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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第8章 うさぎさんの大きな山場
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110話 うさぎさんの致命的?

【伏線回収は後々出てくると相場が決まっている】


 意識を取り戻す。

 ぼやけた感覚をはっきりさせ辺りを見渡すと。


「なんぞここ?」


 そこは所狭しと機材やディスプレイがたくさん置かれた狭い部屋だった。

 パソコンの音がキーキー鳴る方へ視線を向けると、三画面ディスプレイが置かれていた。真ん中は何やらソースコードがたくさん書かれたファイル。……編集中だろうか。他は複数開いてあるファイルやらネットサーフィン用の物だったり、今私がいる世界とは逸れた感じ。


 まるで現実世界に連れ戻された感覚。

 え、やなんだけど。あんなクソ教師の顔なんて見たくもないんだが。またDQN教師に説教食らうくらいだったら、また家にとじこもってゲーム三昧の人生送り続けてやる!


 と私は確か、兎双本能の副作用によって倒れたはず。あのあとどうなったか私シラネだが、意識があるということは死んではいないことだろう。まあそもそも私は簡単に殺されるような柔ではないけど。


 して、今画面の目の前にあるイスに腰かけている女。……私と同じ長さをした長髪でその後ろ姿にどこか見覚えがあった。

 存在に気がついたのか、こちらへ声をかけてくる。……いやこっち向けよ。


「あら、気がついたのね。べ、別に気になったとかそんな変な理由じゃないから」

「というかお前誰だよ。……でもその声聞き覚えがあるんだけど…………あ、思い出したお前は私の妹の……う」


 名前を言おうとした途端、私の妹? は割り込むように口止めしてくる。


「あ、ごめん姉さん。私まだ()()()()()()だから、作者の意向で名前は出てくるまでお預けにされてるの」


 またまた変なメタな設定来たぞ? え、というかこいつ本当に妹だった。……このツンデレ口調が特徴なこいつは紛れもない私の妹。おじいちゃんの家で別居で暮らしているのだが、なんでこの話ででてくんのさ。お姉ちゃん聞いてないよ? みなさんこいつがいつも私が例にあげている私の妹です。ツンデレ曝け出しのお方。


 そうか。顔を見せてないのはもしや公開防止とかそんな感じか? もっともこれは小説だからそんなの乱雑にカットしてしまえば情報を伏せることは可能だが。


「んじゃなんて呼べばいいのさ」

「えぇと……そうね」


 天井を仰ぎながら数秒考えに耽る私の妹。

 こういうのは適当に×××とか、●●●やモザイク表現とかすればいいんじゃ…………あ、でもそれさ逆に考えたら読者はエロゲか何かと勘違いするのでは。


「妹かイニシャルのUでもいいわ好きな方で呼んでね」

「んじゃ妹で」


 名前で呼べないなら妹でいいや。


「1ついい姉さん?」

「なにさ」

「あのさ、ちょくちょく私を小説文に召喚(ゝゝゝゝゝゝゝゝ)するのやめてくれない?」


 なんの話ですか~? お姉ちゃん頭お馬鹿さんだからわかんないよ!!


「そんな頭傾げても無駄よ。無駄なの無駄無駄」


 お前絶対そのマンガの5部好きだろ。


「言動で大方察しがつくわ。……ほらいっっつも! いつもいつもいつもいつも!! 『妹が~』みたいな言い方して。なにあれ私をディスってるわけ?」


 あぁね。確かに私の悪く癖でそう頻繁に言ってるってる。

 こいつがなんでそんなこと知っているのかを聞くのはやめた方がよさそうだけど、こういうのは気にしたら負けとか、大人の事情的なものがあるからさ。

 別にディスっているわけじゃないよ。それは私なりの優しさ、気持ちだけの友情出演! みたいな流れで。


「いやいや誤解すんな。形だけの登場パターンだよ。これは私のせめての気持ちだって」

「へーふーはーほーん……。姉さんっぽい返答ではあるけど。……まあいいわ今日はちょっと作者の意向で先行登場(顔は出せない)することになったんだけど、それ聞いて安心した。」

