第352章:血の迷宮、仕掛けられた贈り物
「……ククク、ははははは! 冗談だろう……!? これは一体、どういうことだ……っ!!」
南コンチェル最高経営責任者室に、南将暉の狂気を孕んだ高笑いが不気味に響き渡った。
彼の目の前にあるタブレットには、たった今、裏の極秘調査機関から送られてきたばかりの『早瀬碧と、双子の子供(凛・蓮)のDNA親子鑑定結果』が表示されていた。
判定:【生物学的な親子関係は認められない(確率0%)】
「早瀬碧の子供でもない……。あいつらは、血の繋がりが一切ない子供を、実の我が子として育てているというのか……!」
将暉はデスクに深く背もたれを預け、ゾクゾクとするような暗い高揚感に突き動かされていた。
自分の子供ではないという現実には激怒したが、それ以上に、あの忌々しい完璧超人・早瀬碧の子供でもなかったという事実は、将暉にとって極上の蜜の味だった。碧とかすみの完璧な夫婦の絆の裏に、これほど洗練された『嘘』と『秘密』が隠されていたとは。
「へぇ……面白いじゃないか。なら、納屋かすみ……お前は一体、過去に誰と結婚して、誰の子供を産んだんだよ」
あの清純で、温室の百合のようだったかすみが、自分の知らない男と交わり、早瀬碧でもない男の子供を育てている。
将暉のなかで、かすみへの執着と独占欲は、その謎を暴きたいという剥き出しの好奇心へと変貌していった。彼はすぐさまインターホンを押し、冷酷な声で受話器の向こうへ命じた。
「おい、次の指示だ。今すぐ『納屋かすみ』の過去の身辺調査を、出生の瞬間から現在に至るまでミリ単位でやり直せ。あいつが過去に接触したすべての男のリストを作れ。あの双子の本当の父親が誰なのか、地の果てまで追い詰めて突き止めるんだ」
『は、はい! 直ちに再調査に入ります!』
部下が恐れおののく声を聞きながら、将暉は不敵な笑みを浮かべた。だが、彼の策略はそれだけで終わらない。
脳裏によぎるのは、昨日ホテルのロビーラウンジで、自分を見つめて頬を染めていた可憐な少女――早瀬凛の姿だ。
『南社長、もしよかったら、写真を一緒に撮ってください!』
自分を「素敵なおじさま」と信じて疑わない、あの無垢な歌鳥。
将暉は引き出しから、海外の最高級ジュエリーブティックから取り寄せたばかりの、眩い輝きを放つ特製のブレスレットを取り出した。
「……それと、もう一つ。早瀬凛に送る、極上のプレゼントを用意しろ。近いうちに、あの早瀬のお屋敷へ直接届けるようにな」
誰の子供であろうと関係ない。あの娘は自分に懐いている。凛を甘い罠で手なずけ、早瀬碧の血縁の嘘を暴き立てれば、早瀬家は内側から粉々に崩壊する。
完璧なチェスのチェックメイトが見えたかのように、暗闇のなかで毒蛇は、残酷で美しい笑みを浮かべるのだった。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




