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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第8章 うさぎさんの大きな山場
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114話 うさぎさん、遠い山岳地帯を目指す その2

【怒らないから犯人さん出てきてくれよ(切実)】


「……どうしましょうか?」

「いやぁそんな急に振られてもなぁ」


 難所にぶち当たる。

 どこぞの誰が悪事を働かせたか知らないが、表へ出ろ謝罪文今なら原稿用紙50枚で許してやる。

 あ、多い? 今のは単なる煽りをかけるような言葉だから真面目になるような意味合いではない。


 でもさ、橋が切れているとかなんなん。

 洞窟を抜け違う山へと渡る橋を歩こうとした瞬間これだよ。あまりにも誰かがあたかも仕組んだような罠に心は悲鳴を上げていた。

 そうそう孔明にでもはめられたような気分だよ畜生。


 周囲を見渡すが。


 キョロキョロ。


【ソノホウコウニハナニモナイ】


 あ、そですかAIさん。

 無駄に範囲が広いから何かあるのかと思ったら、AIさん曰く何もない模様。予備の橋くらい用意しとけよな。でも下を見下ろすと雲海が広がっているくらいに霜が深い。……それは1歩でも踏み外せば乙るような感じ。……つうかこれ誰が作ったんだよ。


「みんな、どうやら他に橋ないみたいだよ。」

「え、そなの? まったく誰よ橋なんか切るやつって」


 なぜにこっち見るし。


「言っとくけど私は知らんからな。緊急な変速的フラグにむしろ驚いてる」


 ミヤリーは置いといて、スーちゃんはどうだ? 確か浮遊魔法があったはずだ。

 おおよそ向こうの山までは数十キロほど(目算) こういうときに魔法使いがいると非常に助かるんだよな。



「スーちゃん、浮遊魔法であっち側に行ける?」

「……橋の向こうですか? …………これは」


 まじまじと向こうの山の方を見つめるスーちゃん。すると普通の顔からだんだん気が沈んだような感じになっていく。ありゃなにか問題でも。


「……愛理さん」

「あ、はい」


 急に話しかけられかしこまってしまう。


「……確かにそれは名案ですが。1つだけ問題があります」

「スーちゃん一体どうしたって言うんだ?」


 まさかまたご都合主義、大人の都合的な展開なことを言ってくるんじゃ……。杖をその山の方へ。


「……残念なお知らせです。私あそこまで持続できる移動魔法まだ覚えてないんですよね。なににせよその移動魔法が書いてある魔導書が今品薄で中々手に入らない状況なんです、マーケットでも高値で売られていて。……あの時買っていればぶつぶつ……ぺっ。不覚ですよはぁ」


 スーちゃんが中腰になり拗ね拗ねモードに入る。おーいスーちゃん戻ってこい! ていうか存在無視以外でもそうなるんかい!

 異世界のバイヤーさん少しは安く売ってあげようよ。つうか普通に異世界に沸いていて草今知ったけど。

 肩に手を乗せ、ミヤリーが首を左右に振ってくる。


「だめよ愛理。スーちゃんがああなったらもう頼める当ては……。因みにここで私に頼んでも無駄よ。私戦闘がメインだから」

「うん知ってた」

「即答!? ていうか何よその"どうでもいいわ"みたいな顔は!?」

「だってお前頭が脳筋だし、すぐもの壊すし……考えなしに突っ込むし……以下略」


 こいつに関してはいつもフラグ立てるマン。まあ最近は少し学習能力が良くなってきたとは思うが、それでもミヤリーお主はまだまだ私達の手に及ばんぞ。


「自分ながら恥ずかしいわ。……ということで愛理なんか策考えなさいじゃないとここで一生野宿する羽目になるわよ?」

「はいはいサーセン。今考えてるからちょいと待っとけ。」


 あそこまで行く方法かぁ。

 素材を消費して向こうまで行きたいところだが、生憎この場面で使えそうな素材は手元にない。

……。


 しばし時間が経ち一向に考えが膨らまない。

 復帰したスーちゃんが、私の方へと寄り中腰で聞いてくる。


「……愛理さんすみません。取り乱しました。……策思いつかないんですか」

「う、うんまじだよ大まじ。まったくと言っていいほど思いつかないよぉ」


 とスーちゃんが考えているタイミングで空中から、もんのすんっごい緊急落下してくる物体が接近してきた! 今度はなんだあああああ!?