「作者も色々あるからな。……というかなにそのご都合主義展開は!?」

「因みに、追々出てくる本編の私は、"今ここにいる私とは別"だからそこんところよろね姉さん」


 それどういう意味で。

 今ここにいる私? んもしやとは思うが。


「今姉さんが話している私は夢の中に出てきた妹という設定の私よ」

「あそなの? えらい唐突だな!!?」

「仕方ないじゃない。……あソースコードようやく打ち終わったわ」


 打ち終わったのか。あのカチャカチャ音の正体は妹のだったのか。

 すると妹がぼそっと私に呟いてくる。


「ところでさ、姉さんそろそろ起きたら? 仲間が心配して待っていると思うけど」

「へ?」


 その一言を聞いた途端。

 再び、意識が遠くなっていき、辺りは真っ白になるのであった。



☾ ☾ ☾



【朝起きたらなんか気が入らなくて、ゲームで結局時間を潰して気がつけば朝飯の時間が遅くなっていたことよくあるとおもんます】


 再び起床。

 今度はちゃんとした我が異世界です。

 ここは、リーベルの宿屋っぽいけど、みんなはいったいどこに。


「? あれシホさん」


 横には顔色悪そうなシホさんが寝ていた。小さな吐息を零しながらすやすやと寝落ちタイム。……やたらと服がボロボロだけど、なにかあったのかな。


 カチャ。


「……おや、愛理さん起きられたのですね」

「心配したわよ。全くリーベルの宿屋まで運ぶのどれだけ大変だったか」

「え、まじ? ここってリーベルなんだ。……あれ、じゃああいつは?」


 バイタス。

 私達が苦戦を強いられた強敵。どんな潜在能力があるか知らないけど、あれは嘗てない強敵であった。

 現状倒すのは不可みたいなモンスターだったけど、あの後どうなったんだろう。


「……いや大変だったんですよ」

「スーちゃん、ミヤリー詳しく教えて」


 私はスーちゃんとミヤリーに、私が気絶している間何があったのか説明してくれた。

 シホさんが危険な大技を使って、戦いを継いでくれたこと。

 戦いの後一時離脱でスーちゃんは転移魔法でリーベルへ帰還し、宿屋に駆け込んだことを。


「そんな大技使ったんだ。で、そのシホさんが使った大技って?」

「……えぇとですね。結構厄介なことになりますけどいいですか?」

「勿体振らなくていいよ教えてカモン」


☾ ☾ ☾


「まぢかよおおおおおおおおおおお!!」


 こくりこくり二人はリズミカルに頷く。

 スーちゃんが言ったのはこうだ。

 シホさんからの伝言なのだが、彼女の使った大技は非常に危険が伴う大技。発動中、能力を極限に引き上げる力ではあるものの、その裏頻繁に使い続けるとなにかしら副作用が出てしまうみたい。

 過去にシホさんは何度も使ってしまったらしく今回の使用で長期睡眠状態に陥ってしまった模様。

 横に寝るシホさんが早く目覚めてくれないかと心配する私は、彼女を見つめ。


「無茶しやがって。気遣い感謝するけど誰がそこまで無理しろって言ったんだよ」

「なので、今回で長期睡眠状態で、簡単には目覚められない状態になってしまったようです」

「ほんとビックリしたわよ。そんな危険な大技があるなんて。……と愛理これシホからの手紙よ」


 ミヤリーが紙切れ1枚を渡してくる。

 それをみると気絶する前のシホさんが書いてあるメッセージが綴られていた。


『愛理さんへ。 これを読んでいるということは、わたしはあの力を使ったということ。無茶してごめんなさいあの状況下ではあれを使わないと勝ち目はなさそうだったので』


 至ってとても真剣だな。


『今私がかかっている症状は教会行っても治すことはできません。それぐらい特殊な作用なんですこの脅精の変異力(マキシマム・トランス)は。と対処法をお教えします。……その手がかりは私の冒険者カードの出身地の所をみてください』


 シホさんの持つ革袋からそれらしき冒険者カードを取り出す。

 裏面に出身が書いてあった。場所は……剣練の里?


『そこへ行ってください。そうすれば私の対処法があるのでお願いします。あまり悲しいお顔をされないでください私は信じていますよあなたが私を救ってくれることを。そうしたらまた一緒に冒険しましょうね。みなさんにもよろしくお伝えください シホ』


 とそこまでは良かった。うんここまでは。

 下でオチとして。


『あ、因みにこの話で私が救えず永久離脱するとか、植物人間になるとかそんな鬱な展開はないそうですよ? なので心配は要りませんまたすぐ復活しますから』


 おいこら。私の心配かえしやがれ。

 まあでもここから先は彼女を救わないと、話が進めないフラグが経ったのだと思った私は。

 寝込むシホさんを担いで足を進め。


「……って愛理さん? シホさん担いでどうされたんですか?」


 扉を潜り抜け、視線を仲間に送り。


「二人共、ちょいと行かないといけない場所があるみたい。……そこに行かないとシホさんを救えないらしくてさ」


 こうしてちょいとシホさんからお使いイベントを頼まれた私達は、彼女の故郷である剣練の里へ向かうことにした。

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