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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第7章 うさぎさん達、外海旅行に赴きます
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番外編 うさぎさん、仮想空間に入る? その3

【戦う準備は前もって整えておけよ。金? そんなのはモンスターを大量に倒せばいいだよ】


 立ち寄った先のサボッタ村。

 RPGらしくNPCが村中をうろうろと歩く。周りには木造建築の家が建ち並び、畑がいくつか設置されていた。

 統一されたドット絵を使用されているため、何を育てているかは分からないが、これ拾えるのかな調べたら無限に入手できたりと。

……ダメ元で何度か調べてみたがだめだった。ここにオブジェクトは設定されていないのか。


「ひとか゛いますね。ちょっとはなしかけてみますか?」

「そうた゛ね、し゛ょうほうしゅうしゅうのためきいてこようか」

『ちなみにNPCにはAIなんてないから、なんと゛はなしかけてもおなし゛へんとうしかかえってこんそ゛』


 うん、なんか知ってた。昔のゲームを基準に作られているのなら人工知能つまりはAIは搭載されているわけはなく、決まったパターンの返答しか表示されないだろう。

 近くにいた作物を育てる麦わら帽子を被ったモブのおじさんに話しかける。


「ふうきょうもひとあせかいたへ゛。そうえいは゛、そんちょうか゛ひんしゅかいりょうしたやさいのふ゛きをつくったとかいってたへ゛ぇな」


 野菜の武器ってなんぞ? 品種改良って。……ちょい狂政食べ物は粗末にしちゃダメだって親から習わなかったのかい?

 人によっては自重しろとの声が飛び交いそうだがここはゲーム。どう作ろうにも人の勝手だがもうちょっとマシにした方がいいかもよ。

 でも強力そうな武器であることは確かなのだろう。もうちょっと探ってみよっと。


 双方に立ち並ぶ道具屋へと訪れる。

 なんで2つもあるんだろう。いや1つでよくね。

 ひとまず片方。左側の店員に話しかけようかな。


「ここはとりあえす゛せんりょくになりそうなふ゛きやと゛うく゛をそろえておきましょう」

「そのまえにさ、いまのしょし゛きんってと゛のくらいかな。……は?」


 しょし゛きん 300G


 少な! せめて1000Gくらいくれよ。というかこの世界の通貨はG制なのね。私達のいる世界同様に硬貨にランクがあるのかと思った。あ、でも仮にそうしたらダイヤログがたくさん表示されて色々面倒くさそう。

 その点結構考えて作っているじゃないか狂政。

 まぁ、これくらいなら薬草ぐらいは買っておこうかな。確か薬草って4Gくらいで買えたはず。


「へいいらっしゃい! いろんなしなとりそろえているよ!」


 一覧を確認。


やくそう 1000G

どくけしそう 500G

ひのきのぼう 700G

ばくだん 850G

むらのけん 900G


「なにこのほ゛ったくり」

「たかすき゛はしませんかきょうせいさん」

『こつこつかせく゛のか゛RPGのた゛いこ゛みた゛からなこれくらいか゛まんしろ』


 知らんがな。

 いやこんなぼったくりな店誰が行くかよ。外にいるスライムを倒した方がまだマシ。確かあれ一定確率でドロップしたような。このゲームに私の理屈が通用するかはさておき買うくらいだったら大量にスライム狩りをした方が効率いい気がする。……まあ念入り隣も些細な希望ではあるが寄ってみよう。


やくそう 5G

どくけしそう 8G

ひのきのぼう 70G

ばくだん 85G

むらのけん 100G


 明らかにこっちの方が安いだろ。

 隣はフェイクだったのか、じゃあなんで配置したし……どう考えても悪質な設置にしか思えない。

 危うく、隣で高額な金額払って買い物するところだった。こういう仕様ゲームではよくあるものだが序盤でだすのかこれを。

 それはさておき、これなら戦力補充できそうだな。まずは薬草を。


「あ、ちなみにそこはサフ゛イヘ゛ントか゛はっせいするそ゛」


 え?


「ん? なんた゛おし゛ょうちゃん? え、となりのと゛うく゛やのやつはここよりたかくうっていたた゛と? ……あいつはかいあおりか゛すきた゛からな。……よしちょっとしは゛いてくるからまってろ」


 数分後。

 隣の道具屋が粉々にされた状態で安売りの店主が帰ってきた。

 なにがあったんや。


「ちょいとひとなく゛りしようとしたんた゛か゛、と゛うやらちからのかけ゛んをまちか゛え、おとうとのみせをはかいしちまった。これはおれのわひ゛た゛。もっていけ」


 なんか手に入れた。


【あいりはむらのけんをてにいれた】


「お? なんかつよそうなけんにゅうしゅしましたね」

「よしそんし゛ゃいっちょつけてみる」


 装備から、村の剣を選んで装備する。カチャっとSE音が鳴り装備完了の合図を私達に知らせる。


 むらのけん Eこうげきりょく35


 だいぶ上がったんじゃあないこれ。そうそRPGってこうでないと。狂政のゲーム作成に関しては少々左寄りではあるものの、一応ゲームとしては成り立っている……たぶん。

 割と仮想空間でやるドットRPGも楽しいじゃあないか。すると店主が最後になにか言ってくる。


「そういえは゛、やと゛やて゛みしらぬしろいまほうつかいをみたな。おさなけ゛なかんし゛た゛ったか゛た゛れかさか゛しているかんし゛た゛ったぞ」


 あれ、それって。

 名を出さなくとも大方察しはつく。

 この場所で魔法使いっぽいNPCはいなかったから……そういうことでいいんだよね?


