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4-3 非国民

「よーし、そろそろいい頃合いかな。今日のメインイベント、最後の仕上げだ!」


 読み終わった絵本を閉じ、オレはサタン子ちゃんに声をかけた。

 今日のテーマ、そのひとつ目は『サタン子ちゃんに平仮名を教えよう!』だ。


 そして、もうひとつは『光る泥団子をつくろう!』だ。


 誰もが子どもの頃に一度はやったことがあるだろう泥団子づくり。

 だが、子供の遊びと侮るなかれ。実は結構、奥が深いんだ。

 達人の手によって命を吹き込まれたそれは、まさに煌(きら)めく宝玉のごとし。

 その道に魅入られた多くの大人が、今日も無心で泥団子を磨き続けている――。


 いや、エラそうに語ってみたけど、ネットで仕入れた知識で語ってるだけで、実際につくってみたことはないんだけどね……。

 引きこもり時代にネットで『光る泥団子』に出会ってから、一回やってみたかったんだけど、公園に行ってみたら、ママさんたちの視線が厳しすぎて心が折れたわ、さすがに…………。


 そもそも、公園ってのは王さまの私的な狩猟園地を公衆に開放したのが、その起源だ。

 ちなみに、狩猟園地は英語で言うとゲームパーク。どっかのゲーセンにありそうな名前だ。あ、でも、実際にゲーセンでも狩ったり狩られたりしてるから、あながち遠くもないか。

 つーわけで、公園は市民なら誰でも利用していい場所。

 いいじゃねえか、オッサンがひとりで遊んでたって。

 税金だってちゃんと……いや、ニートだったからロクに納税してなかったな。

 国民の三大義務のうちのふたつも果たしてなくてサーセン。


 それに、残りのひとつもオレじゃ果たしようがないしな。 

 誤解してる人もいるけど、『教育の義務』は教育を受ける義務じゃなくて、受けさせる義務。つまり、親はちゃんと子どもが学校に行けるようにしきゃダメよってこと。

 昔は子どもを学校に行かせずに働かせるとか当たり前だったから、それはイカンよ、って憲法で定めたって流れだ。

 だから、「本人が学校に行きたくない」っていう不登校はなんの問題もないわけだ。


 ということで、親になる可能性が微塵もないオレには『教育の義務』は無関係なわけだ。

 イエーイ、三大義務をひとつも果たしてないじゃんオレ。チョー非国民!

 そんな非国民なオレでもヌクヌクと生きていけるニッポンばんざい!!

 異世界モノで定番の封建制とか絶対王政だったら、確実に野垂れ死にか、ブッ殺されてるかだからな。

 ホッブズさんとか、ロックさんとか、マジありがとう!!!

 それから、ヴァン・パレースさん、応援してるからガンバって!!!!


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