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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第8章 うさぎさんの大きな山場
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103話 うさぎさん達、危険なクエストに向かう その2

核兵器っぽい高火力武器でまする。

【夜道を歩く際はいかのおすしを心がけよう】


 日の出となった時間帯。

 時間も丁度よかったので、朝食を済ませた即座に調査を開始した。

 朝になったとは言え、この森は非常に暗いので夜と大して差がないくらいに暗い。


「あの、今朝ですよね? それにしてはまだ全然暗いんですが……時間間違えてません?」

「シホさん怯えているのは分かるけど、私の時計は壊れてないよ」


 あまりにも暗すぎるせいでシホさんが怖がり始めていた。

 ボルト・ラビットパーカーで辺りを照らしてはいるが、それでも向こう側にある闇の海は深く。道は果てしなく続いていた。


「そんなこと分かっていますよ! ……ミヤリーさんにスーさんもまじまじと私を見ないでくださいよ! ……もう私怖くなってきたのでランタンでもつけますね」


 と薄目で彼女をじーと見つめる2人をよそ見に、シホさんはランタンを取り出し点灯させる。金属製のカンテラの形をした形状で下には点灯させる引き金が付いている。なんだっけスーちゃんの国の人が作った炎魔法の魔力が込められた物だっけな。


 火が灯ると多少暖かな火が彼女を包み込む。

 ほっと一息つくシホさん。……しかしそれはつかの間の休息におわりを告げる。


「ちょっとシホさん! 後ろ!」

「え、うし…………ろ? ふぇえ!?」

「シャアアアアああああ!!」


 シホさんが後ろを向くと、巨大なクモのモンスターが姿を現す。

 複数の目を持ったモンスター。木の枝からクモ糸を垂らしながらこちらを見つめていた。


「ちょっと! このおおおおおお!」


 瞬時に反応したミヤリーが剣を構えて片方の剣を投げる。しかしクモは素早い速さで移動し違う木へと移り姿を暗ます。


「ちょいと辺りをチェックしてみるわ。待っててね」

「……できるんですかそんなこと?」

「スーちゃん私は便利屋だから、こういうことぐらいはどうってことないよ」


 マップ機能を起動させ周囲の情報を確認する。

 …………って。めっちゃおるやんけ。

 1、2の……3……。赤点がいくつも私達を取り囲むように群集を作っており、完全に包囲されていた。

 それを仲間に伝えようと目を開くと。


「ああああああああああああああ、あいりさああああああああん!! クモがたくさんでてきましたよおおおおおおおおおお!」

「めんご。どうやらこの一帯このクモ野郎の縄張りだったみたいよ」


【ダークスパイダー 解説:暗い闇に潜む巨大な体形のクモ。毒性の攻撃はないが攻撃力は高めなので注意が必要】


 木のあちらこちらにクモの姿が見える。何百もいそうなその多勢に私はドン引き。……うわぁなんじゃこれ。というか殺虫剤ってコイツらに効くのかな。……因みにクモは虫ではない。よくお店とか行くと虫扱いされているけど、虫じゃないからね。


「しゃあああああああ!」


 私の背後から2匹のダークスパイダーが奇襲をかけてくる。迅速な動きで回避し背後に回り見失った敵の隙を突いて攻撃。


「ダブル・ボルト・ラビットパンチ」


 2つの力がこもった拳を敵にぶつけると、そのまま数秒感電し身動きが取れずにダウン。単発2連撃の攻撃も私が念じれば攻撃もそのように思い通りになる。

 タダ発光しているわけじゃないんやで? 設定上雷並の電力だって出せるんだから。


「暗いですけど、頑張ります。はぁ!」


 少しチキンなシホさんだったが、戦闘に視線を集中させると果敢に攻撃に取りかかる。糸を吐き攻撃を止めようとする敵に対しても切れ味のいい愛用の剣によって即座に切り落とされ、一瞬で3匹同時に一刀両断。着色の悪い血痕が飛び散り生々しい臭いが漂う。

 防御に関しても文句の付けようがない。一見重そうな盾を片手に構えているが、後ろに来た相手の攻撃をその盾を振り上げ軽々と受け止めて剣で切り裂く。……とても常人では真似できないくらいに多芸である。


「やるねシホさん、その調子で頼むよ」


 bサインを送ると、シホさんもbサインを送って。


「もちろんです任せてください! あちゃんとお腹空いたら愛理さんからもらったおにぎり食べるんで心配はいりませんよ」

「それなら……よかった! ふ!」


 話しながら縦横無尽に襲ってくる敵を迎え撃ち。

 予め彼女がKYな感じでぶっ倒れないよう保険を入れておいた。3個ほどの彼女の補給源となるおにぎりを手渡して、空腹を感じたらすぐ食べるよう言い伝えて。

 なので、いざまた腹減りで倒れそうになっても彼女自身が補給するから大丈夫問題ない。

 因みになくなってもおにぎりのストックは私のバッグの中に大量にある。今激しく敵を滅多斬りにし倒す彼女の姿は戦士そのものの姿である。


「……ミヤリーさん」

「分かってるわよ。状態異常はお願いね」


 前に立つミヤリーをスーちゃんはバフ効果(状態異常)の魔法をかける。ミヤリーはクモを斬りかかり、スーちゃんは敵がいつもと比較にならない強さなせいかちょい強めな魔法で対処する。

……お、スーちゃんの周囲から凍りと火が渦巻くように舞っているぞ?


