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カミュ、今後の危機対策を考える。

 村は人が増え、モノが増え、カネが増え、竜が来るようになった。


 村民が増えた。南の村からお金を求めアイナ村に来る人が増えた。

 この村は王国直轄領で年に1回の徴税以外は放置状態なので、今回皆が中心となってさびれた村を立て直すことが出来つつある。


 村長やルオさんが

近隣の町、村からこのアイナ村に移住してくる人が増えている。

といい、


 行商人達が

近隣の町、村からこのアイナ村に移住を希望する人が増えている。

と言っている。


 先ほども述べたが、この村は王国に放置されている村だからよい。しかし近隣の町、村は王国貴族の領地であり、住民が減ると納税が減る、技術が下がる、インフラが落ちる等の問題が表面化してくるだろう。


 その時に王国や貴族がどう対応するか。


 まずは移住禁止令を出して領地の境を監視するようになるだろう。

 住民の移住を防止するためにアイナ村に来てくれる行商人の荷物チェックなどが厳しくなる若しくは禁止されるということになるかもしれない。その場合この村の物流に遅れが出る。


 さらに王国の貴族になった立場でこの村を見ると戦力的にも脅威である。


 まず、俺、「暴虐のカミュ(この言い方嫌だが)」がいる。


 更に村には竜たちもいて村民と親しくしているのだ。

・竜王、爆炎竜ファフニール・・・・毎朝来ており、場合によって1日中いることもある。

・竜王の腹心、氷の姫バッチ・・・・たまに来ている。夜は入浴しに俺の家にること多し。

・小さな竜ローランさん・・・・常駐。

・ローランさんの友人の竜たち5~6人・・・・現在ほぼ常駐

その他にも温泉風呂の客として竜たちが毎日何十人も来ている。


 竜たちは村内では人化しているとはいえそのままでも十分に強い。

しかも何事かあったら竜化するだろう。


 確かにこの村が王国や貴族から何かされたとして、村に来ている竜全員が村の味方をしてくれるとは限らないが。


 以前この話をローランさんにしたら、

 少なくともバッチ、ローランさんとその友人たちは、ファフニール王の不戦令が出る事がなければ村の味方をしてくれると言った。


 そうすると、少なくとも俺と竜5~6人がこの村の防衛にあたることとなるが、南側に接している貴族、最も近い子爵ボーナン軍くらいなら余裕で勝てる、というかボーナンの糞野郎の軍なら俺一人で全滅できる。


 それくらい奴らは解っている、だから今は手を出してこないのだろう。


 しかしそのうち何かをしてくるのでは、という心配はしておくべきだろう。


 この話をルオさんにした。

 ルオさんは当然このことに気づいていた。


 ルオさんに対策案があるか聞くと、バッチを呼んでくれと言って来た。


 何故、と思ったがルオさんが言うことだから何かあるのだろう、と思いバッチを呼んできた。

バッチは竜の駐屯所予定地に来ているのを知っていたのですぐ呼ぶことができた。


 そしてルオさんが、今彼が考えている対策案を話した。

 ルオさんの案を聞いた俺とバッチは驚愕した。

 ルオさんの案を聞いた後、バッチの顔を見たが、あの奇麗な顔が茫然自失と言った感じであった。


 ルオさんは、

「この案は非常時にしか使えない、私は今使った方がいいと思うがまず村長が躊躇し、村民は半分以上は反対するだろうから今は無理だ。バッチ殿は今の話を胸の内におさめ、いざという時は実現に協力してほしい。」

と言い、バッチは茫然自失だったが、平静を取り戻し

「わ、わかった。ルオ殿、思い切ったことを考える。私個人としてはこの案には賛成である。しかしルオ殿、この策は非常時と言っていたが、案外実施せねばならない時期が早く来るのではないか。」

と言い


「以前から思っていたが、ルオ殿、貴様は何者だ。とてもイナバーン王国外れの村のただの一人の村長補佐とは思えん。その智謀は我が竜軍に来ても軍師として勤まる。私の代わりにファフニール王の補佐をせぬか、と本気で誘いたくなるぞ。」


 ルオさんは

「私はそんな大した人間ではないですよ、戦で片腕を失い、政務でしか役立つことのできないただの隻腕の男です。」


 ルオさんは笑った。


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