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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第8章 うさぎさんの大きな山場
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104話 うさぎさん達、危険なクエストに向かう その3

【危険な夜道に出る謎の影に遭遇したヤツらいたらしい】


 暗い中の探索。

 クモの群れバトルを乗り越え引き続き暗い森の中を歩き回る。

 照明対策は、ボルトラビットパーカーの光をランタン代わりにしているので、いきなり後ろから奇襲をかけられてきても心配いらない。

 ここには私達が、いつも行っているような場所とは比べものにならない敵が後を絶たず。遭遇する度に私はメインパーカーであるアサルトラビットパーカーにチェンジして銃で向かえ撃つ。


【ゴースト 解説:暗闇の中を彷徨うおばけのモンスター。言い伝えによるとある日の夜眠れない子供の家に近づいて魂を抜き去って行った話があるという】


 しれっと怖い解説だなおい。

 全身白いフードを被ったようなお化けの見た目だが、身長は私達よりとても低め。一発でも攻撃当たればKOしそうなくらいに弱そう。


「ラビット…………って」


 殴りかかろうとしたら対象物には当たらず、体をすり抜け先に立つ木をなぎ倒してしまう。

 うわまじか。コイツすり抜けの能力持っていやがる。


「……言い忘れていました。そのゴーストに物理攻撃は効きませんよ、魔法かもしくは遠隔攻撃で対処しないと」

「まぢ? ……でもめんどくさい」


「へ?」


 一同私のその返答に目を丸めると私をまじまじと見始めていた。……私にはあの能力がある。そう耐性を無視して攻撃する力が。

 なのでここはそれを念じて使えば大丈夫。あ、死亡フラグではないので変なオチはないんでよろしく。


「効かねえんだよ! ラビット・パンチ!」


 私の耐性無視効力を入れたラビットパンチを放つと、ゴーストへその攻撃が見事に命中しゴーストは倒れる。お化けだかなんだか知らないけど私の拳の敵ではない。


「なんと言いますか……その」

「……やはりすごいですね」


 横からちらちらと視線を送る私の仲間。み、見せ物じゃないんだよこれ。

 と浮かれていると、またもやゴーストが大量に沸いてきたので。

 背負うラビットライフルを構えて一発一発を連射して撃つ。


「おらおらおらおら!」


 無数の弾が飛行するゴーストを追い、全て仕留める。その時間はほんの数秒ほど。それも数百匹同時にだ。


「そのジュウって武器やっぱり便利よね」

「確かに便利そうですけど、とても扱い難しそうですね」

「ま、まあ確かにそうだけど。そんなに難しい物じゃないよ」


 リアルガチな物なら免許とかいるけど、本当はとても難しそう。……全てのゴーストを仕留めた私は再び銃を肩にかけてみんなに声をかけ先に進む。

……するとスーちゃんが。


「…………?」


 その場をじっと動かず、何かを探っていた。まるで蠢く者を察知して注意を促しているかのような素振りで。暗闇で遠くまでは光は届いていないはずなのだが。


「どうしたのスーちゃん?」

「……あ、いえなんか向こうから物音がしたんでつい。……気のせいですよね」

「あぁスーちゃんそれきっとさっき倒したモンスターの仲間かなんかでしょ。大丈夫よそんなの愛理がまたボコボコにしてくれるから」


 せ、せやな。

 でもなにかとスーちゃんの予想は当たったりするかもしれない。だって魔法使いだもん。これくらいの感覚を染み染みと感じているかも。


「ずっとぼさっと突っ立てれば余計相手の注意を引きつけるだけだよ。いこスーちゃん」

「……は、はい」


 少し動揺しながらも立ち止まるスーちゃんの手を引っ張り先へと進んだ。


☾ ☾ ☾


 道は果てしなく続く。低音が鳴り響く中探索は続く。

 ていうか未確認生物ってなんだ。UMAみたいな……おっとツチノコとか発見できればワンチャン大儲けできるんじゃね。…………いやだからさ何者なんだよその未確認生物はよ。


 キョロキョロと辺りを見回していると。

 ガサガサと音が聞こえてきた。


「そこか!」


 瞬間的に銃で音の聞こえた方向へ銃弾を放った。草木を弾が掠め銃の発砲音が鳴り響く。……撃った方向に近づくと。


「くそ、逃がしたか」

「あ、待ってください愛理さん。……なんか血みたいな物が付いていますよ」

「……ほんとだ。なんか緑っぽいですよこれ」

「どれどれ…………まじやん。ってことは僅かだけど当たったてこと?」


 微かに攻撃は命中したらしい。だがその姿を未だに捉えられていない。

……敵は見えない相手か、はたまた高速で移動する何見当も付かないモンスターかな。


「ギャッ!」


 すると見えない何かが私に攻撃してくる。 ……ツメか何か鋭い何かを受け止める感覚がした。私は音でその動きを感じ取って手で受け止めた。

 力強い感覚が体からひしひしと伝わって来る。


「あ、愛理さんそれって」

「……シホさんミヤリーさん。私達はとんでもない敵を相手にしてしまったようです」


 そう敵は姿が見えない。ギルドの人達が未確認生物と言うのも今なら分かる。見えない相手をどのように書けばいいんだか。とても無理そうな話である。

 私はその未確認生物に力を込めて。


「透視」


 以前冒険者に教えてもらったもの……透視。衣類を貫通してそれを見ることができたり、隠れている物の姿を鮮明に映し出す技なのだが。


「捉えた…………ほうようやく姿を確認できたねぇ」


 私が見たそのモンスターの姿は。

 私より数メートル大きい2足歩行をしたカエルのモンスターであった。

 着色は黒みがかった色調で見た感じSF映画に出てくるようなモンスターの見た目。

 力の押し合いで私は掴んだその謎生命体を向こうの木に目がけて放り投げる。


「どりゃあ!」

「ぐごおおおおおおおお!」


 姿を隠そうと再び透視化しようとするが上手く決まらず体が透明にならない。掴んでいる片時透視に併用して無効化のスキルを合わせた。これによってヤツは透明化できなくなり実態が保たれて肉眼で動きを伺えるということだ。


