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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第7章 うさぎさん達、外海旅行に赴きます
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97話 うさぎさん達と闇取引き集団 その2

【人の物を取ったらドロボーってとあるゲームは教えてくれたけど、あれは教育的にいいノウハウじゃね】


 忍び足でいそいそと近づく。

 体が常時発光しているため、凄く眩しいので少々進むのが困難。

 これでは相手にこちらの行動がばれる可能性大なので、なんとかできないだろうか。


「ちょっと愛理その明るさじゃばれるんじゃないの? ……もう少し明るさ調整とかできないわけ」


 耳打ちするぐらいの小さな声でミヤリーが光を押さえるように言ってくる。だぁもうそうしたいのはこっちだっての。

 それを今できないか模索しているところだからそんな急かすなって。これでも必死に。

 するとAIさんが教えてくれる。


【念じれば、光度を自由に調整できます。最小値から最大まで。……因みにデフォルト数値はMAXです】


 それ先に言えよ! ってなんでデフォの数値が明るさMAXなわけ? ……こういうのは無難な数値の半分くらいの設定にしておくのが得策だろ! ……どこかのBGMを諸パクリしたクソゲーじゃあるまいし、まあいいや。

 そだな、取り敢えず照明灯と同じくらいの明るさで。……すると光の強さが徐々に引いていきライトぐらい同様の明るさになった。

 そうそうこのくらい。


「……それくらいがいいですね」

「ではあの怪しい連中を成敗しにいきましょうか」


 村にある家の裏手。そこに薄ら黒服を着た3人組が。


「へへ。今日も偽造したムゲンダイセキたくさん売れたぜ」

「これでまた一儲けできたってわけだ。まったくここの村のやつらというのはバカな連中ばかりで儲け甲斐がある」

「アジトに帰ったら早速ボスに報告だ、それじゃ撤収するとしようか」


 パーカーの力によって遠くの話し声がこちらまで聞こえてきた。

 他のみんなは聞こえていないっぽいが、つうかあいつらそんな処方で人を騙して売りさばくとか外道極まりないでしょ。

 私はみんなに指示を出して待機するよう手を上げる。

 サバゲーとかあまりやったこと(むしろ全くない)ないが雑誌や記事でこういうのみたことある。……これって万国共通かな。と半信半疑でやってみる。物は試しと誰かが言っていた気がするしそれに肖りやることにした。

 大丈夫なのかこれで?


 するとみんなは私のハンドサインを理解し、音を殺して近くの茂みへ隠れ忍ぶ。

 ギュ~。


 おい押すな。人数が多いせいか上からの圧力に押されてしまう。

 人をなんだと思っているんだ、ゲームのそこら辺にあるオブジェクトじゃあないんだぜ私は。うーん妥協して3分いや5分ぐらいは我慢しようかな。本当は今すぐでも動きたい気分だが我慢我慢。


「あいつら、偽物をこの村に頻繁に訪れては売って人を騙していたみたいだよ」

「ひ、ひどい。ではこの村の人はムゲンダイセキが本物だと勘違いしているのでしょうか」

「だとしたらみんなで倒すべきじゃねえんですか? なのにも関わらず愛理さんなぜ私達にここで待つよう言うですかね」

「ええとね、みんなでやっつけるまでもないかなあって。どうもあいつらはアジトにいるボスの手下みたいだからここは私があいつらをしばいてきて居場所を吐き出してもらおうかと」


 相手は3人こっちは5人。ハンデもクソもない、もしやるとすればあちらにあわせて3人で挑むべきだろう。……でも5人がかりで戦うのもアレなのでここは1人で瞬殺しようと思う。(殺さないけど)


「大丈夫ですか? あぁでも愛理さんですからね1人でも平気そう。……でも危険だと思ったらすぐ私達を頼ってくださいね」

「あいよ」

「ふむふむ、それほどまで愛理さんは相当の実力主と。ではその実力というものをみせてもらおうじゃねえですかそのうさぎさんの底力というものを」


 あのアンコちゃん? 私その作品世代ではないけど知っているよ。赤に近いけど私は3倍のスピードは……あ、出せるか、でもびっくりしても私は何も擁護できないからね。3倍以上の性能をみせてやろう。

 でもなんだかだいぶシホさんが私の保護者のように見えてきた。過保護すぎだって心配なのはわかるけどさ!


「そんじゃ行ってくる」


 頭の中で思いふけりながら、早々にケリをつけようと向こうへ出向いて快走。音速を発生させながらことごとくと村との距離を詰めていった。それも数分でだ、数十分も掛からない時差。はい余裕余裕。

 話し声が聞こえてきた方へと近づくと一旦走るのをやめた。

 見張りの人はいないようだったので、躊躇いなく村へと入る(セキュリティ大丈夫かここ)

 そして連中達の声がする方向へ、垣間見るように家の裏を凝視する。


(変態共の目つきじゃあないかあれは)


 ぐへへな目で合法的な方法で入手した金貨を、眺めているスパム団の手下共に近づき耳を傾ける。

 お前らさなにさその目。好きなアニメキャラの同人誌見るオタクみたいなふるまいは。……目が泳ぎすぎこいつら。

 見ていてリバースしそうになったので、私は自ら躍り出て姿を曝した。


「おい」

「? ……なんだお前は! うさぎのふry」


 言わせねえよ。

 目ん玉を丸くしていた真ん中のスパム団の手下に向かってパンチ。

 そういえばこのパーカーで戦うのは初めてか。常に電気が流れているらしいからこれはビリビリするんじゃあない。……というわけで電気が通っている意を込めて技名を言い放ち。


