カミュ、竜の対応に驚く
アイナ村は魔族領であって竜の領域の租借地となることが決まった。
魔王軍の政庁でも、とりあえずそれでよいと決まったらしい。
これをどのようにイナバーンに知らせるか。
最悪、イナバーンが全軍をもって攻めてくることが考えられる。
これに対してどうするかを考えねば、と思っていたが、竜の動きは早かった。
朝、温泉に入りに来た竜王ファフニールに聞いた。
昨日、竜王ファフニールが率いる500の竜軍がボーナンに脅しに行ったとのこと。
ボーナン城上空に行き
「ボーナン侯爵、貴様はアイナ村から引かねば我が竜の領域に対して敵対行為と見なすという我が軍ローランの警告を無視しアイナ村を攻撃した。我が軍のローランは貴軍の攻撃により負傷した。この貴軍の宣戦布告に対し、王自ら挨拶に来てやったぞ! 」
といい、
「知らぬ。」
というボーナン侯爵に対して
「ウソをつくな。本当は今ボーナンを我自ら焼き払ってもよいが今日は宣戦布告の挨拶に来るのが目的だからとりあえずこれで済ましてやろう。」
といい、ファフニールは自ら口から火の玉を吐きボーナン城の南壁を吹き飛ばした。
「今日はこれで済ましてやるが、宣戦布告に対し近日中に我自らが攻め込むであろう。ボーナン侯爵、その時は貴様の城を木っ端みじんにしてやるから覚悟しろ! 」
といった。
さらに南下し、次は王都の王城上空に陣取り
「我は竜の領域国王ファフニールである。イナバーン国王はおるか。出て来ぬと王都を焼き払うぞ! 」
と脅し、城屋上に出てきた王に対し、
「貴様がイナバーン国王か。我は竜の領域国王ファフニール。先日わが領土アイナ村に対し、我が軍の警告にも関わらずボーナン領軍が乱入してきた。これは我が軍に対しての宣戦布告である。近日中にこの貴国の宣戦布告に対して我自ら全軍を率いイナバーンに攻め込むであろう。今日は貴様にその挨拶をしに来てやったぞ。」
と言った。
イナバーン国王は
「なんのことだ。予は知らぬ。予は、このイナバーン国は竜の領域に対し害意は持っておらぬ。」
「それにアイナ村はわがイナバーンの領土、竜の領域の領土ではなかろう。竜王ファフニールよ。」
ファフニールは、
「アイナ村と竜の領域は、商売を通じて交流があり良好な関係を結んでいた。そのアイナ村がボーナンの食料略奪に対し、我や魔族に保護を求めてきた。魔族はそれに対しアイナ村を保護国とし、魔族から我はアイナ村を租借することとなった。すなわちアイナ村は現在、魔族の領土でもあり竜の領域の領土でもあるのだ。」
「イナバーン王よ。貴様旧セト領のことを知らぬのか。旧セト領はセトの暴政に対し住民の意思で魔族に保護を求めセト領から離れた。それと同じことよ。アイナ村は魔族と竜両方と友好状態であった。セトのこともあり我と魔王は相談し、人間領の旧セト領を支配している経験があるのでアイナ村を魔王領とし、防衛上は我らの方が近いので我ら竜の領域が魔王よりアイナ村を租借することとしたのだ。アイナ村は我が竜の領域にとって大事な友好地であるのでな。」
イナバーン国王は
「そんなことは認められない。アイナ村はわがイナバーン領土だ。断じて魔族領や竜の領土ではない! 」
と言ったが
ファフニールは
「その領土であるアイナ村に対し貴様達は何をした。飢饉に対しても何もせず放置、自分たちが物資不足になると物資を強制略奪、まるで夜盗ではないか。もうすでにアイナ村は自ら魔王領となること、我らが租借地となることに対し住民投票が行われ可決している。」
更に続けて
「貴様認められぬと言ったな。ではどうする?アイナ村を取り戻すために兵を起こすか。望むところだ。我自ら迎え撃ち殲滅してくれる。」
イナバーン国王は
「我らイナバーンは竜の領域に対して敵対する意思はない。何かの行き違いだ。」
と真っ青な顔をして言った。
竜王ファフニールはイナバーン王を睨みつけ
「まずは愚かにも我らに宣戦布告をしたボーナン侯爵領から攻める。それを見てこの度のボーナン領の我に対する宣戦布告行為に対して我らに謝罪するか、軍を起こすか決めればよい。」
「これはあいさつ代わりだ。」
ファフニールは口から火の玉を吐きイナバーン城正門を吹き飛ばした。
城屋上にいるイナバーン王や重臣、貴族たちは真っ青な顔をし、ガクガクしている。
「ではイナバーン王よ、近日中にまた会おう。次に会うのは貴様か貴様の首かどちらだろうな。」
といい、配下の竜に引くぞといい、王都から去ったとのこと。
以上の事をファフニールに聞いた。俺はファフニールに
「よくイナバーン城上空まで無傷で行けたな。宮廷魔術師を筆頭とする魔術師が竜を撃ち落とそうとしただろうに。」
と聞くと
「いや、弓や魔法を上空に撃ってきたが届かなかった。届いても威力が弱かったな。」
「ここ最近、我ら竜とイナバーンの揉め事はカミュの旦那が担当して出てきていただろ?あいつらはカミュの旦那の様に空を飛んで攻撃せず、というか出来ないのか、で地上から攻撃してくるだけだったから上空高く飛べばなんの影響もなかった。」
と言ったので、俺は
「メテオストライク、ファイアーブレイク、サンダーボルトとか上空から攻撃する魔法は撃ってこなかったのか?」
と聞くと、
「撃ってこなかったなぁ。というかそんな魔法連発して撃てるのカミュの旦那以外、今のイナバーンには居ないんじゃないか? 」
「こんなことお前に言っちゃいけないんだろうけどさ、王都何やってんだろうな。」
というと、ファフニールも
「脅した我が言うのもなんだが、そだね」
と言った。
「ボーナン本当に攻めるのか。」
と聞くと
「一応脅すつもりで城は木っ端みじんにする。」
「ボーナンの野郎はどうでもいいけど、住民は・・・」
「旦那、わかってるよ。魔族に頼んで攻める日の前日、明日攻めると言う予告の立て札をボーナン領に建ててもらい、住民には避難してもらってから城をやる。人化した我らがやると角でバレるので魔族に頼んだ。」
「そうか。」と言った。
その後魔族のラオンに会ったら
「今度、竜から連絡が有ったら配下引き連れて人化してボーナンに看板立てに行かなくちゃ。」
「竜王から魔王様への依頼である。ボーナン攻める援軍なら喜んで行くが、看板立てて来いってさぁ。」
「竜王にさっき会ったから援軍に行きますと言ったら、『必要ない、すまんが我らが人化して行くと角でバレるので看板頼む』って言われた。」
と愚痴られた。




