ペンデュラム
閃いたらすぐ書くようにしています。一気に書きました!楽しんでくださいね!超能力、魔法、ミステリー、色々と組み合わせていきたいと思っています。
ではでは!また後でね!!
♪(o・ω・)ノ))
午後7時。時間ばかりが過ぎていく。太った男は迷いながらも電話を掛けた。
「はい」
「中岡か?ボスは?」
「誰だ?」
「狭山だ」
「ボス、狭山からです」
狭山は身動きできない状態に苛立っていた。
ボスに事情を説明して保護を願い上げるしかないと考えていた。
「狭山か?なんだ?」
「ボス、実は今朝、公園で寝ていた男から財布を奪いまして、その場では上手く逃げれたのですが、居場所がバレてしまって。今、身動きできないんです。男の名前は沢木怜音という奴です」と狭山は慎重に言葉を選んで説明をした。
「沢木怜音…。聞いたことがないな。狭山、財布の中身はいくらあるんだ?今はどこにいる?」
「財布には…、20万円も入っていました。俺はワンデイズ・ホテルのスイートルーム、1508です。沢木怜音には美人の妹がいますよ。ボスのタイプだと思いますよ。妹の住所を書いた紙があります。住所を教えます」と狭山は嘘の金額を伝えてルームナンバーは正直に答え、沢木怜音の妹の住所を伝えた。
「妹? 美人なのか? ところでジロとタグは?」とボスは仲間の様子を聞いた。
「ヤられたみたいです。今朝ベンチで見ましたが、完全に目が虚ろでしたし、意識も定かでないです」と狭山はボスと話しているうちに緊張から吐き気が出てきた。
「2人、迎えをやるから部屋にいろ。15分後には着くはずだ。金は俺が頂くから無駄にするな」とボスは無気力な言い方をして狭山に伝えた。
「はい、わかりました」
「スイートルームにいる意味が分からない。もし、俺を騙したり、嘘を言っていたら、分かるよな?」とボスは脅して言った。
「川口さん、騙すなんて馬鹿な事はしません」と狭山はうっかりボスの本名を口にしてしまった。
「テメェ、盗聴されているかもしれないんだぞ、電話で俺の名前を言うなと、あれほど何度も言っただろうがよ」と川口は怒鳴り声をあげて電話を切った。
「す、すいません」と狭山は切れた電話相手に謝ったが、受話器越しから届くのは、虚しい機械音だけだった。
「クソ野郎めが!」と狭山は受話器を置くと、時計を15分後にセットアラームをした。
狭山は風呂場に行って、割れたシャンペンの破片を1ヶ所にかき集めた。
「痛い!」右の人差し指を大きく立てに切ってしまった。狭山は溢れ出る血を見ていると、今朝、太陽の光を浴びて血まみれで腕を広げていた沢木怜音を思い出した。沢木怜音に変な気はないのだが、妙に美しいと思う光景だった。
狭山は部屋に戻り絆創膏を探した。ベッドの横にある棚の引き出しの中に絆創膏があった。
上手く絆創膏を貼れた頃にアラームが鳴り響いた。 約束の15分だ。
狭山は大股で部屋を横切ると玄関に行き、扉を前にして覗き穴を覗いた。
人はいなかった。狭山は扉を静かに開けた。通路は人気がなかった。エレベーターの音がするだけで、静寂が広がっていた。
通路には赤い絨毯が引いてあった。狭山は絨毯を見ているうちに血に染まった沢木怜音の顔が強烈に脳裏に浮かび上がってきた。
今、自分の目の前で見ているような感覚になっていた。狭山は頭を振るとエレベーターの開く音がした。 『仲間か?』と思いながら見守っていたが、誰もエレベーターから降りては来なかった。
『スイートルームに泊まる宿泊客は自分しかいないかも』と狭山は思った。
狭山はその事実を感じ取った時に焦り始めた。
「マズイ」と狭山は呟いて玄関の扉を閉めた。
ガシャーン!!
