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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第8章 うさぎさんの大きな山場
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115話 うさぎさん、遠い山岳地帯を目指す その3

機能に続いて新しいパーカー登場します。

色んなフォーム増えていきますね愛理さん。byシホ

【誰も空を1度は飛びたいと思ったことあるんじゃね】


 雲海広がる山々。

 目の前には眺めのいい景色が広がる。でも私高い所苦手なんだけど一応都会に住んでいた頃も遠足で行ったジェットコースターとかまじで無理だった。

 スカイラビット・パーカーはまあ飛ぶ。意のままに。何も苦痛は感じることなく歩いているときとなんら変わらないくらいに快適である。

 なるべく下は見ないように……うぇ小さく見える山がなんか怖い。今でも落っこちるイメージが頭から浮かんできそう。


「すっごいわね。あんたの風でこんなことができるなんて。空を飛べるとかめちゃめちゃ愉快よ!」


 空中を縦横無尽に飛び回るミヤリー。

 どうやらこの発生させることが可能な風は、仲間に対して使うと浮遊効果を付与させることが可能みたいだ。

 先ほどの竜巻で2人はこうして後ろから私についてきているが、今なら某バトルマンガみたいに…………ごほんごほん。


 飛んで飛行しているとスカイドンの群れがやってくる。

 コケコケとうるさい鳴き声を発しながらこちらへ。


「……ならここは私が! って愛理さん?」


 スーちゃんが杖を身構え魔法を放とうとしたが、私はそれを手で制止させてみせる。

 ここで使うのもいい判断だろうけど、彼女にはいざというときの補助要員として助けてもらいたいところ。


「スーちゃんは魔力温存しといて。こんなヤツら私1人で十分だよ」

「死亡フラグ言ってますけど~? 愛理さん」

「うるせえ! というかミヤリーつけあがるようだったら、お前だけ浮遊解除すっからな。後のことは私知らねえぞ」


 そんな脅しをミヤリーにかけてやると。


「あ愛理今のはそのノリ……そうよノリ! 何マジになってんのよ」


 眉を上下動かしているが、絶対コイツその場しのぎに誤魔化しているだけだぞ。

 して群集を作るスカイドンの群れを私は。


「ラビット・スカイアロー」


 弓を召喚する。手の平を持つように差し出すと、それに呼応するように武器が現れた。

 風を身に纏ったような、空色の弓で風のなびきを象ったような意匠がある。

 私弓道とかやったことないんだけど、大丈夫かな。


【大丈夫です、その武器命中率100%なんで。しかも追尾機能あるので逃げられる恐れもないです】


 解説あり。

 AIさん曰く要約すると命中率は百発百中とのこと。……それチートじゃね。

 でも俺TUEEEEEEEE系に比べたらまだましな方じゃないか。細かいことはひとまず置いといて。


「弓撃つの自身あまりないけど」


 弓を持つように、ぐいっと腕を引く。すると光が瞬き不透明な弓が生成された。

 これを撃てばいいのかな? と思いながらも無意識に矢を引いて敵へ照準を合わせ。

 名前どうしよっか。……安直な名前でいいのなら。


 腕を放して矢を解き放った。


「ラビット・アロー! ついでに散けろ」


 1本の矢から1体に集中攻撃、または一斉攻撃できるみたいなので私はたくさんのスカイドンを道連れに一掃しようと念じた。矢は無数に増殖し降り注ぐ雨のように飛行する敵をことごとくと蹴散らしていく。


ズドドドドドドドドドドッ!!


