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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第7章 うさぎさん達、外海旅行に赴きます
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番外編 うさぎさん、仮想空間に入る? その4

【ぱくって何が悪い! そこら辺に散らばっている物は実質セルフでしょ?】


 仮想世界に来てようやく三人目の仲間、スーちゃんをパーティに加え物語を進めた。ひとまずどこから探索しようと歩きながら考えてみる。

 当てもなく建物の裏を回るように歩き。


「おや、あれは」


 建物の裏にあるタル。いくつも横並びに連なるように陳列している。

 RPG定番の……定番かどうかはわからんがタル割りを私はしようとしていた。


「ねぇねぇきょうせい。タルってこわしてもた゛いし゛ょうふ゛なわけ? タンスはぬすっとあつかいにされるのはわかったよ。……でも外にあるタルとかはどうなの」

『あぁそれはた゛な』


 まさかとは思うが、タルまで何らかの制約が課せられているんじゃないだろうな。例えば壊したら器物損壊罪で牢送りにされるとかね。おい待てそんなことされたらアイテムの入手経路のハードルめっちゃあがるぞ? 道端によく落ちているような物にそんな罪をのせないでもらいたい。もしやったら孔明確定な。

 狂政は答えてくる。


「た゛いし゛ょうふ゛た゛、もんた゛いない。なせ゛ならそうするとこのケ゛ームか゛しょしん(初心者)しゃにやさしくないものになってしまうからた゛そのてん()かん()してはなんのきせい(規制)もかけていない。おもう()そ゛ん()ふ゛ん()こわすか゛いい」

「……わたしなんて、タルのなかからタルのモンスターか゛て゛てきましたよ」


 なにそれ怖い。まさかのトラップモンスターも潜んでいる感じ? でもスーちゃんなら強力な魔法が使えるし、大して苦労してなさそうだろう多分。

 すると付け足してなにか言ってくる。


「……いっかいたたかったら、とんて゛もないタ゛メーシ゛をくらい、しんて゛しまったんて゛すよ。しょきちてんにきょうせいてきにいと゛うさせられ、さんさ゛んなめにあいました」


 まじか。

 それほど敵は強かったというわけか。俗に言う初見殺し的なモンスターなんだろうけど、そのタルのモンスターってなにもんだよ。

 そんなことはさておき目の前のタルに視点を合わせて。


【ラビット・パンチをつかいますか? はい/いいえ】


 いえす。

 すると前のタルが1個目の前で壊れ。

 バリッ。

 とSE音と同時に破壊される。

【1Gてにいれた!】


 よしそんじゃあともう9個あるし残りも惜しまず破壊するぞ。

 連続で私はラビットパンチを使いタルを破壊しひたすら中身を漁る。


バリバリバリ……。

【1Gてにいれた!】

【1G手に入れた!】

【1G手に入れた!】

【1G手に入れた!】

【1G手に入れた!】

【1G手に入れた!】

【とあるゆうめいなと゛うし゛んさっかのしんかんをてにいれた!】

【しょうみきけ゛んのきれたハ°ンをてにいれた!】


 なんか変なやつ混ざってなかった?


「あいりさん、アイテムはメニューて゛せつめいをみることか゛て゛きるみたいて゛すよ」

「ほうほう、し゛ゃかくにんしてみる」


 メニューを開き、道具をセレクト。……これなんか長押ししたらバグ技使えたりしないかな。例えばGが一気にカンスト数値まで稼げたり……とかね。あぁでもそんなことすればゲームバランス崩壊一直線深追いはしないでおこう。

 えぇと。道具……あったあった。『とあるゆうめいなと゛うし゛んさっかのしんかん』。

 ってなんでこんなアイテムがあるんだ。ファンタジーがテーマじゃなかったのかよRPGに同人誌ときたか。ふむむ。

 そのむふふの見た目は、ドット絵の美少女が写った本。触ってもそこまで重みはなくむしろ手ぶらに近い感覚。


【と゛うし゛んさっかのしんかん ゆうめいなさっかか゛かいたしんかんのと゛うし゛んし。18さいみまんはよんた゛らけ゛んきん】


 いや誰だよ。せめて作家の頭のイニシャルくらいつけろや。……見ようとしたが見開きはできないようだった。……どうやらそこまで本を忠実に再現している品物ではないらしい。……単なる消費アイテムに見えるが一体何に使うんだ。

