああああああ!?」


 あれミヤリーの声がおかしい。

 上の方、ミヤリーの顔を見ると、彼女の顔は黒い太めの横棒が引かれたようになってしまい目が隠れている状態になってしまった。おまけに声がモザイク声になってますますミヤリ-が犯罪者面になっていった。


「注意してくださーいね! ではグッバイ!」


 と謎のモンスターは姿を消す。


「ちょちょちょちょ!? 元に戻しなさいよ! こんな状態で……うわーんもうお嫁にいけない!」


 なんかこいつ泣き出したぞ急に。


「……お、落ち着いて聞いてくださいミヤリーさん。あそこの看板に」

「へ?」


 格子の壁に紙が貼られてある。


『違反した言葉を使った場合は、その者自体にポリスマンの光線を浴びさせられ、著作権がかけられる。声が変わってしまい、おまけに顔が見えなくなる状態になるので周りからすごい羞恥をうけるぞ』


「それ、先に言いなさいよ。うわーん!」

「いいから立てって! んよく分かんないけど色々違反したせいでお前はそうなったらしいな。とりまいくぞ」


 泣きじゃくるミヤリーはさておき、え、著作権をかける? つまりどういうことなの?

……ここにいくつか禁止にされている言葉や行為があり、それをしてしまった場合ミヤリーみたいにあんな風になってしまうわけ?

 犯罪者うさぎ(モザイク声)、うわ想像しただけで私絶対悪いヤツとか思われるんじゃん。……とりま先ほど貼られていた禁止用語はその為の警告だったみたいだな。


「愛理さん、依頼主さんの家はあの家みたいです」


 シホさんは少し向こうにある、円状の木でできたナチュラルな家を指さす。

 精霊が住まいそうな景観で自然な感じがする。


「……依頼主さんの要件を聞きに向かいましょう。それにミヤリ-さんがなんかすごく落胆していますし」


 私が手を引っ張っているミヤリーは、死んだ魚のようなになっている。

 これじゃあもう。

 そんな今でも燃え尽きそうな様子をするミヤリーを引きずりながらその家を訪ねるのだった。


「コンコン……お邪魔します。クエストを受けた者ですがこちらで合っておられますか?」

「おぉきたか。待ってたよ」


 若々しい男性の声が家の中から聞こえてきた。

 男性が来るまでの間私はこの街は一体どうなっているんだろうと、嫌な顔をしながらまじまじとみるのであった。色々終わっている感じがするこの街は。

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