 1匹も残らず命中したスカイドンは下へと落ちていく。……不覚に横から違うスカイドンの個体に襲われるが。


「ギャ!」

「そんな手は食わん。ラビット・ウィンド!」


 咄嗟に思いついたかまいたちの技を披露し当てていく。ゼロ距離で丁度当たったためスカイドンの翼はもげ、目を丸くしながら落下。

 なんという反射神経。音ゲーで身につけたこれは一環の能力であるが、まさかここで役に立つときが来ようとは。


「……圧巻です」

「まるで貫く風のような動きね」


 みんな私の強さに魅了されていた。


☾ ☾ ☾


 モンスター狩りをしながら目的の山へと到着。2人の浮遊効果を解除させ地上へと降り立つ。

 ノマアサにチェンジし、洞穴が真っ先に見えたので。


「……入りましょうか。次はどうも例の火口がある場所にみたいですよ?」

「ということは、1回降りることになるのかしら?」

「……そうなりますね」

「うんじゃいくか。いいかみんな溶けるなよ」


 謎の注意をみんなに言い洞窟の中へと入る。

 スーちゃんが言った通りに、中は下るように傾斜面が永遠と続いていた。

……え、こんな回りくどいことするくらいなら、外からスカイラビット使えばいいじゃんって? それは大人の事情だよ突っ込みはなしで。


 下っていくうちにポコポコと溶岩の煮えたぎる音が聞こえてくる。洞窟内も次第に暑く気づけば額から汗がたくさん零れ落ちていた。

 あ、あっちぃ。サウナじゃんこれ。


「熱くない? ……愛理なんか特にじゃない?」

「うん、まじで暑い。正直脱ぎたいくらいに」


 でも脱いだら能力値がなくなりそう。


「……脱がないんですか暑いのでしょう?」

「あぁそうだけど、私はまだまだへーきだしへっちゃらだよ」


 単に強がっているだけだが、咽せるほどの暑さではない。

 気を取り直して進むと、マグマの水面の広がる地下道へ。

 尖った岩々がオブジェとして配置されており、先へと進む道は端の方にほっそい、カニ歩きしかできないほどの歩幅だった。


 その道を伝っていくと出口らしき大穴が。遠い距離にあるので気が持つかどうか心配な度合いである。


「……気をつけてくださいね。落ちちゃったら骨になりますからね」

「マグマダイブには用心しろよ。あとミヤリーお前が特に……だ」

「わかってるわよ。というか愛理こんな危険な道渡るぐらいだったら、あんたの力でなんとかできないかしら?」


 そういや随分前にフレアワイバーンからドロップした火竜の牙があったなあ。

 よし。


「あらよっと!」


 手の平を広げ吸収能力を使用し、すぐ傍にあったマグマを採取する。


【愛理はマグマを入手しました】


 ラビットフュージョンに入る。

 ノーマルラビットパーカーを複製し、素材欄にパーカーと、マグマ、そして火竜の牙を使用する。……アスレチックな場所なので慎重に合成ボタンを押す。……おっとと。あぶねあぶね。


 生成完了。

 即座にそのフォームへとチェンジすると。

 燃えたぎる鮮やかな赤をしたパーカーへと着色が変化した。


【フレア・ラビットパーカー 解説;炎を身にまとったパーカー。高温の火を自由に操り1000京度の熱を発することが可能】


 だから高いの基準が分かんないって。


フレア・ラビットパーカー  攻撃+(60%) 武器:なし


【固】高温の火を操れる。45℃~1000京以上

【固】高熱耐性 どんな高温にも耐えられる。パーカーから熱から守る膜が張られ体は絶対溶解しない。マグマの中も歩ける。

【技】フレア・フィールド 拳を地面に突くことで、溶岩の足場を作り出す。


 お、これ使えるな。


「今度は真っ赤ね。でなんか策あるの?」

「もちろんだとも」


 地面に軽く拳を突くと、地震のあとにマグマのあル湖から這い出るように溶岩地帯が出現する広範囲で、しかも出口へと続く1本道へと。


「なんでもありねその服。1着くれない?」

「大金貨100万枚」


 田舎ジョーク的なノリで言ってみる。


「「払えるか! 私のお小遣いはそこまで多くないわよ!」」


 罵声を放つミヤリーを余所に。


「……道もできたことですし、行きますよ。この先を抜ければ草原に出て、シホさんのふるさと剣練の里に行けます」


 うんとスーちゃんに応えるように頷く。

 溶岩の道をスタスタと歩き、出口へと向かった。……つうか足元がめっちゃ熱い。プシュー言っちゃっているよ。マグマだから当然か。


「あちちちちちちちちちちち! ちょままっってええええええ!」

「あ」

「あ」


 不覚にミヤリーが溶岩でマグマを踏みつけ狂ったように走り回り。体が耐えられなかったのか、はたまた装着品の耐性がそれに対応していなかったか知らないが。


チーン。


「「なんでやああああああああああああああ!」」


 ミヤリーは再び棺桶へとリターンし、見事オチを飾ってくれた。


「マグマ対応してないのね。知らなかった。スーちゃんお願い!」

「……仕方ありませんねぇ」


 スーちゃんが棺桶に寄り添い蘇生魔法をかける。


「お前死んでもめっちゃ平然としてるな」


 いつもならぎゃーぎゃー騒ぐのに至って平然すぎる。もうこれ当たり前だよねみたいなノリほんとやめれ。


「だって()()()()()()()ね。それにスーちゃんがいればいつでも復活できるし!」

「少しはスーちゃんにお礼言えよな」


 感謝のかの字も知らないミヤリーではあったが無事マグマの道を抜けるのだった。

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