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 過程はともあれ食事が手に入ったのでこのまま休憩……


「するわけがない」

「どういう意味だ?」

「こんな香ばしい匂いが充満した場所なんて危険でしょ」


 そもそも火蜥蜴はその炎で獲物を焼いてから食べるからね、この状況は焼かれた餌があるってアピールしているようなものだ。


「そんなわけだから必要分だけ持ってさっさと移動しよう」


 僕がそういうと輪切りになった火蜥蜴のステーキ肉をひょいと咥えてさっさと移動し始める。イツキも慌ててあとについてきた。


 火蜥蜴と遭遇した場所からさらに進むことしばらく、こんこんと湧き出る小さな泉(ただしお湯)があったので今度こそ休憩することにした。


「湯気が出てるってことはお湯だよな?温度次第では温泉に入れるかもしれないってことか!?」

「ずいぶん嬉しそうだね?」

「そりゃ温泉見つけたらな。火山地帯だからあっても不思議じゃないけど入れるかはまた別問題……っと結構ぬるめだし大丈夫か。火山の温泉というと硫黄含有?でも臭いはないな。効能は……」


 またブツブツ言い始めるし。

イツキは故郷の知識が使えそうな時に独り言が多いというか自分の世界に入っちゃうんだよね。役立つからいいけど見ている間暇だし、何より客観的に見ると一人でブツブツいっている姿は不気味だと思う。


 イツキはほっといて(イツキが)持ってきたカバンとか言うものからコップ?を取り出す。泉からお湯をくんで一口。うん、飲める飲める。次は一緒に持ってきた薬草の葉っぱをコップの中に放り込む。温度が低いらしいからコップに向かってコップが燃えないよう慎重に小さな火を打ち込めばこれでよし。


「イツキ、オチャができたから現実に戻っておいでよ」

「最近腰痛もひどい……ってわるいわるい。ああ、ハーブティいれてくれたのか?この香りはミントだな」

「イツキ達の世界ではミントっていうの?緑龍様はミンツェってよんでるよ」

「名前も似てんな、覚えやすくていいわ」


 ミントティーと火蜥蜴ステーキでずいぶんと遅めの昼食を取り(イツキの分のステーキは更になんか色々してた。味なしは美味しくないとか何とかいってる)、泉の水をスイトウ(森に生えてる植物を見てイツキがタケって言ってた。フシ?があってうまく利用すると水が持ち運べるようになるらしい。実はコップも材料はこれだ)にいれて更に進むことにした。



――――ホムラ火山、頂上付近――――


「はぁ、はぁ」

「大丈夫?」

「はぁ、気温が……はぁ、高くて汗が」


 頂上に近づくに連れてイツキの汗がひどい。水分はとっているが追い付いていないみたいだ。

僕自身は前回会得した魔力調整で問題ないがイツキは火の属性を持っていない。さっさと山頂まで行きたいがイツキのことを考えると引き返すべきかもしれない。


「引き返すなら俺だけで戻る」

「無理でしょ。火蜥蜴はイツキより早いんだよ?」

『領域近くにいるのに来るのが遅いと思えば……緑龍はどうしたのです』

「!?」


 突然声があたりに響いたと思うと岩の隙間から炎が吹き出し始めた。


「あ、なんだかデジャヴ」


 ああ、緑龍様登場時ってこれの植物バージョンだもんね。

ちなみに他の神竜様達もそれぞれその属性に応じた登場だよ。


 炎が一箇所に集まり姿を表したのは予想通り、この火山地帯を領域とする赤龍さまだ。


「って龍じゃなくて鳥だろ!これ!」

『失礼な、私はれっきとした神竜だ。いくら緑龍の契約者といえども燃やすぞ』

「すいませんでした」


 即座に土下座するイツキ、君土下座得意だね。あと赤龍さま口調違ってるよ?


『こほん、私は神竜の一柱、赤龍。名は契約者より紅玉と名付けられました。もう一度言いますがれっきとした龍です。鳥のようだというならば鳥こそが私に似ているのだと答えましょう』


 赤龍様のほうが先に生まれているしねー。


「まあここは地球じゃないからな。炎でできたと鳥っつーと俺達は不死鳥とか想像するけど」

『不死鳥なら私の眷属ですよ?』

「マジか」

『マジです』


 ところで赤龍様何しに来たの?


『そうそう、うっかりするところでした。緑龍は何処です?私の契約者も紹介したかったのですが』

「緑龍様は火は嫌いだって言ってました。麓の森でお留守番です」

『ああ、植物はよく燃えますからね……仕方ありません、後ほど挨拶に行きましょう。それでは火口で待っていますから早く来るのですよ?緑龍の契約者には懐かしい顔もいますから』

「は!?ちょっと待て!」


 赤龍様の最後の言葉に慌ててイツキが反応したけど時すでに遅し、赤龍様を形どっていた炎はすでに霧散していた。


「懐かしい顔って……誰だよ?」

「そりゃ、火に関する名前の誰か……かなぁ?」

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