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蛇足.千夏果帆という不良教諭について
「よぉ諸君。乳くり合ってるかぁ?」
そんな声とヤニ臭さに気付き、オレは腕立てを止めて窓を見た。
そこには赤い髪をポニーテールで結んだYシャツ姿の女の人がひとり。開いていた窓からこちら側に
身を乗り出してきている。
「あれ? 千夏先生、今は職員会議してるんじゃあ……」
「腹痛いって適当にバックレてきた。あんな二束三文な無能どもの馬鹿会議に付き合いきれんでな」
おぅ……オレと同じ発想の人がまさか先生にいようとは。……素直によろこんでいいのか?
ともあれ、この人は理科の教諭であると同時に、旧茶道部からの顧問を引き続きで請け負っている千夏果帆先生だ。
その奇人ぶりは有名で、葵の〝モテ部化〟という提案にも「存分にやりたまへ」とGOサインを出した実質の元凶でもある。
「私もいつまでも腰掛け顧問ではいられないと思ってな。今日は面白いグッズを持ってきた――これだ」
「!?」
「あと、ケーキを焼いといたから理科室に来い。みんなでクリーム塗ろう」
その手には、ひらひらふりふりファンシーなメイド服+ネコ耳セット。
ひどく嫌な予感がした。




