19 終焉の刻~エツ子vsマッダ~④
エツ子とマッダが衝突する。
衝撃が空間を、海を、大地を走る。
嵐の渾身のディフェンスも虚しく、大地は悲鳴をあげ亀裂を走らせ崩壊していく。
海も同様、ミカの力で耐久力を増しているにもかかわらず、衝撃の中心から外へ、荒れ狂い世界を呑み込むほど激しい波に変わる。
衝突により生じる波紋。綺麗な水の中に真っ赤な絵の具を垂らすように、一瞬で世界を浸食。空気を注入し続ける風船のように爆発が秒読み体勢へと成る地球。
まばゆいばかりの光が地球、更には宇宙を包み込む。コユキのフルパワーの抱擁が風船を萎縮させる!
マッダが口を開く。
「ちゅーか、なんだよテメェらぁ!ギャンザっ子どこよ~!?次から次にウゼすぎんぜーアァ?本気でシバいたろぉ!!マジで!!」
622不仮説不仮説伝の闘気の値を持つエツ子に対し、マッダの闘気の値も全く同等、622不仮説不仮説伝を叩き出す。
「るぅぁぁぁ!!!」
マッダの星ひとつを突き飛ばすような拳。水金地火木土天海冥の星々でビリヤードをするような、宇宙規模の攻撃を真っ向、迎え入れるエツ子。全てを悟るエツ子は軽々拳を交わす。衝撃の先に位置していた火星が木っ端微塵となり世界から消え去った。
おもしろい、けれど当たらなければ無意味よ。攻撃は与えてこそ。世界最強と唱われるサッカーチームが、ゴールを決められないことがどれだけ無力なことか。
「!!!!!!」
どこからともなく飛んできた光輝く玉がマッダの肩を貫いた。
与えてこそ攻撃。私の標準には糸一本の狂いもないわ。私にとってアナタは全面ブルのダーツの盤面のようなもの。
「!!!!」
エツ子の鋭い手刀がマッダの体を突き破る!!!
「お、、、?なんだコイツ?」
生まれて初めて目の当たりにする最強生物エツ子を前にマッダは、生まれて初めて危機感とゆうものを覚える。
「うんどぅりゃぁぁぁぁぉぁ!!!!!!!」
先程よりも更に威力を増したマッダのパンチがエツ子を襲う!!
対強者相成る力量を無限へと比例させ上昇させる能力は正直恐れ入るが、所詮は能のない所業。
弾けて無に還されたかのように見えたエツ子だったが、それは残像だった。
聖戦は終わったのよ。全てが無きものへと還る語り継がれることのない終焉の渦中、体感なさい。
エツ子の闘気が1999不仮説不仮説伝へと上昇した。