ボスと話し合い
「いやいやいや、そんな関係ではありませんぞ!」
俺がボスにフィーリエとの関係を探ると、怒ったようにそう断言された。
「そもそも、いくら我らオークの精欲が強いからと言って、見境なく種付けすると思われるのは心外ですぞ!フィーリエ殿は確かに美しい女性ではございますが……そもそも、我では彼女に種付けはできないでしょうし」
なんだか妙な言い方だが、その声色などから、本気で違うようだ。
「それは済まなかった。だが、俺としてもお前の様子が気になるんだよ。フィーリエさん?だったか。彼女と一体何をしてるんだ?」
「そ、それは……主殿には関係ないことですぞ」
……やはり何か怪しい。一体何をしているのかと考えたものの、これ以上踏み込むと逆にボスと俺の仲にも亀裂が走り、余計ややこしいことになる可能性もある。
「……分かった。ボス、そこまで言うなら詮索はしない。だけど、俺はアンネとこのままの状態なのはよくないと思う。ボスも同じように思っているなら、アンネを納得させる方法を考えておいてほしい」
そう言うと、俺はボスたちと別れ、工房に向かうのだった。
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「……と、言うわけなんだ。悪いが、オーダーメイドではなく、既製品の装備にかえることはできないか?」
扉の前で工房主であるガルディンに今までの経緯を話し、俺は予約していた装備を既製品に替えられないか交渉しているところだ。
ガルディンは口をへの字に曲げて俺を睨んだ。
「よくそんなことが言えたな、坊主」
「失礼な頼みなのはわかっている。だが、それでも俺はアンネとこのままの状態でいたくないんだ」
「そうじゃねえ、そうじゃねよ、坊主」
そう言って、ガルディンは俺をどついた。
「そんなに大事な女なら、俺なんかのところに来る前にさっさとその女のところに行けってんだよ馬鹿野郎!」
そう言って、俺に袋を投げつけると、バンと扉を閉めてガルディンは声を張り上げる。
「それを持ってさっさと行っちまえ!」
俺は、その言葉を聞いてはっと足を動かした。確かにそうだ。工費は先払いで渡しているのだし(まあ、受け取りの日に来ないというのはそれはそれで問題はあるだろうが)ここに来るよりも優先すべきことがある。
これはアンネと俺たちの問題なのだ。なら、俺が話すべきなのは、ボスやガルディンでなく、アンネのはずだ。
「すまん!おやっさん!ありがとう!」
俺はそう言って、屋敷の方に走り出した。
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アンネを探して屋敷に戻った俺は、アンネがまだ帰っていないことを聞き、アンネが行きそうな場所をメイド達から聞き出していた。
「……お嬢様の行きそうなところ……そうですね、以前はよく、次階層の階段のあたりにいることが多かったですが」
「そうですね、お嬢様はフィーネ様と仲がよいですので、フィーネ様のところに泊まっているかもしれませんね」
「お嬢様の動向ですか?……私にはさっぱり……あぁでも、以前いなくなった時は、冒険者の方の泊まっている宿に行って話を聞いていたこともありましたよ。今も何組か滞在しておりますから、そのいずれかの冒険者の方々のところにいるのかもしれません」
こんな感じの返答が来たので、とりあえず次階層の入口あたり、フィーネの家を探し、それでもいなければ滞在中であるという冒険者も調べてみるという方針にした。
まずは次階層……と思ったものの、どうやら次の階段は妖精村で管理しているらしく、そこそこ大きな次階層への階段を見張っている鬼族の青年から、昨日今日で出て行った冒険者はいないという情報が聞けた。
仮にセルバンが手を回しているにしても、先に進んだ冒険者の存在を隠す理由はないだろうから、信用していいだろう。
丁度人族の冒険者5人組が旅立つところだったので、それを横目に見ながら俺はフィーネのところに向かうのだった。
フィーネ……。俺たちが妖精村に来て最初に出会った妖精の少女の家は、この村では一番小さなタイプ、大凡俺の腰くらいの大きさの家に住んでいた。
フィーネは丁度洗濯をしていた様で、家の前の物干しざおに服をかけている。しかし、そこから俺が少し近づくと、バッと振り向いてこちらを見つめて来た。
「あんた、確か……アンネの友達の緑の冒険者ね!」
そう言って快活に笑いかけた。
「あれ?でも、何であんたがここにいるの?」
不可解な顔をするフィーネは、更に言葉をつづけた。
「だって、アンネはもう、次の旅に出る準備ができたから出発するって……」
それを聞いて、俺の脳内に先ほどの冒険者の姿が目に浮かんだ。
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「ふぅ、ありがとね、流石に、こうして他のパーティと一緒にいるのを見られるのはちょっと気が進まないし」
「構わねぇよ、俺たちだって、この先魔法使いがいてくれるのは助かるしな」
私は、隠れていた冒険者の荷物袋から顔を出して、そう言ったのだった。
書き溜めが溜まらない(涙)
週一投稿は意地でも続けますが、しばらくは1話投稿が継続しそうです。




