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オークと偽物攻略2

 俺は、氷が溶けそうになるのを見計らい、剣を振りかぶる。

 そして、砕けた瞬間に攻撃を放つ。強力な炎が逆巻き、ボスと俺の偽物に炎が襲い掛かる。


 正直な話、武器性能時点でかなりの違いがありそうなのだ。初っ端はこれでよし。


 そして、俺はその隙をついて偽ボスの方に突進する。偽俺の方は二刀流で手数は多いが、二刀流に慣れていないため俺以下の実力しか発揮できていない。最悪、ボスと戦うことになっても押し勝てるとは思えないし、剣から放たれる逆巻く炎は厄介と言えば厄介だが、ボスの氷によって封じることが可能なはずだ。


 勿論、偽アンネの討伐に手惑っている場合は偽俺と偽アンネでほぼ2対1になる。だが、それ以上に投擲している偽ボスがやばい。少なくとも投擲している武器をどうにかしなければ、今度こそアンネが致命傷を負う恐れもある。


 それに、相性の問題もある。どうやら、偽ボスの剣は俺の剣から放たれる炎に耐えきれないようだった。遠距離からならともかく、飛んできた氷の剣が炎に捲かれた途端にとろけだしているのを確認している。


 なら、最悪俺が剣を振り回していれば後ろへの被弾はなくなる。

 まぁ、負ける気はないが。


 俺は剣を振りかぶり、偽ボスに向かって接敵、剣を振り下ろした。偽ボスは防ぐものの、とろけた剣ではその勢いを減じることしかできず、慌てて避けた偽ボスの鎧に、一筋の傷ができた。


 浅い。あれでは体まで達していないだろう。そう思い、再び剣を振りかぶる。すると、偽ボスは今度は剣で受けようとせず、剣を俺の方へと放り投げると、俺から距離を取り始めた。どうやら、受け止めるのは無理だと悟ったらしい。

 だが、ここで放置すると、また投擲が始まってしまう、俺は剣を振って投擲された氷の剣を振り払うと偽ボスを追いかける。

 追いかける時に、偽ボスを威嚇するように剣を振るえば、炎が左右に道を作るかのように広がった。


 何度も剣を投擲する偽ボスの氷を弾きつつ、俺はタイミングを伺った。

 そんな追いかけっこを続けること5分ほど、息切れなどはないものの偽ボスの対処がおざなりになってきたころ、アンネ達の方から声が聞こえてきたことで、俺は思わず、といった風にそちらに顔を向ける。


 偽ボスがその隙をついて氷の剣を投擲、俺はそれを見て、飛んできた剣を掴み、背後から迫ってきた者に突撃した。


 体に衝撃が走り、痛みが全身を襲うが耐えきれないほどではない。突然の俺の接近に武器を合わせる暇もなかったようで、俺が感じたのはわずかな火傷と突撃の衝突だけだったからだ。


 一方で、偽者の俺の方の被害は割とシャレになっていない。持ち主の手からは離れたとはいえ、冷気を発する氷の剣が腹部に突き刺さり、精霊王の剣よりは弱いとはいえ、かなりの冷気を発しているそれが絶えず偽物の俺の体を苛んでいた。

 

 俺が2対1ならどうするかを考え、相手の油断をついて背後から奇襲するだろうとシミュレートしたことが功を奏したわけだが、ここで止まってはいられない。俺は咄嗟にその場を飛びのく。

 直後、二つの剣が俺をかすり、そして偽物の俺に突き刺さる。


 恐ろしい悲鳴が聞こえ、偽物の俺は凍結で動きにくくなっているであろう体を無茶苦茶に動かした。


 二刀流の剣が氷を溶かしていくが、それを許す俺ではない。オークを殺すのに確実な方法、それは全身を原型が無いほどに壊すか、そうでなければ急所を狙うしかない。


 急所、つまり、心臓か、眼を通して脳を破壊するか。


 俺は剣を無茶苦茶に振り回している偽物に急接近し、剣を目に突き立てる軌道で叩き込む。……ふりをして、その横を素通りする。

 偽物も俺が目を狙ったと思ったのだろう、炎の剣二つを眼前に掲げ、防御姿勢をとっていた。それ故に、対応が遅れる。


 偽物の俺が対応しようとした時には、もうすでに、俺の剣は偽物の心臓を力任せに貫いており、そして、その火力でもって体内を焼き尽くし蹂躙したのだった。


~~~~~~~~SIDE ボス

 我は、主殿に背を向け姉御殿のところに走り出した。主殿が言うのだ。誤ったことをした時に諫めるのも従者の務めではあるが、主を信じることも従者の務めであろう。


 今は、信じる時であろうと我は判断した。それに、姉御殿を再び戦列に加えられるのならば、これ以上の戦力増加はない。

 そう思い、姉御殿の元へ向かった我だが、そこで一つ頭を抱えてしまった。


 一人は喉を抑え、這いながらも相手の方に向かっている。もう一人は、羽や腕を傷つけられ、壁に寄りかかって荒い息をついている少女。


「……どっちが姉御殿だ?」


 思わず主殿の足止めを受け入れたものの、よく考えれば、我は姉御殿の戦いを見ていなかった。そのため、姉御殿がどこを怪我した等把握していないのだ。


「……ボス……。こっち、きたのね」


 壁に寄りかかっている方の姉御殿がにやりと笑った。それに対抗するように、這いずっている方の姉御殿が、こちらに助けを求めるような顔とかすれたような呻きを発する。


「む、むむむ」


 我は頭を抱えて呻くのだった。

一応この敵の性質として、同じ姿の相手と戦うという特徴があったり。


マイコニドちゃんは一応塔の住人と言える上、戦力外なので偽物が生成されてなかったりします。アンネちゃんも元々はその枠だったけど、塔から離れてずいぶん強化もされているので今回初めて偽物が生成されました。

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