表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/261

オークとラースベア

本日2話目です。

 俺とボスとアリシアは、とりあえずアンネ達の居る民家とは逆側に歩いていた。


「あの、主殿、アリシア殿と主殿は、迷いなく進まれていますが、こちらで合っているのでしょうか?」


「それは分からないが、問題ない。ここは精霊郷と同じ法則で動いてるって湖の精霊も言ってたしな」


 そう言って、俺はアリシアに振り向いた。


「ところでアリシア……様、なぜラースベアを倒そうとするのですか?」


「?まものがでたらたおすのはきしのつとめだろう?」


 ……確かにそんなものなのかもしれない。


「と、言うことは、私とボスのみでラースベアを倒すのは……」


「うむむ……きしどうとしては、だれがたおそうが、かんけいない、だが、きしとして、しゃていにまかせてそのままというわけにはいかない!」


「ですよね」


 何となれば戦闘時は待機してもらおうと思ったのだが、これは難しそうだ。


「ボス、ラースベアとの戦いのときは、アリシアを守ってくれ、もし、俺たちの手に負えなかったら撤退も視野に入れるからな」


「御意」


 そんな話をしながら進んで行くと、あっさりとラースベアが現れた。デカい熊だ、目は血走っており、非常に凶暴そうだ。

 幸い、こちらには気づいて居なさそうなので、ぶちかましを敢行する。


「おらっ!?」


 攻撃をかますと、ラースベアは勢いよく吹っ飛んでいき。……木にぶつかってピクリとも動かなくなった。


「おや?」


 なんというか、手ごたえが全くない戦闘に、拍子抜けするが、簡単なのはいいことだ。これでアリシアとの約束も……。

 と思ったと同時、俺の体に衝撃が走り、吹っ飛ばされることになった。


「主殿!?」


「いや、大丈夫だ!それよりも前!」


 俺はボスに叫ぶが、本当に大丈夫なのだ、何というのだろうか。大質量の低反発クッションに殴られた、みたいな、どちらかというと掬い上げられ、投げられたみたいな感触での吹っ飛びだった。

 そして、それを成し遂げたのは……先ほど倒したはずのラースベアである。

 先ほどのぶちかましで多少傷ついていた体は見事に無傷であり、闘気に燃えているようだ。


「ボス!一度剣で攻撃してみてくれ!」


「承知!」


 そう言って、ボスが剣を振り下ろすと、これまたあっさりとラースベアが真っ二つになる。


 しかし……。


「再生?いや、しかし……」


 目を離した気はない、何かを考えて上の空だったわけでもない、だが、()()()()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()()


「ボス!どう見えた?」


「……先ほど、我は確かに斬ったはず、だが斬れていない?切ったのに斬っていない……いったい?」


「分かった!考えるのはそこまでだ!」


 一応仮説を立てることは出来る。この世界が夢の中だとするならば、このラースベアは、夢を見ている者からしたら、俺たちには倒せない存在なのだ。だからこそ、倒したという結果が、無かったことになる。


 そして、夢を見ている主だと考えられるのは……。


「ボス!ラースベアを頼む!絶対にこっちに近づけるな!それと、何かあったら呼べ!」


 ラースベアをボスに任せ、俺は夢の主……の可能性が高いアリシアに顔を近づける。


「アリシア様……いや、アリシアさん。ラースベアはどうやって倒せばいい?」


「し、しらない!そんなのしらない!あんなこわいなんておもわなかった。ぜったいに、()()まける!」


 ……やっぱりそうだ、アリシアはこの状況を知っている。そして、アリシアにとってラースベアは俺たちでは倒せない敵なんだ。


 俺がそれを確認し、アリシアをなだめすかそうと声を出した瞬間、俺の前を影が通り過ぎた。


「主殿!面目ない!抜かれ申した!」


 その瞬間、俺の真後ろから、ラースベアの爪が振り下ろされる。恐らくこれを受けても致命傷にはならない、だが、その隙にアリシアを襲われたら……。


 そう思っていると、俺とラースベアの間に何かが割り込んできた。


 バリバリと鈍い音が響くと同時、ドスンという拳の音が響き渡る。それを成したのは、何とアリシアだ。自分の盾を犠牲にして、俺を守ったのだ。


「アリシア!」


「大丈夫だグォーク!これでも私は、きしを目指しているんだからな!……あれ?でもなんで、わたし……」


 攻撃を受けて、怒り狂ったラースベアが再び拳を振り上げるのを見て、今度は俺がアリシアを庇う。


 そして、攻撃を受け止めながら、アリシアの言葉に耳を傾ける。


「わたしは、エルナート騎士王様に憧れて……でも、絵本を読んでもらったのはずっと前で……?それで、騎士になって盾でのいなし方を覚えて、でも私は騎士見習いで……」


 ブツブツと言いながら何やら考え込んでいたアリシアだったが、その直後、その姿が一瞬にして変化した。


「思い……出した!」


 そして、手に持った純白の剣で天を指し、こう宣言した。


「私はオーガ級冒険者アリシア!自由騎士である!」


 

アリシアちゃん復活!


 ……ホントに?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