「……あれが敵の正体。愛理さんが飛ばした瞬間、ヤツは再び透明になろうとしましたけどうまくいきませんでしたね……なぜ?」

「あぁ透視に併用して無効化させる能力を上乗せしたの」

「なるほどね。たしかにそうすればやっと目で追うことができるわけね……やるじゃん」


 単なる応用程度だが、みんな納得が言ったかのようにうんうんと首肯しているからおk。

 先ほど飛ばした謎生命体の姿が飛ばした木から姿を消していた。……私が話している間に隙を突いて……逃げる。

 とはとても考え難い事だけど。

 耳で敵の動きを探り徐々にこちらへ近づいてくる音の方に向く。丁度私の横、仲間の手前辺りだ。

 私は片手に軽く力を込めて瞬発的に。


「……ッ! そこだラビットパンチ!」


 一瞬の隙を突いたパンチは謎生命体に直撃。手応えのある感触が伝わってくる。すばやしっこい相手なので奇襲をかけるのも得意な模様。……そんな飛びかかった相手を私は拳で下へ叩きつけたのだ。


「す、凄い。一瞬の隙を突いて敵を叩きつけたなんて」

「シホさん下がって……それとみんなも。こいつ今まで戦ったやつとは格が違う」


 私に寄り添うようにして身構える仲間達は、立ち上がる未確認生物の様子をじっくり観察。少々の隙ができたんで図鑑を確認。


【バイタス 解説;詳細不明。地球外から飛来した生物ということは判明している】


 地球外生命体ねぇ。SFファンタジーでよく出てくるエイリアン系のモンスターだけど、いざ実物を目にすると緊張感がこみ上げてくる。未知なる即死攻撃とかしてこないよな? さてどう出るよバイタスって言ったか? はよこいよ。


 するとバイタスは一喝上げて謎のオーラを身に纏うと。


「シャー!」


 左右に散けるように分身し私達と同じ人数。即ち4人に分身した。高速で移動してくるバイタスはそれぞれ私の仲間を斬り裂いてくる。


 グサグサグサグサ!


 かまいたちかと間違えるかのような素早い鋭利は仲間達の衣服を軽く引き裂く。そこから絶え間なく連続で斬り裂いてくるが、シホさんは仲間を自ら守ろうと盾を前にして守る。前から襲いかかる2匹相手を私はパンチで。


「これはちょっと痛いかもよ! 10倍ラビットパンチ!」


 応用した10倍のラビットパンチを使う。ストロング並のパワーは出せないが2匹同時葬れるくらいの威力はあるから十分だ。ぶっつけ本番で使った私の新技だが威力も確かで。拳に宿る中ぐらいの拳が敵の腹と顔を殴り木をなぎ倒しながら飛んでいく。


「……2匹はやっつけたみたいだな。シホさんみんな? なっ」

「こ、このお!」

「おりゃりゃりゃ!」

「……ッ!」


 シホさんとミヤリーは剣で応戦し、スーちゃんは広大な魔法で向かえ撃つ。双方強力な技の連続ではあるものの、まったくと言っていいほど敵は強固でうろたえもしない。……というかこれもう負けイベ確定なんじゃ。

 今いる距離から数メートルの間が空いているが、今の距離的には無理がある。パーカーを変えて戦いに臨みたいところだが、相手が素早いのでチェンジの時間に多少のラグがつきそう。


「ち、まずったな。これ」


 一か八かで駆け出して追いつこうとするが敵の横切る切り裂きと。


「ぐぁ!」

「くっ! なによその攻撃!」


グサササササーン!


「……ま、魔法が追いつかない! うわぁ!」


 諸に食らってその場に伏して、悶え苦しむ仲間の姿。反則的な強さに私は言葉を失いつつも、心の中で仲間にもうちょっと辛抱してくれと訴えてみる。……まあ聞こえないからこれは私の独白になってしまうのだが。

 疾走しながら考える敵の……敵の穴を。

 そのときある物を思い出す。……旅行中サーセン博士にもらった小型瓶。それをバッグから取り出して。


「これを使うべきか? ……迷っている暇なんかない! 仲間が危険にさらされて放っておけるか!」


 私はその瓶を開け一気に呷り。


「兎双……本……能!」


全身を赤いオーラに身を包むと、体中から限界なんぞ感じさせない力が体中から漲ってきた。

この力は少々危険がつきまとう力なのだが……やむを得ない。


「あ……あれ……は?」

「…………愛理さんが赤く……とても赤く!」

「見せてやる。私のとっておき『兎双本能(とうそうほんのう)』をなッ!」

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