「ボルト・ラビットパンチ!」


 触れた瞬間、スパムの手下がビリビリと感電し発光。電気の衝撃が迸る勢いで体を焼く。……本の数秒でその攻撃が終わると、スパムの手下は丸焦げた状態でうつ伏せに。

 因みに断っておくが死んではいない。


「ひいぃぃなんだお前は! 急に現れて! 今いいところだったのに」


 はていいところとは、どういう意味でのいいところだったのだろうかなちみ達。

 このボルト・ラビットパーカーによる、ラビット・パンチの力は電気も相まっているせいか通常のラビットパーカーよりも威力が増している感じ。敵から黒煙が上がっているぐらいだし相当だ。


「へぇいいところねぇ。偽造しているアホがよくそんな事言えるなぁブァァァァァァァァカァァァァ!」


 とりまディスって挑発してみる。

 こうしとけば大抵釣りエサにかかる魚のように乗りかかってくるものだ。

 案の定、歯を食いしばりながら憤慨。あーあまじで切れているぞこれ。


「このふざけた格好しやがって! おりゃああああ!」

「どらあああああああああ!」


 挟み撃ちするように私へナイフを突き立てて、斬りかかって来る。瞬時に電気を反して瞬間移動し、2人の頭部へとげんこつ×2回。食らえうさぎさんの裁きの鉄拳を親に悪いことしてげんこつされた記憶はないけど‼


 ゴン! ゴン!


 うん、いい音色だ。さながらモグラ叩きでようやく、頭を命中されることができたときのような感覚。コイツらがアホで助かった少々加減してやったからありがたく思えよこん畜生。

 アイスクリームのような、たんこぶが出来たのにも関わらず2人はその場で正座をして。


「すんません!」

「すんません!」


 えらい素直じゃね盗賊さん。


「いいからさ、アジト教えろよ。こんな小狡いことしてもいいことないよ」

「ひぃぃぃ。教えるから許してくれ」


 急にチキり出したスパム団の手下は動機とアジトの場所を私に教えてくれた。話途中なんか隠そうな様子を見せる度に私は、拳から電気をバチバチと鳴らしておどしてやった。


「正直に言えよ、でないとさっき焦がしたこいつみたいにするからな」

「は、はい」

「は、はい」


 なんかどっちが悪なのか分からなくなってきたな。私が化け物? いいや違うな私はうさぎだ。

 伝説のなんたらにはなりませんよ奥さん。そんな方針今は立っていねえから。

 もう少し緊縮してほしいけど、顔色がガチな青ざめたものとなっている。いやだからなんか言って。


 話は以下の通りだ。

 どうもコイツらはボスに金稼ぎするよう言われ、この村へとやってきたらしい。仕方なしにボスに頼んで高価な品であるムゲンダイセキをそっくり偽造してもらい、それを売りさばくことにしたみたいだ。

「大儲けして豪遊するぞー!」みたいな企てがボスの頭にあったようで……あほくさ。

 本当はある程度集まったら帰る予定だったらしいが、それに中毒性のある快感を覚えて以降ずっとここに留まり続けた模様。


 中毒者こわ。いやもうそれ絶対アカンやつやんけ。

 ひとまずそのお金は返すようこいつらに言って。


「ほら、これやるから奪った金は返せよな」


 私はバッグからしまっておいた大量の金貨を取り出す。これを渡したからと言ってこちらが不利益になることは一切ないのでご安心を。クエストでがっぽり稼いだ腐るほどの金貨を10割中1割ほど彼らに渡した。

 それを渡すと彼らはおぉという声を上げて申し訳なさそうに再度謝ってきて、見逃すように言ってくる。いや私はそんなに鬼じゃないから勘違いすんな。


「じゃあそれ持ってとっとと帰んな。でボスに言っておけ『うさぎがお前をしばきに来る』とな」

「ひいいいいいいいいいいいい失礼しましたああああああああああああ!」


 そう言うと手下共は、早々に私が手渡した金貨が入った袋を手に取り猛ダッシュでアジト? の方面へと駆けていった。なんというかメタル系のモンスター並に早かった。

 私ってそんなに特定危険生物並に恐ろしく見えたのうそでしょ。

 待たせているみんなの元へと駆け寄って聞き出した情報を伝えると。


「なるほど、その奪ったお金を取りあえず私達が村人さんに返して事情を説明するといいですね」

「……ですね。でも電気で脅して聞き出すとは……さすが愛理さんというか」


 なにさ、みんなまで私を悪と勘違いしてそうなその表情やめろや。

 あれしか方法なかったんだし仕方ない。言い訳かもしれないけどさぁ。

 数秒すると、いつも通りの顔色にすると次の行動に移ろうとする。


「……あぁそうね、愛理の手柄だもんね。それじゃそのお金を返しに行くわよ……事情も兼ねて急がないとね」


 おい、言いたい事あるならいえよ。マジレスでもアンチ的なコメントでもいいからさ。

 あ、そういや微妙に私豆腐メンタル持ってたわ。つうわけで撤回。可能な範疇でなんか言ってみろこのこの。


「ミヤリー言いたいことあるなら言ってもいいんだよ」

「……あ、いやなんでもないわよ……愛理ったら変だなぁ気のせいだって」


 誤魔化しているような顔をしながらそっぽを見るミヤリー。こいつ隠すの下手すぎで草。今度ポーカーフェイスでも教えてやろうか。ギャンブル系好きだったよね確か。

 トランプでこういうのできたら効率いいよという理由も入れて講習だこれで決まり。


「じゃあこの奪われたお金と、取引きされた偽物のムゲンダイセキを回収して親玉を討伐しにいこうじゃねえですか」


 第1段階を突破した私達は、被害にあった村に入り事情を説明し奪われた資金の返却活動に移るのだった。

 こんなことする親玉って何者なんだろうね。頭お花畑というオチだけは控えて欲しいのが本音だけど。

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