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25、渇きの王

 ある時、渇きの王と呼ばれる怪物が現れ、海を呑みほしてしまった。その結果、地球から海はなくなり、海底はむき出しになった。人類は、海のなくなった世界で暮らしつづけていった。

 味古乃国という国は、かつて海洋国家であったが、海がなくなり、巨大な領土を誇る大国となっていた。渇きの王はその海底にあった。

 味古乃国は、味古が治める君主制国家であった。味古は代々女性であった。数万年前からこの国を治めている王家の血筋のものだという。

「しかし、渇きの王は、味古乃国の領海に発生したのですよ。あれは、生物兵器であるとともに惑星工学兵器です。すると、渇きの王を作り、海を呑みつくしたのは、味古乃国の謀略だと考えるのが妥当でしょう」

「まさか、海洋国家であった味古乃国が海を失うような選択をするはずがない」

「ですが、渇きの王は、地球上最強の生物ですよ。あんなものを作るのは味古乃国の民の考えそうなことです」

 味古乃国の若者たちは武器を手にとり、渇きの王に挑んだ。その戦いは長く二百年つづいたが、ついに味古乃国は渇きの王を倒した。渇きの王は、みずからの体内で海水を酸素と水素に分解していたので、味古乃国の兵士に撃たれ死ぬ時、大爆発を起こした。

 そして、海が戻った。


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