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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第8章 うさぎさんの大きな山場
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124話 うさぎさん、喧嘩に駆り出される? その1

【隣街からの苦情はちゃんと聞くべき】


「おうおう! 剣練のヤツらよ。今日こそ決着を付けようじゃないか!」

「あぁ!? やるのかおらぁ!? だから剣が強いっつってんだろーが!」

「いいや盾が強いね、防御もピカイチだし、脆い剣のどこがいいか俺にはさっぱりだ」

「盾が!」

「剣が!」


 以下割愛。

 村の外に出ると、大勢の剣練の人と、盾を携え、北欧によくありそうな甲冑の兜を被った人が口げんかをしていた。

 そのノリはまるで不良同士の喧嘩みたいだった。

 あれが……盾練の里の人達なのか?


「サオさん、あの人達が盾練の人達なの?」

「えぇそうですよ。戦いのときになると、いつもこうやってお互い口げんかするんですよね。……私は因みに興味ありませんが」


 ないんかい!


「……するとサオさん、今から戦的なものが行われるのですか?」

「あぁステシアさん、別に殺し合うとかそんなのじゃないよ。……ほらあそこを見て」


 リホちゃんが指さす方向を見ると、そこには大きな円……土俵が描かれていた。

 相撲でよくあるようなあんな感じのものだが、大体予想はつくけれど。


 すると土俵にシホさんのお父さんと、同じくらいの年齢をした男性が。あれが盾練の族長さんかな。


「これはどうも、剣練の族長様。まだ剣が強いと思いで?」

「いやいやこれは。盾練の族長様。あなたこそまだ盾が強いと思っているのですか? ですから剣の方が強いと何度も言っているではないですか」


 バチバチと電気をぶつけ合う感じが2人から漂ってきた。

 すると審査員らしき人が現れ説明してくれる。

 紙らしき物を持ってきて……。


「えぇこれより第989回 剣盾の決戦を始めます。まずは初心者もいるかもしれないので軽く説明をします」


 いやどんだけやってるねん!

 ま、そんなツッコミはさておき。


 説明を簡単に言うと。


 ルールは、各里から選抜者を3人選び、その3人だけで勝負を行う。いわゆる勝ち抜き戦。

 土俵から出ると場外で負け。両者共々持ち前の剣と盾を必ず使うこと。……それ以外の武器はダメとのこと。

 普通に考えたらこっちに軍配が上がりそうだが……私には想像の出来ない領域である。


「あ、あの族長さんなんですか?」

「愛理さん、その……」


 出場者は2人もう決まっている。……サオさんとリホちゃん。あと1人はまだみたいだけど。

 すると族長さんは私の肩に手を乗せてきて。


「スマンが今回出てくれないか? いつもなら適当な実力のある剣練の人間を指名するのだが、今回はそう……シホの友である愛理さんがいるではないか」


 おぉおおお! という歓声が私達の周りから響く。

 これってもう断れないパターンですか?

 あの待って? 剣持っていないんだけどな。………………どうしようか。


「あ、はいいいですけど」


 自然と口が動いてしまった。

…………仕方ないここは。

 適当な弱そうな剣を頭の中で思い描き、それを顕現させる。

 すると、手のひらから中ぐらいのサイズをした剣が私の手から現れた。

 赤いラインの入った剣。SFによく出てきそうな見た目だが、果たして大丈夫だろうか。

 電熱が出て光っているし、殺傷力あるだろこれ。



ラビット・ブレイド小 攻撃力+15%

補足:光ってはいるが殺傷力は0。タダ光っているだけ。ほんとただそれだけ



 いやおわりかい!

 どうやら熱が通っているわけではなさそう。殺傷力があるわけではないので安全性が保たれているみたいだ。

 って小があるって事はそれ以外も……まあ今はいいや。


「おぉこれは立派な剣だな。見た目は短くて切れ味悪そうだが」


 あぁ悪ぅございました! 生半可で作ったクソ雑魚装備ですよ!


「えぇま、はい。その族長さんあまり期待しないでくださいね」


 暫くして。

 ようやく試合の準備がおわると、両者土俵に立ち相見える。


 最初に出たのはリホちゃん。

 細身、短身でありながらも構え方からして十分なやる気だった。

 して相手はと言うと。


「ふん、小娘ごときがぁ。俺の自前の盾で粉砕してくれるわ!」


 著大な体を持った小太りな人が姿を現す。ごつごつとした盾。……いかにも触れたら被ダメがありそうな危険な盾に見えるが。

 それでもリホちゃんは表情1つも変えない。


「後で泣いても知らんぞ!」


 カーン!


 コングが鳴り響き、し合いの合図。


「だあああああああああ!」


 巨大な盾がリホちゃんに向けて襲いかかる。


「それしき!」


 軽やかに移動し、鞘から剣を抜く。そして豚足部分を狙い軽く斬り裂くように敵の横を素通り。


「ぐふ!」


 敵の動きを軽く押さえ、敵は足を痛める様子を見せる。

 最初に傷を入れ、動きを遅くする作戦かな。……彼女の戦うところを見るのは今回が初めてだが、微かながらシホさんに似た何かを感じる。


「隙だらけだよ。剣術 三太刀の舞!」


 敵の背後目がけて、リホちゃんの3撃が敵の背中へと真っ直ぐ直撃する。風を穿つような3つの刃。小さいながらも中ぐらいの斬撃が宙から成り、見事直撃しバランスを崩しそのまま転倒。

 直ぐさま立ち上がり、リホちゃんを探すが、彼女は存在を消す。


「ど、何処に行きやがった!? ちっこいくせに生意気だろ!」


 悪党がよくはきそうな死亡フラグを言う敵。……あぁそう言う事言わない方がいいですよ敵さん悪いことは言わないから。

 と、自分の居場所を示すようにリホちゃんは大声で。


「こっちだよ!」


 彼女の場所は…………後ろだった。

 なにやらリホちゃんは身構え何かの準備を。

 そうか、先ほどはこの準備かなにか? すると溜め技的なものが出るのではないか?


 どうなるよくわからん戦い? 急に戦い仕掛けられたけどその戦いの行方はいかに。

 戦いは次回に続く。

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