窓ガラスの割れる音で体が硬直した狭山は、戸惑いながら部屋に向かい窓まで駆け寄った。風でカーテンが揺れていた。
鳥が部屋の中で羽根を広げてもがいていた。鳥はカラスだった。弱々しく鳴き声を上げるカラスの体にはガラスの破片が突き刺さっていた。
倒れているカラスに近寄れない狭山は電話でフロントに知らせることにした。
呼び出し音が鳴り続けるだけでフロントには繋がらなかった。
狭山は沢木怜音の財布から130万円の札束を手に取ると、チノパンツのポケットに仕舞い込んで財布をテーブルの上に置いた。
狭山はホテルから抜け出す事にした。
『おそらく…、ボスの川口は仲間に俺の居場所を伝えてはいない、つまり、ここには誰も迎えには来ないということだ。見限った。そういうことなのだろう』と狭山はパラノイア状態に陥っていた。被害妄想を繰り返しながら、ホテルの部屋を飛び出した。
狭山は4台あるエレベーターの前で待っていた。
狭山は自分が押したボタンを確認すると、後ろのエレベーターが一気に15階まで来る勢いで上がってきた。
『仲間かも?』と安堵に似た気持ちが一瞬だけ芽生えた。
沢木怜音の可能性も否定できないと考えた狭山は、自分が押したボタンの方のエレベーターが来たので、慌てて乗り込むと1階のボタンを強く押した。
エレベーターは他の階で止まる事なくスムーズに降下していく。
狭山は『早く1階に降りてくれ』と思いながらエレベーター内の電光表示を見ていた。狭山は後ろを向くと監視カメラがあることに気付いた。慌てて顔を下に背けると腕時計を見た。時刻は午後7時55分になっていた。1日が長く感じていた。
エレベーターが突然、9階で止まった。
『宿泊客か?』と狭山は思い、場所を後ろの方に移動したのだが、扉が開くと誰もいなかった。
狭山は訝しげに扉から顔だけを出すと通路が真っ暗な状態になっていた。
エレベーターの光だけしかなかった。
右の通路の突き当たりに人のいる気配がした。
狭山は暗闇に目を凝らして見つめたのだが、人影は立ち尽くしたままのようでその場を動かずにいた。
狭山は上着の左ポケットにあるジャックナイフを取り出し、チノパンツにある130万円の金を触り続けていた。
人影はゆっくりとエレベーターの方に歩いてきた。
狭山は震えながらエレベーター内に戻ると1階のボタンを連打した。
扉が閉まる寸前、人影はエレベーターの側にまで迫っていた。
「奴から逃げられるのかな?」と男の声が聞こえた所で扉が閉まった。
狭山は気がおかしくなりかけていた。
1階に着くと、狭山は辺りを見回しながら入り口の回転ドアまで早足で向かおうとしたのだが、驚いて立ち止まった。
回転ドアの前には観光客が50人近くはいるのだろうか、混雑を極めていた。
狭山は目立ちたくない一心で裏口の回転ドアまで行く事にしたが、裏口にまで70人程の観光客が集まっていた。座ったり横になっていたりと回転ドアの前に人が陣取っていたのだ。 タイミングが悪い。回転ドアは故障中と紙が貼ってあり、5人の整備士が整備をしていた。
狭山は焦っていた。もうエレベーターで部屋に戻る事はできない、外に出ることもできない。
『階段で下に降りて、地下の駐車場から地上に出れるかも』と考えていた時だった。
今朝、チップを渡したベルボーイが手招きをして呼んでいた。
「なんだ?」
「沢木怜音様という方から伝言を預かりました」とベルボーイは愛想よく言った。
「何と言っていた?」と狭山は落ち窪んだ目をして聞いた。
「『残りの金を持って自分の部屋に戻れ』とおっしっていましたが、大丈夫でしょうか?」とベルボーイは不安な顔をして言った。
「単なる冗談だ。今から外で食事をしたいんだ。どこから外に出れるんだ?」と狭山は言ってからベルボーイに5万円を渡した。
ベルボーイは『今日だけで7万円のチップを貰ったことになる。ラッキーな日だな。きっと狭山様はお金持ちに違いない』と思っていた。