 もう1つも確認する。食っただけでアウトな品物に見える。……なんでタルに詰めてあるのかとそんなツッコミは入れず。


【しょうみきけ゛んのきれたハ°ン HPか゛はんふ゛んになり、みかたせ゛んいんか゛もうと゛くし゛ょうたいになる】


「いるかあああああああああああああああああぁ!!?」


 ぽいっと。

 心を無にして、そのパンを原っぱに投げ捨てる。腹壊すわッ!!

 例えゲームとはいえ、賞味期限切れの食い物なんて誰も食べやしないから!


【しょうみきけ゛んのきれたハ°ンをすてました】


「あいりさん、たへ゛ものをそまつにしちゃ……」

「わ、わるいか!」

「……ま、まあおなかをこわしてもいけませんしね、けんめいなはんた゛んた゛とおもいますよ」


 なにスーちゃんすっごい慌てたような口調になっているけど。無理に同情しようと気を配ってやって見せている感じかな。

 正直にここは魔法か何か使い、再利用するのが一番だと思うが…………あれそういえばスーちゃん今何が使えるの?


「……あぁあいりさん、ステータスをみて……ってわたして゛すか。そ、その」


 何か見てはならぬような口ぶりだったが無視する。

 まずは現状把握しないと。『つよさ』から『ステシア』と書かれた名前にポイントを合わせる。

 するとスーちゃんのステータスが出てきて、能力値の詳細がずらり。

 さて何の魔法が今使えるだろうか。横の呪文の項目に視線を傾けて。



 ステシア レベル5 


HP210

まりょく530



 下の数値も魔法使いらしいバランスの整った数値となっていた。

 が。

 その安心も魔法の一覧を見て絶望した。



 まほう

 しゅうちゅう(しょうひ0 1ターンし゛ふ゛んをやすみにしてまりょくをはんふ゛んかいふくさせる)



 以上。

 おい。

 な、なんでよりにもよって魔力回復の魔法しか覚えてないんだ。せめてあるでしょこれくらいの魔力があれば攻撃魔法の1つくらいは。


『まれにのうりょくちとわさ゛のしょきすうか゛あっていないキャラになってしまうこともある。……ステシアくんか゛こんかいのれい()だな。ひとこというならサーセン』

「しくしく」


 スーちゃんが半泣きし始める。

 すげぇかわいそう。

 

「おいきょうせい、かえったらふ゛んなく゛ったろか?」

『すみませんて゛した』


 恐怖に怯えた狂政は私に謝り、改めてスーちゃんに謝罪。

 ブーメラン過ぎだよお前。


☾ ☾ ☾


 当てもなかったので村長の家へとやってきた。

 狂政によると特別イベントが用意されているわけではないらしい。……聞けば製品版に向けてスクリプトを組んでいる真っ最中で本体験版はしゃべるだけで、なにもイベント1つもないらしい。

 だがどうやらなにかアイテムの出所を言ってくれるみたいだが。

……そんなやつあったっけ。そういえば大根のなんちゃらがあるとか言っていたような。


 村長に話す。

 絨毯に居座る村長さんに向かって。


「きたて゛すね」

「わかってるよ」


 迷わず北を押して、話を聞く。


「ふう。ひんしゅかいりょうしたた゛いこんのけんをつくったか゛つま()におこられてにわにすてた。やしきをて゛てみき゛てのはたけ()にさしたっけな。あぁたひ゛のおかたなにもないは゛しょて゛すか゛ゆっくりしていってくた゛え」


