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4. 愛の独白

 こんにちはー、みなさん。どうも梨花でーす。あれ? 梨花の名前に聞き覚えありませんか?そうです、あのバカ姉の妹であの鬼ババの娘でーす。ほんとにバカですよね、あの母娘。ま、もう過去形ですが。梨花、お姉ちゃんとお母さんとお父さん殺しちゃいましたから。ふへっ。


 ほんとうざかったんですよねー、特にお姉ちゃんとお母さん。意地悪な義姉と義母みたいですよね。あ、そしたら梨花がシンデレラか。ふひひ。


 とにかくお姉ちゃんは特にバカでウザかったんですよー。梨花が毎晩日記読んでるの気付かなかったんですかねー。梨花のレディコミをお母さんに暴露するなんていい神経してますよねー。死んじゃえばいいのに。ってか梨花がもう殺しましたけどね。ぐひひひ。


 お姉ちゃんとお母さんが梨花の大好きなおばあちゃんの悪口言ったとき、もう殺すことにしたんですよ。梨花、お姉ちゃんとお母さんが憎いんです。愛せないからって殴る必要ありますー? ないですよね。ふへへ。


 もう離婚するとか言い出しちゃったんで、殺しちゃいました。それにしてもお姉ちゃん知らなかったんですかね、離婚の理由。ふひ。でも教えてあげませんけどねー。


 お姉ちゃんが梨花を殺そうとしてるのも予想の範囲内でした。ぶっちゃけいうとお姉ちゃん、母親譲りで頭悪いんですよね。もう何ヶ月も考えてた殺人計画が、バカの一夜漬け程度で狂うわけありませんよね。梨花は頭いいし。そもそもお姉ちゃんは殺されるとも思ってなかったのかもしれませんねー。だからあんなバカな日記、机に置いたまま熟睡できるんでしょうね。ぐひっ。


 お姉ちゃんが金曜日に包丁を研ぎ出したときにピンと来たんですよ。だから梨花、優しいんで言ってあげました。よく切れそうだねって。そしたらお姉ちゃんニタニタ笑ってそうだねって言うんで確信しました。それで今に至るわけです。



 で、お姉ちゃんが梨花のために研いでくれた包丁でまずお母さんからグサッといきました。


 意外と血とか出ないんですねー。ちょっとがっかりでした。しかも音も小さかったし。まったく最初から最後まで役立たずなおばさんでしたねー。バカって困ります。


 お姉ちゃんはかなり慌てて梨花のこと刺そうとしたんですけど、包丁は梨花が持ってたし逆転できるわけないですよね。お姉ちゃん梨花のこと豚とか言ってましたけどほんとは梨花のほうが細いんですよ。はひ。で、お姉ちゃんも死にました。


 問題はお父さんですよね。実は梨花、それほどお父さんのこと嫌いじゃなかったんですよ。ま、お姉ちゃんやお母さんに比べての話ですけど。でも、お父さんの最大欠点、知ってますー?



 えへへ、正解。

 お父さん、最後までお姉ちゃんの本性を知らなかったんですよ。だから梨花、お父さんの実家のお墓にお姉ちゃんの日記帳入れてきてあげました。お父さん、あの世でおっかなびっくりですねえ。ふひっ。


 ちなみに梨花は逮捕されたくないのでお父さんには自殺してもらいました。意外と言うこと聞いてくれましたよ。お母さんとお姉ちゃんの死体を見て狼狽えてるお父さんに血だらけの包丁を握らせて、後ろから声をかけました。そしたら叫び声あげてお父さん死んじゃいました。ぐへへ。


 ちなみに警察は呼びませんでしたー。どうせあとから来るだろし連絡は後にしました。死亡保険金が下りた頃にねー。




 で、すっかり身が軽くなった梨花は真っ先におばあちゃんちに行ったんですよ。一緒に暮らそうと思って。でもね。


 おばあちゃん死んじゃってたんですよ。老衰で。なんか家が生臭くて、おばあちゃんの部屋に入ったら、おばあちゃん腐ってました。現代社会によくあるパターンのお年寄りの死に方ですよね。ぐひひ。ということでなんか梨花独りになっちゃいました。ま、あの家族と暮らすよりは万倍マシですけどね。






 あ、なんか電話が鳴ってるんで梨花そろそろいきますね。ばいばーい。


 そういえばさっき、お父さんとお母さんの離婚の理由言いましたっけ? あれお姉ちゃんのせいなんですよね。お姉ちゃん、ほんとはお母さんの子供じゃないんです。お父さんの愛人の子なんですよねー。でもお母さん、赤ちゃんの頃から育ててたんで愛情はかなりあったみたいです。実子の梨花よりずっとね。


 でもお姉ちゃんが成長してだんだん愛人さんに似てきたっていうんで、お父さんは気味悪がってお姉ちゃんをお母さんから離そうとしたんです。でもお母さんはお母さんでお姉ちゃんをかなりかわいがってたんですよね。お姉ちゃんって色々不幸でしたね。ふひひ。ま、お母さん、実は親子愛以上のものをお姉ちゃんに感じてたりしてね。なーんつって。


 お父さんがやたら公園に行きたがってた理由、わかったでしょ? うへへ。残念でしたー。家族崩壊なんてこの梨花が許しませんからね。だってとっくに壊れてますもんねぇ。ね。ひひ。


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