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彼女は僕らの後方、緑龍様の正面から現れた。うん、ほんと良かった後ろからで。
「もうさ、あたしホント力いっぱい叫んだよ?そこは人として助けようとしない?」
「大体さ、おいていくってどうよ?気づいた時のあたしの気持ち分かる?」
「そもそもなんでこっち見ないかなぁ?」
怒涛のしゃべりだね、でも後は振り返らない!
ちらっとイツキの顔を見る。イツキもこっちを見た後緑龍様を見た。
「アリー」
『ふふっ、紳士なのね。その対応で正解よ』
あ、やっぱりですか。
「何が・・・・・・ってきゃあぁ!?」
緑龍様が笑った後あたり一面白で埋め尽くされた。ヒノミヤの悲鳴も聞こえたけど。
それより前が見えん!というか息苦しいです。
もがいてみたが一向に出られない、あれ?これやばくないか?
「むー!!」
「ウルイ!?」
イツキの叫びを最後に僕の意識は真っ白になった。
「あ、目が覚めましたか?今樹様たちをお呼びしますからもう少し横になっていて下さいね」
目が覚めたら目の前に天狼さんがいました、なんで!?
「えーと?」
「ここは天狼族の村ですよ。緑龍様が力加減を誤ったと運び込んできたのです。黄龍様が封印されたためバランスが崩れたのが原因ですね。マナはそれぞれのかかわりが深いですから。同じように赤龍様も暴走しているようです、先ほど連絡がきたようですが・・・・・・これ以上は後にして診察してしまいましょうか」
そういうと天狼さんは僕の額に手をかざし呪文を唱え始めた。
「ふむふむ、窒息の後遺症等はないようですが急成長の弊害が出ていますね。体を流れるマナに乱れあり、ただしこの程度ならもうしばらく安静にしていれば自然と回復するでしょう。あ、しばらくマナの使用は禁止ですよ?」
「えー?」
「安定させないと後で大変ですからね。精霊との会話も控えてください。長の証の発動もダメです」
「属性増えたから同調しようと思ったのに」
「マナが安定してからですね。それまではこの村で静養してください。異世界人の方々もしばらくはこちらで面倒を見ますし」
今長の下で特訓中なんですよなんてのんきに言う天狼さん。
ハウさんの特訓か・・・・・・全属性を自在に操る天狼の長の特訓?イツキたち死んでないといいねぇ。
「ウルイっ」
バタバタと音を立ててやってきたのはイツキに・・・・・・あれ?緑龍様?なんで人型?というか・・・・・・
「なんか気配が薄い?」
「分身体よ。現身本体だと全然コントロールできなくて」
ため息をつきながらそこらへんに植物をはやす緑龍様。真っ白な花が咲いて・・・・・・なんでだろう?緑龍様が可憐に見える?
「うわすげぇ、無意識に百合背負いやがった」
「言っている意味が分からないわ。ああ、その花は白龍にもっていってちょうだい、彼の好きな花なの」
「かしこまりました」
緑龍様に後ろで咲き誇る花を次々刈っていく天狼の集団。うーん、カオス。
しばらくしてヒノミヤと白龍様(人型の分身バージョン)もやってきた。ヒノミヤがものすごくボロボロだった。相変わらずコントロールが悪いようだ、というか悪化しているらしい。現れたとたん怒涛の勢いで愚痴が始まった。僕、そこまで君と親しくないよね?
「あ、そうそう。この前の記憶は消去でお願いね?」
「この前の?って君が全r「消去でお願いね?」はい」
見てないけどあれ自体なかったことにしたいようだ。笑顔で目が笑わない人間の基準でいう美少女は迫力がものすごかったとだけ言っておこう。
そして白龍様だがなぜに青年何だろうか?いつもは僕と目線が合う小っちゃいお爺ちゃんの姿だったはずなんだけど。見上げなくちゃいけなくて首痛いじゃないか。
「ヒノミヤがのぅ・・・・・・」
ヒノミヤが?
「こいつ龍神に向かって暴言吐きやがったんだよ」
イツキがため息をつきつつ(ヒノミヤのこめかみをぐりぐりと攻撃しつつ・・・・・・悲鳴のせいで聞き取るのが大変だったよ)説明してくれた話によると「モンスターの人化は美女美青年が常識でしょ!やり直して!」とのたまったらしい。そんな君には勇者の称号をあげるよ、一番穏やかな性格の白龍様じゃなかったらどうなっていたことか。