「あいりさん、もしかしてそれって」

「……かもね。あのこがすねないうちにはやくやと゛やにむかおう」


 確信するべきだよね。

 この世界にきてようやく3人目の仲間に会える。

 一目散にすぐ近くにあった宿屋へと入り、寝室とみられる部屋を覗こう。

 1つ目の部屋を空ける。カチャ。

 誰もいない。……しかし私はある物に目を付ける。


「あ、タンスし゛ゃん。なんかハ°くっていこうせ゛!」

『ちょちょちょまてあいりくん! このせかいにそういうわくしつなことをすると……!』

「そうて゛すよ! ひとのものとっちゃた゛めて゛すって!」

「「いいやとるね! いますく゛に!」」


 パカ。

 仲間の忠告を無視してタンスの中を開ける。

 ふはは! ここは中世、窃盗云々なんてものは無きに等しい存在。特にこういうRPGなら察もいねえから2人のいう理屈は通らない。

 さて中身はどんな物が?


【70G入手】


 はい堂々とフラグ立てたら、少量のお金が出てきました。

 世の中そんな甘くないという解釈でいいのかこれ。……で、ですよねぇし、知っていたよ作品によっては変な物が入ってたりする物もあるし……多少はね?


 すると。


 ドン!

 

 後ろからドアを開ける音が。


「そこて゛なにをしている! せっとうとはいいと゛きょうた゛。おまえをせっとうさ゛いて゛こうそくする!」

「ちょちょちょ! まてって! まってええええええええ!」


 そのまま引きづられるように連行され。画面が真っ暗になる。

 え、もうおわり? いやいや取っただけでガメオベラとか洒落にならんって。


 するとメッセージウィンドウが表示される。




【GAMEOVER】

【こんなクソケ゛ーて゛まんひ゛きなんてやってと゛うするの】




 伝説のクソゲーでよく見た一文じゃないか。

 実家のような安心感……じゃなくって!


「あれ、か゛めんまっくらになっちゃいましたよ」

「……ちょっとあいりさんなにやってるんて゛すか。また゛わたしをなかまにせす゛やられてしまうなんて。……あのきょうせいさんこれってやりなおすことってて゛きますか?」


 遠くからスーちゃんの声がしてきた。

 どこから声をかけてんのさ……ということはさておき。まあゲームオーバーだから特別に設けられた仲間同士とのチャット機能みたいな物だろう。

 まあそこに当然あいつもいるだろう。


「ちょっとあいり! わたしもまた゛……ていうかうこ゛けない! はやくたすけにきなさい!」


 アホな棺桶少女ミヤリーの声だった。

 うるせえ。少しROMっていろ耳に響くから。


「いいわすれていたか゛、このせかいて゛そういったせっとうこういをするとたいほされてそくケ゛ームオーハ゛ーになるからきをつけろ。……ちなみにコンテできるぞリスホ°ーンちてんはそのは゛あいた゛ったらとひ゛らのてまえた゛な」

「おま、それかなにかとまちか゛えてないか? せ゛ったいし゛た゛いにあってないた゛ろ!」

「これはこれでとてもいいおもしろみあるとおもうがな……クトゥルフとか、オーハ°ーツとか」

「いやいやきゃっかた゛よやめてくれ」


 まぢで。あれはトラップか! トラップと考えていいんだな狂政よ。……まさかこの私が狂政の孔明染みた罠に引っかかるなんて不覚だ。

 私はまだ戦えるぜ。

 目の前に現れた、リトライのボタンを人差し指で押そうとする。

 するとスーちゃんが。


「……いいて゛すかあいりさん、やと゛のいちは゛んはしのへやて゛すよ……いいて゛すね?」

「おk。んし゛ゃシホさんしきりなおしにいくよ」

「こんと゛はぬすみはなして゛すよ?」


 分かっているって。そこまで私も単細胞じゃねえから。過保護は無用ねお願い。

 でもスーちゃんありがとう。声しか聞こえないからその有力な情報感謝しきれないほど。

 おし、ミヤリーも後から迎えに行くとして。リトライ!


 ぽち。

 ひゅー。


\~♪/


 再び辺りから8ビットの音源がなり始める。

 地点はさっき私がパクった部屋前から。

 セキュリティ対策は万全だってことはわかった。……でもさそれ早く言ってくれないかな。

 あ、聞いてなかった私が悪かったね。まあ説明書を読まない派なあほって考えてもらえばいいから。

 と確か一番端だったね。端……端っと。


 スーちゃんに言われたとおり端の部屋を潜ると。

 カチャ。


「……んもう。おそいて゛すよ まちくたひ゛れてねそうて゛したよ」


「スーちゃん!」

「スーさん!」


 思わず久々に会った友人に声をかけるような振る舞いで目の前のあるドット絵の子に声をかける。

 それは明らかにドット絵のスーちゃんそのものだった。

 小歩で足踏みをする白い帽子を被る魔法使い。特徴的ないつも携えている杖が目に止まったのですぐに彼女だとわかった。

……なんかドット化しても可愛いよこの子は。


「こ゛めんこ゛めん。わたしか゛と゛し゛ったせいて゛おそくなったよ」

「……ふ。まあいいて゛しょう。さてそれし゛ゃミヤリーさんをさか゛しにいきますか」

【ステシアが仲間になった! ててててーん♪】


 よしそれじゃ向かおう…………って。

 今日ここまで? え、え。

 ……ふむふむ、みんなすまん。どうやら作者の意向であと3話続くみたいよ。本当は1、2話で終わらせるつもりが無理だったらしい。作者に代わってここで私が見てくれているみんなに詫びよう。

 そういうことでみんなアイリクエスト(自分で言うのもなんか恥ずかしいけど)明日もまたみてくれよな。

 狂政の作ったゲームにやってきた私達に待ち受けるのは一体。頼む面倒事はごめんだよ。

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