第265章 お気に入りのお皿、そして重なる優しさ
納屋の歴史の中で、私たちが唯一心から信頼しているおじさまの邸宅。
そこには今、貝森財閥の孝雄さんとあずみさん夫婦、拓人さんとあやめさん夫妻、そして元気いっぱいの湊くんと百合ちゃん、私の愛する凛と蓮……本当に大好きな皆様が全員集まり、賑やかで愛おしい夏休みの後半を共に過ごしていた。
広いダイニングテーブルを囲み、おめかしした子供たちが楽しそうにデザートを口に運ぶ姿を眺めていると、胸の奥からじわりと幸せが込み上げてくる。
ふと、目の前に並べられた綺麗な色合いのスープ皿を見つめ、私は隣に座る碧さんと、皆様に向けて声を上げた。
「ねぇ、このお皿、すごく素敵ですね。……貝森財閥の私たちのお家にも、同じものがあるといいよね?」
私の言葉に、お皿に描かれた可愛らしい絵柄を見ていた凛と蓮が「あ、本当だ! 可愛い!」と目を輝かせる。私は微笑みながら、これからの未来に想いを馳せるように言葉を続けた。
「凛と蓮と、みんなで使える食器。……普段はこうしてお泊まり会なんてなかなかしないけれど、夏休みや冬休みといった特別なお休みに、みんなでおじさまの邸宅にお泊まりに行くのって、本当に楽しいですもの。おうちにお気に入りのお食器があると、それだけで毎日のご飯がもっと楽しくなると思いませんか?」
「かすみ……」
碧さんが、私の弾んだ声をとても愛おしそうな目で見つめ、そっと私の手を包み込んでくれた。
「素晴らしいアイデアだね。お休みごとにみんなで集まって、同じお気に入りのお皿で美味しいご飯を食べる。そんな温かい約束があれば、子供たちにとっても、俺たちにとっても、これからの毎日がもっと輝くよ。さっそく、これと同じシリーズの食器を揃えようか」
「まぁ、素敵! ぜひ私たちもそのお仲間に入れてちょうだいね」
あずみさんが嬉しそうに手を合わせ、孝雄さんや拓人さんも「それは賑やかでいいな」「お休みの楽しみがまた一つ増えた」と、おじさまの邸宅は未来の幸せな約束でいっぱいに満たされていく。
そんな中、私の向かい側に座っていたあやめさんが、ふと私の手元や顔色をじっと見つめていた。
そして、周りの賑やかな会話から少しトーンを落とし、私をいたわるような、本当に優しいお姉様のような声で話しかけてくれたのだ。
「……かすみさん。少し、お疲れではありませんか? お食事、あまり進んでいないようですけれど……体調は、お優れないのですか?」
あやめさんのその温かい一言に、私は胸を突かれたように、だけどとても嬉しい気持ちで小さく微笑んだ。
神宮寺クリニックでかりん先生から「ご懐妊」を告げられたばかりの私の体を、あやめさんはその鋭い優しさで、ふっと気遣ってくれたのだった。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




