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カミュ、ラムザの提案を受ける。

 次の日、村内の石灰と砂利で簡易コンクリートを作る実験をしているとラオンがやってきた。

 会談後、ラオンは村にいる期間を延期し、宿に泊まっている。


「魔族からアイナ村に提案したいことがある。午後から村長宅に来い。」

それだけ告げると帰っていった。


 午後になり、村長宅に行くと、いつものメンバー、村長、ルオさんが居た。

 俺はルオさんの隣に座りラオンを待った。


 ラオンがやってきて言った。

「今日は忙しいところ集まってもらいすまぬ。今から魔王様からアイナ村への提案を述べる。」

「このままいくと、我ら魔族とセト及びイナバーンとの戦争は避けられぬ。もし貴村が人類側に付くと言うのであれば我らとこの村とも戦争になる。」

「その場合は仕方なし、全力を持って貴村とは戦う。しかし、貴村が我らが魔族との戦争を求めずイナバーンの統治に不満を持っているのであれば、我ら魔族と同盟を結ぶか保護領となられよ。」

「この場合、貴村と旧セト領の境にわが軍の駐屯所を作り、貴村の安全は我らが守る。」

「また貴村は、我らより前から竜と友好を結んでいる。魔王様が仰るには、竜の保護国になるというのであれば止はせぬ。我らを選ぶか竜を選ぶかは貴村が決める事であって、貴村の決定には異存は唱えぬ。竜の保護国となった場合においても、我らは貴村とは事を構えぬし、今まで通りの関係でありたいと思っている。」

一気に言った。



 村長は

「すぐに返事は出来ないが考えておきましょう。」

といい、

 ルオさんは

「しかし今魔王軍単独でセトやイナバーンと戦が出来る状態とは思えませんが。」

 ラオンはちょっと怒った表情で、

「わが軍を舐めるな。いつでも開戦可能だ。」

といった。

 ルオさんは

「魔王殿は今すぐ開戦を望むでしょうか。開戦せずともセトを困らせる策を考えているのではないのですか。」


 ラオンは

「ほほう。ルオ殿はどのような策だと考えるか。」

といい、ルオさんはこの前の案をラオンに言った。

「流石はルオ。そこまで読んでいたか。バッチ殿の言った通りの軍師ぶりだな。」

と笑いながら続けた。

「しかし魔王様やケルググン様の策とは少し違うな。」


 ラオンは、

「まあ、見ているがいい。」

と言い、要件はこれだけだと言って部屋から出て言った。


 村長は俺とルオさんに、ちょっと時間を取ってくれといった。

 俺はルオさんを見た。

 ルオさんは

「流石魔王殿、すべてを読んでいる。」

といい、以前、ルオさんが俺とバッチに話した策(カミュ、今後の危機対策を考える。 より)を村長に話した。


 あの時ルオさんが言っていたのは

「今のままイナバーン国の領地であっても税を取られるだけ。村が発展するとより税やその他のことを色々言ってくる可能性が高い。であればいっその事ファフニール、竜の領域に降り、竜の領域の領土となるべき。」

という策であった。


 村長はビックリした。

「ルオ、お前はそんなことを考えていたのか。」

 ルオさんは

「はい。あの時点では誰も賛成しないと思い、カミュさんとバッチさんにしか言いませんでした。しかしもうこの村は人間に付くか、竜に付くか、魔族に付くかを決めなければいけない状況にあると思います。」

「バッチさんには、竜に従属する場合どのような条件を出すのか考えてくれという事で言いました。あまり無茶な条件を出さない様にという牽制の意味も込めて。」

「しかしさすが魔王です。竜とは違いずっと人類、主としてセトとは戦争を、権謀ではホクリクンと戦ってきただけあります。こちらの読みなどは即座に読んで、竜に先んじてこちらを勧誘してきました。多分ですが、魔族としては魔族領に人間をすでに多数抱えていることから、人間の不満の解消と、人間の知恵で必要なものを魔族に利用できればと思い、すなわちこの村のカミュさんの利用価値を見て勧誘してきたのでしょう。すなわち魔族としてはアイナ村のテクノロジーを村ごと手に入れれば最良、それが無理でも友好を結びテクノロジーの交流があれば次善としたのでしょう。」

「村長はどのようにお考えですか。」


 村長は

「カミュさん次第だろう。魔王や竜がわがアイナ村を必要と思っているのは、カミュさんがこの村に与えてくれた水路、温泉、建築、薬、鉱山の技術があったからだ。いかにアイナ村がどちらかに付くと言っても、その時にカミュさんが居なければ、この村は魔族にも竜にも見捨てられるだろう。」


 俺は

「俺は王都にいるより今の生活の方が気に入ってます。研究をしにこの村に来ましたが、村の開発の為に色々案を出してそれが実行され皆の生活に活気がでているのを見るのは楽しいです。研究はこの村の発展の目途がついてからでいいと今は思います。おれはこの村を出ていく気はありません。」

と言った。


 村長は、では皆はどうすればよいと聞き

「私は竜に付くべきと思う。」

といい、ルオさんは

「魔族につけばいい。」

と言い、以前俺に言った (カミュ、ルオに今後の方針を説明される。)参照

案を言った。


 俺は、

「今決めるのは難しい、今後の状況を見てぎりぎりまで判断すべきではない。」

と言った。


 その後色々議論して、そろそろお開きにしようと村長が言った時、ローランさんが入ってきて

「バッチ様の伝言を皆様にお伝えいたします。魔王から我らに対し借金の申し出があり、我らが王ファフニールはそれを受けました。」

と言った。


状況が動き出した。

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