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サファリア女学院から青藍高校へ潜入!? 〜お嬢様の「普通の恋」は、完璧な執事が絶対に許しません〜』  作者: 琥珀かえで


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162章:彷徨える天使たち〜慈悲深きマダムの救い〜

長谷部邸の巨大な門は、どんなに強固な警備を敷いていても、子供たちの「ママに会いたい」という切実な想いまでは閉じ込めてはおけなかった。

邸宅の裏手、庭師の搬入口から、凛と蓮は小さなお腹を空かせたまま、外の世界へと飛び出した。

冷たいアスファルトの上を、よろよろと歩く二人の小さな足。

通行人が怪訝そうな目で見ても、二人はお構いなしに、ただ空に向かって叫び続けていた。

「ママ……! ママどこにいるの……っ!」

「ママぁ……ママぁ……!」

その声は、都会の喧騒にかき消されそうになりながらも、通りすがりの一人の婦人の耳に届いた。

高級なシルクのコートを纏ったそのマダムは、足早に過ぎ去ろうとしていたけれど、二人のあまりに悲痛な泣き声に足を止めた。

「あら……。こんな時間に、どうしたの?」

マダムは跪き、二人の小さな肩に手を置いた。凛と蓮は、もう泣きすぎて声も枯れていた。

「……お家、帰りたいの。ママに会いたい……」

マダムは二人の瞳を見て、すぐに悟った。彼らがただの迷子ではなく、深刻な何かに追われ、そして心を削られている子供たちだということを。彼女は優しく二人を抱きしめ、自分の車へと誘導した。

「大丈夫よ。寒かったわね。さあ、私の家へいらっしゃい」

車は静かに、街の喧騒から離れた、静寂に包まれた広大な敷地へと向かった。

門には『貝森』という重厚な表札が掲げられている。

ここは、長谷部や南条と並び称されながらも、独自の美学を持つ名門――貝森財閥の邸宅だった。

「……ここ、どこ?」

凛が不安げに尋ねると、マダムは温かい眼差しで微笑んだ。

「ここは、誰もあなたたちを傷つけない場所よ。お腹が空いたでしょう? 美味しいスープを作りましょうね」

ようやく二人の張り詰めていた糸が切れ、マダムの腕の中で静かに眠りについた。

長谷部家での「人形のような生活」から、慈悲深き貝森のマダムの元へ。二人の運命は、今、かすみさんの知らないところで大きく動き出したのです。

「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」

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