「……空気が薄いのを逆手にとれば魔法の溜め時間を稼ぐのは容易です。……フレアザード!」


 巨大な氷と炎の混合魔法が、木に止まっていたダークスパイダーを燃焼と凍死を同時に行った。数も半数になり、だいぶ数も減ってきたがそれでも敵の軍勢は衰えない。

 ミヤリーも瀕死状態で使う技を使っていないのにもかかわらず、迫り来る敵を。


「そんな攻撃! ふんお返しよ!」


 得意技である、闇の傾斜した斬撃を避けた直後放ち敵を倒す。被弾ダメージが非常に大きいはずなのに私達と死なずに対等に立っている。

 するとミヤリーがスーちゃんの方を向いて剣を振りかざして。


「スーちゃんお願い!」

「……えぇ今あげますよ」


 スーちゃんはミヤリーの剣に火と氷の魔法を双方の剣に放った。そうすると右の剣は燃えたぎる炎の剣に変わり、片方は凍てつくような氷の剣へと変貌する。……ミヤリーはその剣を大きく振りながらダークスパイダーの群れを蹴散らしていく。炎と氷が交互に発生させ先ほどより範囲は拡大。豪快な攻撃だなおい。


 私とシホさんにも力を貸して欲しい気持ちもあるけれど、いきなり言うのもあれなのでこちらはこちらで頑張るとする。

 数分と経った沈静する見込みは全くなくいつまで続くんだと嫌気が差してきた。その強行突破として。


「あぁ! もうめんどせえぇぇなぁあ! クモかなんか知らないけど! 一気に掃除してもらうけどいいよね?」


 ノマアサにチェンジして、普段使う銃とは別の武器を取り出す。

 その武器2つを取り出し作動させ。


『ラビット・ランチャー』


カチャッ


『ラビット・ホーミングガン』


 作動させると2つが同時に音声再生される。

 この片手に持つラビット・ランチャーは広範囲高火力の弾丸を1発撃つことで数百体の敵を一瞬で蹴散らすことが可能なランチャーである。ちょいと重量感があるが能力で力の補正をかければ問題なし。ストロングで持たせるのもいいけどそれだと少々鈍足になりかねないのでここはノマアサが無難。

 片方はラビット・ホーミングガン。標準機に表示された複数の敵に狙いを定めて確実に撃ち仕留める追尾弾。約数千発に及ぶため数百体相手に対してなら非常に有効である。


「みんなちょいと下がって! 掃除するからな!」

「え……あ、そその大きい武器はどこから? ……まあいいです後ろに下がっておきますね」

「なんだか分からないけど凄い武器っぽいわよあれ」

「……いつも持っているあのジュウという武器も気になりますがあれもとってもかっこいいです」


 サッサと引き下がる仲間達。

 そして。


「おりゃあああファイアアアアア!!」


 両手に携えた銃の引き金を引くと、向こう側に巨大な弾丸が飛んでいき密集していたクモが爆発に飲まれ塵となる。防音と共に辺り一帯のクモも爆風に飲まれながら姿を消す。残った木に止まるクモたちは空に降り注ぐ火弾の雨によって直撃していき、的にしていたクモは逃げるのに間に合わず、直撃、直撃、直撃としていき、気がつく頃には。


「ふう片付いたかな?」


 再びマップを起動させ、見てみると後ろには青い点が密集しており辺りにはもう赤い点はない。……どうやらダークスパイダーの群れは一掃できた模様。

 仲間を呼んで倒した事を言うとほっと一安心させる様子をみせ。


「一瞬で全部!? なによあの武器」

「ちょいと兵器ってやつを使ってみた。……でも魔力の使いすぎで体が重く感じる」

「……無理は禁物ですよ愛理さんちょっと歩いたら少し休憩しましょうか」

「さぁ私の肩に捕まって……いきますよ」


 みんなに手を貸してもらいながらバテる私は先へと進んだ。

 この武器はサーセン博士からこの間もらった拡張武器の一部である品物である。……どちらも広範囲高火力と便利甲斐のあるものではあるが、強力な分それなりに消費する魔力も多い。他にも貰い受けた強力な武器はあるのだが、使い勝手のいい強力なこの武器を選んだ。……100体くらいなら問題なかったが、さすがに100体越えは無理があった模様。

 まあともかく無事クモの群れをたおすことはできたことだし、引き続き調査を続けるとしようかな。さて謎生命体どっからでも出てきやがれ。

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