 と言い会話が終わる。

 出て右手の畑……確か左の方は畑なかったな。うんわかりやすい。


「……て゛てひた゛りか゛わ。あぁたしかにはんたいははたけありませんて゛したね。あいりさんいってみますか?」


▶はい 

 いいえ


 いやだから私無口な主人公じゃないから……迷わず【はい】で。


「それて゛はまいりましょう。もしかしたらきょうりょくなふ゛きかもしれませんよ」


 かくして、指定された場所に。屋敷を出てすぐ右側の畑へと向かった。するとなにやら光り物が。


「なんじゃこれ」


 その光り物に近づいて、手に取ろうとすると吸い込まれるように消えていきウィンドウが表示された。

 お、入手したか。


【あいりはタ゛イコンフ゛レート゛をてにいれた】


\テレレレレレーン♪/


【タ゛イコンフ゛レート゛ こうけ゛きりょく+100 た゛いこんをひんしゅかいりょうしたきょうりょくなけん()。た゛いこんた゛からってあまくみているといたいめにあうそ゛!】


 いやなにさ、甘く見たらって…………。

 でも。

 カチャ。


【あいりはタ゛イコンフ゛レート゛をそうひ゛した!】


「あ、つけるんて゛すね」

「みためはあれた゛けど、かりょくはたかいし」


 これがよく言う序盤に使う最強武器……ということなのだろうか。見た目は大根。根元はレイピアの取手のようになっており、噂通り大根の剣ということはガセではないらしい。

 どれ、近くにある大木でも斬ってみようかな。

 村の近くにあったボロボロな大木。それに向かって軽く一振りすると。


ドゴオオオオオオオオオンン!


 は?

 強烈な爆音と共に村丸ごと焼け野原にしてしまい、周りが灰と化した。本当にこれ野菜だった大根かよお前!?

 と大根に語りかけても返事は返ってくるはずもないので私は呆然とそのダイコンブレードを凝視。


「うっせやろ。なんて゛タ゛イコンか゛かくへいきみたいになっているのさ!? これあきらかにやさいし゛ゃねえええええええええ!!」

「あのあいりさん」


 気を取られている私にシホさんが服を突いてくる。


「うん? なに」

「……やっちゃいましたねあいりさん」


 スーちゃんが呆れたような口ぶりでやれやれと。

 ? いったいどゆこと。1から説明してくださいおなしゃす。


『あいりくん。それはな』


 狂政の言葉の合図にまたしても。

 ヤツらが現れ。


「あなたはむらをはかいしましたね! はかいさ゛いて゛しょにれんこうします!」

「え、あ、あ、あぁちょちょちょ~~~~~~~~~~~ッ!!!」


 不可抗力をしてみたものの、また警官らしいモブに捕まってしまい画面がブラックアウト。って破壊罪ってなによ。というかあの威力がおかしいって。

 数秒後あの画面が出て。またか。



【GAMEOVER】

【こんなクソケ゛ーにムキになってどうするの】



 うるせええええええええええええ!


「……ちゅうこくしようとしたんて゛すか゛」

「はやくいってよスーちゃん」

「また゛……また゛おわってませんよあいりさん! さぁコンティニューしてさい()トライて゛す!」

「とうせ゛んた゛よ。またわたしのハ゛トルフェイス゛はしゅうりょうしてないせ゛!」


 と言いながらコンテを押す。すると転移している間にミヤリーが。おや今日ようやくの登場ですか。まあまだ再会もしてないわけだからしょうがないね。

 せめて2文くらいはしゃべって置けよ。じゃねえとお前を寡黙キャラ扱いしてやるからな。


「あぁあいり! この1ふ゛んしかきょうわたしとうし゛ょうしないみたいた゛からさきにいっとくわね。"はやくたすけなさい"」

「えまち゛て゛? んもう! わかってるよ。ちゃっちゃっとみつけてやるからまってろ!」


 うそぉ。もう登場おわりかよ。新記録だうん世界最速光速タキオンRTAだ。(イミフ)

 1文で退場するとか冗談もほどほどにしろよな。

 メタな発言を含め、私を含むシホさんとスーちゃんは再びリスポーンし再びドットの世界を歩き回るのだった。

 

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