「コケエエエエエエエエエ!」


【スカイドン 説明:滑空する飛行モンスター。一辺に住む人々によく狩られ焼き鳥にされるのもしばしば】


 なんだコイツ。プテラノドンみたいな見た目をした鳥のモンスターやん。狩りように狩られてるとかなんかかわいそうな気も。

 そういや狩りで思い出したけどサバハン(サバイバルハンター:大人気狩りゲームの愛称)のやろうとしていたイベント結局時間が取れずにほったらかしにしたけど、今更ながら無性にやりたくなった。

……つうか腹減ったな。取り敢えず……パンチを一発ゼロ距離で放つ。


「ラビットパンチ」


 丁度私に接近してきたのでそれを逆手にとり、10倍ラビットパンチを瞬発的に放つ。当たり所良好。火力十分。うんワンパンだな。


「ご、ゴケエエエエエエエエ……」


 顔がぺちゃんこになりながら、スカイドンはズズッと引きずるように壁から落ちていき。

チーン。

 あ、死んだ。あっさりと。これは過労死と言わんばかりの死に方で、見事に口ががっぽりと破裂し倒れている。はいグロ画像確定。

 2人もそれを見て。


「……大丈夫ですかこれ? この小説って幅広い年齢層の人が見るので危険なのでは?」

「大丈夫よ、ここは愛理が上手くカモフラージュして誤魔化してくれるはず。ほらえーぶいだっけ? あれみたいにモザイクかければ大丈夫よ」

「いや、なにメタな話してんだよ! というか絵も何も用意されてねえから大丈夫だよっ!! たぶん。というかお前それどこで知った!? 私そんな子に育てた覚えないよ!? 未成年さんも見ているかも知れないからやめたれよ」


 すみませんみなさんうちのメンツがメタな発言をして。

 とりま倒したスカイドンを。


 と今頭の上に電球が灯り閃いた。


「あ、そうだ」


 コイツを食料にしようと思ったが前言撤回。

 飛べるよなこのモンスター。ということは。

 スカイドンの素材を入手し。


【スカイドンの翼を手に入れた!】


「あ、みんな新しい服今から作るわ」

「……? 何か秘策でも?」

「まあ見ときなさいって」


 自信満々に腕を組みながらふっと笑う私。え、ウザい? はいそうですよまともに彼氏の1人もいなかった(やつ)ですから……というか自重してそこは。

 ラビット・フュージョンの項目を開いて素材を選択する。当然予め素体となるノーマルラビットパーカーを用意して。


 ポチポチポチ。


 標高がそこそことあるので、多少の風も採取しそれも素材として使う。……それに加え先ほど入手したスカイドンの翼を素材に…………あ、わいの貴重な食料が南無三。

 そして合成を押し、生成開始。


 さて今回はどんなパーカーが出てくるかな? 的外れだけはやめてくれよ。あときちきちな条件きつめなパーカーも無しで。

 いつものように辺りが光に包まれ周りが発光し生成が完了する。


「ふうできた」


 パーカーチェンジ。

 おにゅーのパーカーに姿を変えみんなにその姿を披露する。

 今度は空色のパーカーだ。


「……空色の服? 前に着ておられたあの水色のパーカーとはちょっと違う感じですかね?」

「あぁアクアラビットパーカーか。うんちょっと違うかな」


 チェンジしたパーカーの名前は。


【スカイ・ラビットパーカー 解説:滑空を得意とするラビットパーカー。風を意のまま操り光速級のかまいたちを使った攻撃や巨大な竜巻を作って敵を圧倒できる】


 なんか強そう。


スカイ・ラビットパーカー 補正:素早さ+(70%) 攻撃+(25%) 武器: ラビット・スカイアロー


【固】空中移動可 持続時間制限なし(高速~光速ぐらいの速さ)

【固】風を操れる。下手をすれば天地災害級の竜巻を作れる。

【固】風の引力を敵に押しつけて敵を自分の場所へと引き寄せることができる。


ラビット・スカイアロー 攻撃+(35%)


【技】ラビット・アロー 基本技。空を穿つような風の矢を解き放つ。敵1点に集中させ矢を複製しハメる連射攻撃も可能


 移動もできる、しかも攻撃もちゃんとできるパーカーだった。


「なにをする気? 愛理」


 私は手を振りかざして力を込める。

 すると何もない一辺に。


ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!


「……ッ!! こ、この風は!?」


 たちまち強風。

 腕を前に出し顔を隠してしまうほどの高風力の竜巻が発生する。周囲の物が巻き上げられ風は活気のよさそうな風音を響き渡らせていた。

 それをよそに2人の方を向いて言う。


「さぁみんな、対策も練られたし先を急ごうか」


「え?」

「え?」


 私は2人の手を引っ張り風の逆巻く方へと走り出した。

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