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オークと迷宮道中

ごめんなさい。またしても1話抜かして投稿してました。しかも今回は1日気付かないという……。


一応粗筋

 賢者の塔で4階層飛ばしてクイズ迷宮に入ったグォーク達。そして、そのクイズで選んだ道の先で、強いゴブリンと戦ったグォーク達は更に道を進むのだった。

 ゴブリンの問題から何度か問題を解いたものの、それほど苦戦することなく突破することができた。

 というか、戦闘は一切発生していない。どうやら、最初のゴブリンの問題の回答が間違いだったのか、それかあの問題だけ特殊だったようだ。


 あの後の問題は、冒険をするときの基本的なことや、この世界の一般常識的なことだった。例えばこんな問題だ。


”人権付与された魔物には何が配布されるか”


”人権付与された魔物を従魔にすることは可能か否か”


 といったものだ。


 因みに人権付与とは、知恵ある魔物がギルドに付与を申請し、ギルドが調査をした後問題なければ付与される権利であり、これがある場合は人間たちの司法に従う義務を負う代わりにどんな種族であっても人間社会への参加が可能になるらしい。


 逆に言えば、人権付与される前ならばどれだけ人を食べていようが付与される可能性はあるらしい。流石に確率は低いらしいが。勿論人権を付与されていない状況なら人間社会のルールを守る必要もない。……その分人間たちに反撃を受けても文句は言えないが。


 アンネ曰く、知性ある存在が全て人権付与申請をしているかといえばそうではないらしく、例えば主食が人権付与部族(人権付与の部族版)であるため申請をしない、と言った事もあるようだ。

 

 ちなみに、この人権付与者や人権付与部族になるためには、法を理解することができるくらいの知性と、法を守ろうとする順法意識が必要らしく、オークはお呼びではなかった。俺とボス……あともしかしたら雌オークは付与される可能性があるが他のオークは無理だろう。


 そんな俺にとっては初めて聞く制度ではあったが、アンネ達はそつなく答えていく。

 答えとしては、”人権印章と呼ばれるメダル状の識別章”と”従魔になる相手と従魔にする者との合意によって各案件の可否を決める”となるらしい。


 とりあえず人権付与のことは頭に入れつつ歩みを進めていくと、いくつかの問題が提示されていったのだが、常識問題はアンネやリストが簡単に回答を出し、計算や物理の問題は俺が取っ掛かりを見つけて、俺やアンネが考えることで解決していった。


 恐らく地頭としてはアンネの方が賢いと思うのだが、知識の面で行けば俺でも秀でているところもあるらしい。義務教育の賜物だが、それでも役に立って何よりだ。……というか、この世界魔法とかもあるのに物理とかは結構似通っているようだ。まあ、質量保存の法則とか、熱量保存の法則とかは魔法のせいでバッキバキに壊れているので、もしかしたら別のところで帳尻を合わせているのかもしれないが……。


 そんなこんなで俺たちはどんどんと道を進み、最後らしき扉の中にたどり着いた。

 そこに書かれていたのは、こんな一言だった。


”自らに相対した時いかにするか”


「自らに相対する……?」


 アンネの言葉にそう問いかけるが、アンネも首を捻っていた。


「どういう意味かしら?自分の内面を見つめなおす……とか?」


「精神統一、確かにそれは有りそうですな」


「中に何があるかは分からないが、恐らくさっきまでの分かれ道の問題とは違って、行動で答えを示すものだろうと思うんだが、どうだ?」


 それを聞いて、アンネも大きく頷いた。


「扉は今まで出てこなかったし、その可能性は高いわね」


 とりあえず、自らに相対という点から、それぞれに分断される可能性があると考え、多少初動が遅れることになるかもしれないが、手を繋いだり、身体に触れたりして分断対策を行った。まぁ、これは普通に無意味になる可能性も高いと思うが。


 部屋の中に入ってまず目に入ったのは、柔らかい泥のような何かだった。


 それはグニグニと動き、そしてその姿を変質していく。あれはなんだ?と警戒している間に、それらは大きく膨れ上がり、その身を4つの姿に変形させていく。


1つは、小さな妖精の姿に。


1つは、少し大人びた少年の姿に。


2つは、大きなオークの姿に。


「そう言う事かよ!」


 俺は前世の創作物で似たような状況を見たことがあったため、この状況を一瞬で理解する。


「ドッペルゲンガー!……かそれに似た奴だ!恐らく戦闘方法も俺たちと同じだ!」


 俺の声に、まずアンネが水の魔法を偽者の俺に放つ。


 すると、偽物の俺は剣を振って魔法を振り払うと、突進してきた。思わず俺はそれを受け止め……そして失態に気付く。


「それぞれ自分の姿の奴を相手してくれ!乱戦になったら同士討ちになる!」


 俺の言葉に、アンネとリストは頷き、ボスは残りの敵の3人に突撃する。


「ボス!」


 慌てる俺の声に、ボスは気にすることなく迫り、抜き放った剣を振りかぶる。すると、大きく避けたアンネとボスの偽物、そして、最小限の動きで避けたリストの偽物に分かれた。


 剣が轟音を立てて空振り、そしてその後を氷が走った。


「!?」


 それに対応できず、リストの足が凍り付く。


「主殿!乱戦になる前に、リスト殿のドッペルゲンガーを足止めしましたぞ!」


 そう言うが早いか、ボスは自分の偽物に対峙した。


続きの粗筋。ネタバレ有






 戦闘に入ったグォーク達。自分と同格の相手に武器の性能や読み合いによって何とか優勢以上に立ち向かったグォーク達だったが、偽物のボスが放った攻撃がアンネに当たり、アンネに危機が訪れる。

 傷ついたアンネを救うため、グォークはボスをアンネのところに送り、ボスとグォーク、二人の偽物を相手に立ち向かうのだった。

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