カミュ、竜に相談す。
「どなたですか?」
カミュがドアの外に向かって問うと
「私だ。バッチだ。夜遅くすまんが話がある。入れてくれ。」
と言われた。
カミュがドアを開けるとそわそわしているバッチが居た。
あいかわらず人化したバッチは色白、スタイルよしの美人さんだった。
今日は以前と違い体を掻くことはなかった。
以前の治療が効いているみたいだ。
「こんな夜中にどうしたんだ。まあ入れ。」
といい、、
「来るのなら事前に言ってくれればいいのに。ちらかってるけどまあどうぞ。ククリコンはもう寝てるから静かにしろよ。」
と階段を上がり自分の部屋に招いた。
「何か飲むものをもってくる。お茶でいいな。」
と一階に再度おり台所からお茶を2つ持ってきた。
「で、何の用だ。」
「最近ローランはあまり帰ってこないし、村がどうなっているか教えてもらいに来たのと、もうひとつ聞きたいことが有って来たのだ。」
バッチはカミュの部屋をジロジロ見ながら言った。
「あんまりジロジロ見るなよ。趣味悪いぞ。で、最初の件だが、ローランさんが帰ってこないのは、村の再開発が佳境になってきているからだ。ローランさんはもはや再開発には欠かせない人・・いや竜だからな。」
と言った。
「再開発の状況は順調だ。お前ら竜、というかファフニールから貰った賠償金の金貨100枚のうち90枚を村庫に入れ、畑仕事以外の仕事を作り、その仕事の対価を村庫から出して村民にやってもらっている。村の再開発の目玉である農業用排水用の水路工事、薬・・人間用の薬の材料及び竜のかゆみ止めの薬の材料の収集、鉱山の開発・・これは水路後になりそうだが、と、水路後のメインとなる温泉の開発だ。温泉の開発は偶然発見できたものではあるがな。」
といった。
更に
「村人にお金が行き渡り、お金を持った村民が仕事後ちょっとした買い物をしたりするようになり、村人がちょっとした料理を出す屋台を始めたり、娯楽の店を出したりして、昼の村はバッチたちが来た頃より大分活気が出てる。暇なとき昼間村に来て村をまわってみたらどうだ。びっくりするぞ。それと、今後、村の南東にローランさんの家を作ることになっている。」
というとバッチは驚いた顔をして、
「ローランはこの村に住むつもりなのか。どういうつもりなのだ。」
「多分ローランさんはこの村を手伝って、村民たちとこの村を一緒に発展させることにやりがいを感じたんだろう。竜は長寿だ。発展するまでの一時の間村民を手伝ってみたいと思ったんじゃないか。
で、十分発展したらまた竜の領域に帰ろうと思っているのかもしれない。」
「そうか、あの飽きっぽいローランがそんなに一生懸命しているのなら、面白いのかもしれないな。ローランが家をこの村につくるのなら、我々が何人か宿泊できるスペースも作らなければならないな。」
「おい、それはローランさんに許可採れよ。ローランさんは自分でお金を出して家を作るのだから。温泉の発展と家込みでお金を出してくれるんだし。飯の上手い宿屋もある。ローランさんにお前らが泊まる部屋も作れって強要するなよ。宿屋に泊まってお金をこの村に落とせよ。」
バッチは長い黒髪の毛先をいじりながら
「今まで聞いた開発状況だと、ファフニール様がこの村にお渡しした金貨のうち90枚では足りないのではないか、どうするのだ。」
と聞いた。カミュは
「ローランさんは温泉の開発費というか温泉のネーミングライツと家の代金として金貨300枚を出してくれた。それで賄うさ。そしてそのうち・・・まだ内容は確定していないからあえて言わないが、お前たち竜の痒み止めの治療と温泉を元にした観光事業でお金を稼げばなんとかなるのではないかと考えている。ただしまだ見切れていないことがある。」
バッチは、
「この村の適切な金貨の量だな。我らから金貨をせしめてもそれが多くなりすぎるとインフレになり物価が上がる。」
「そういうことだ。そのあたりのことは俺よりも村長やルオさんの方がどうするか考えているだろうがな。」
「そうか、上手くいきそうだな。よかった。でだ、最初に村長が我らに言っていた話、人間が我ら竜の役に立つことを証明する事はどうなるのだ。痒み止めだけか。」
「まだ村の開発が優先だ。ただいくつか試案はある。村長たちも試案はあるだろうから、それら試案をローランさんにぶつけ相談しながら決めるつもりだ。」
「そうか、楽しみにしている。で、もう一つの要件のことだが・・・」
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