「ホテルの厨房から出ると、直ぐ目の前にコンビニがあります。コンビニから外に出られます。回転ドアと他のドアの調子が悪くて申し訳ありません。急に悪くなってしまいまして。
急いで早く修理しますので、しばらくは回転ドアを我慢してくださいませ」とベルボーイが話し終えるのを待たずに、狭山は歩き去っていた。
狭山は厨房を抜けてコンビニから外に出ると、星が出ている綺麗な夜空に気が付いた。
このまま暗闇に紛れて消え去るには好都合の時間だった。
狭山は、タクシー乗り場まで、人気のない道を遠回りしなければならないことに不安を覚えた。
ジャックナイフと金を握り締めながら道を歩いた。
街灯の灯りに引き寄せられた蛾が飛び交っていた。
街灯の下にあるベンチには人が横たわっていた。
狭山は早足で通りすぎようとした。
「俺から逃げられるとでも思っているのか?いくら残っている?」と沢木怜音の声がベンチからした。
「さっきは、9階で何をしていたんだ?」と狭山は額の汗を拭いて、金を握り締めながら言った。
「9階? 何の事だ? それよりも、金はいくらあるんだと聞いている」
「だいたい120万くらいかな?」と狭山はジャックナイフを握り締めながらベンチに近寄っていった。
「60万を勝手に使い込んだわけか…。足りない」とレインは言って体を起こそうとしたタイミングを見て、狭山はジャックナイフでレインの心臓を目掛けて突き刺した。
ジャックナイフが消えていた。狭山の拳がレインの胸に当たっただけだった。
「残りの金は返してもらう。今からお前のボスの川口だったかな。
そいつに会って60万円を立て替えてもらうか、何かしろ。いや待て、川口を消してやる」とレインは言って狭山を睨んでいた。
街灯に照らされて光輝くレインは、血まみれで朝の光を浴びながら微笑んていた表情と一致していた。
狭山は襲い掛かって力任せにレインの首を絞めた。
「あー、苦しい。あー、苦しいよなあ」とレインは笑いながら話していた。
「そんなバカな!」と叫んだ狭山の目が血走って飛び出ていた。
レインは狭山の額に手をやると、狭山は宙に浮かび上がり街灯に強く頭をぶつけて灯りが消えた。
狭山は頭から血が吹き出ていた。
狭山は何度も地面に叩きつけられ、体を起こされて浮かされてレインの前に移動した。
レインは狭山のチノパンツのポケットからお金を取り出した。
「俺は既に川口の居場所を知っている。後はお前次第だ。俺の金を3時間以内に返せ。そうすれば見逃してやる」とレインは宙に浮かんだ狭山に言った。
「財布にお前の妹の住所が書かれた紙があったぜ。ボスは女に目がなくてね。人の女も奪うほどの女好きなんだよ。妹の名前は…、確か樹里愛だったよな?ちゃんと、妹の住所をボスに伝えておいたからよ。今頃、楽しんでいるはずさ。ざまみろ」と狭山は目を剥き出して笑いながら言った。
レインは怒り狂った顔をして右手を狭山に向けると 「ガベラマフアズ!」と怒鳴り声に近い声で非常に強力な魔法を唱えた。
波動やエネルギーが膨大なために、次元にも何らかの支障が出るため魔法界では使用制限もされていた。 現世で使う事例はあまり見受けられない。レインの怒りが危険な魔法を引き起こしてしまった。これは消滅の魔法だった。使いこなせる魔法使いは2人しかいなかった。
レインは魔法界で優秀すぎる程の実力者だった。
800年に1人の才能のと称賛されていた。
狭山は跡形もなく、木っ端微塵、肉体が消滅した。
つづく
いかかでしたか?スリリングな展開になりましたね。閃いたら書くべしで書いていきます。また読みにおいでね!ありがとうございます♪また宜しくお願い致します!
(* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪




