【あとがき】
久しぶりに『あとがき代わりに20の質問(http://akitaro.moo.jp/atogaki.htm)』お借りしました。
1.この小説を書き終えた、今現在の心境を一言で簡潔に言い表してください。
⇒久しぶりに恋愛モノを書き上げたぞ。おめでとう私。ありがとう私。
2.この小説を書く上で、一番書きやすかったところはどこですか?
⇒二人の独白部分ですかね。もともと独白を書いてる方が得意なので、おかげで無駄に一話が長くなりました(笑)
3.この小説を書く上で、一番苦労したところはどこですか?
⇒榊と伊織、ゆかりと晴菜それぞれの会話部分。つまり、五話と六話が少し進みづらいところでしたね。
4.ボツにしたタイトル、仮タイトル、執筆中のコードネームなどありましたら教えてください。
⇒最初は『そしてまた、恋をする』にしようと思ったんですけど、何か聞いたことある題名だなと思って検索引っ掛けたら、見事にコブクロさんの曲とモロ被りしてたのでやめました。
5.タイトルの由来(意味)は何ですか?
⇒うーん、読んで字のごとくとしか。長いこと互いの傍にいた二人が、自分たちの気持ちに気付いて、いったん離れて、んで何年後かに再会してもう一回恋をするという。そういう感じをイメージして付けました。
6.この小説を書き始めるきっかけはなんでしたか?
⇒私の中に潜伏していた、歳の差萌えが爆発しました。ただ、それだけのことでございます……。
7.この小説を書く上で、何か影響を受けたもの(他の作品や、他媒体の創作物など)はありますか?
⇒えーとですね。てにをはさんという方のボーカロイド曲および小説作品『女学生探偵シリーズ』ですね。曲自体は前から知ってて、本は最近買ったんですけど、その結果私の中で歳の差萌えが爆発しました。青年×少女万歳!歳の差ジャスティス!うぉぉぉぉ(以下略)
……コホン。失礼。お話の世界観ぶっ壊してすみませんでした。とにかく、そんな感じです。
8.これがあったから、この話がかけました!(これがなかったら、かけませんでした!)というものはありますか。
⇒いつも通りワード様にはお世話になりました。それから私の中に潜伏していた、歳の差萌えですね。歳の差可愛い……(もうお前黙れよ)
9.ボツにしたストーリー展開を教えてください。
⇒うーん。でも今回は、わりと事前に考えていた展開通りに話を進めることができたので、ボツにした展開などは特にないなぁと思います。
10.プロット(思惑)どおりに進みましたか?
⇒上記のとおりです。ちょいちょい考えてなかったエピソードを入れたりはしましたが、全体的には割とスムーズに進めることができました。
11.これが書きたくてこの話を書きました、という部分はどういうものですか?
⇒ラストシーンですかね。二人の台詞は結構初めの方から決めていて、最後にバシッと決めたかったんです。
どうしても再会シーンが書きたかったので、ちょっと無理矢理かなとは思いつつゆかりちゃんを空港にお呼びしました……。ちなみになんとなくわかって頂けてるとは思いますが、榊が空港にいたのはちょうどドイツから帰国してきたからです。
12.一番こだわったところはどこですか?
⇒二人が互いを大切に思う気持ちと、それが表された言動を、丁寧に描くところにこだわりました。
13.一番好きなキャラクターと、一番嫌いなキャラクターを、理由つきで教えてください。
⇒何気晴菜ちゃんが好きですね。彼女は前に連載していたお話の主人公なのですが、それを書いていた時より今の方が愛着あります。
嫌いなキャラは、まぁいつもの通りです。いません。
14.実際にいたら嬉しいキャラクターと、実際にいたら厭なキャラクターを教えてください。
⇒ゆかりちゃんいてほしいな。世話好きキャラが一人傍にいてくれたら、楽じゃないですか(←コラ)
いたら厭なのは……榊かな? 書いた身ながら、こいつは男としてちょっと情けなさすぎます(苦笑)
15.この人にはこの言葉を言わせたかった!という台詞をキャラ別にどうぞ(実際に言わせていなくてもOK)。
⇒ゆかり「当たり前すぎて、気付けなかったの」
榊「ゆかり」
晴菜「もしいつか本当に、あの人が本当にわたしを迎えに来てくれたら……その時には胸を張って、あの人と対等にいられるような、そんな立派な大人になっていたいって思った」
柊教授「惚れた女の幸せも祈れないで、何が男だい?」
刑部教授「なかなか優秀な助手を手に入れたではないか、駒込くん?」
16.この小説の登場人物たちを使って、別の話を書く予定はありますか?
⇒そうですねぇ……別の話にゲスト出演とかはさせるかもです。でも、彼らを主人公にした話は書かないと思います。
17.この小説の中でこの部分が一番会心の出来なのです! というシーン(か台詞)を抜粋してください。
⇒ラストシーンと迷ったのですが……では、こちら。
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「榊」
「……なに?」
「わたし、待たないからね」
「うん」
相槌を打つ榊の声は、この上なく優しい。また泣きそうになるのをぐっと堪えて、わたしは言葉を続けた。
「でも、いつかまた会えたら、その時は」
「……その時は?」
治まっていた胸の鼓動が、少しずつ早鐘を打ち始める。口の中がからからに渇いているのは、きっと夏のせいだけじゃない。
「もう一度」
麦わら帽子をぎゅっと力を込めて握りこみ、わたしは吸った息をそのまま吐き出すように、その先を一気に告げた。どうか伝わってほしいと、焦がれるほどに願いながら。
「もう一度、あなたに恋をしてもいいですか」
――これが、今のわたしにできる、精一杯。一世一代の、告白だ。
わたしの言葉を聞いた榊は、一瞬目を見開き……それから心底嬉しそうな、今にもとろけそうな甘い笑みを浮かべた。
「俺も」
発された声は、いつもより低く掠れて。
「いつかまた、会えたら。その時は」
漆黒の瞳からちらりと垣間見えた、初めて見る男の人の色に、思わず物欲しげに喉が鳴る。長い間、一緒にいたはずなのに……知らなかった。こんな表情も、するんだ。
すっと目を細め、ゆるりと口角を緩める。その一挙一動にさえ、胸の鼓動はいちいち新鮮に反応してしまう。
あぁ、どれだけわたしはこの人のことを――……。
「もう一度君を愛しても、いいだろうか」
先ほどから落ち着きなく高鳴り続けてきた鼓動が、榊の言葉を理解した瞬間、言いようもなく打ち震えるのを感じる。気恥ずかしさもあったけど、それ以上に嬉しさの方が勝っていた。
この時、わたしは生まれて初めて、このまま時間を止めてほしいと……いっそ心臓が止まってしまってもいいと、そう、思えた。
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18.この小説で取り上げたテーマやアイデアに、もう一度別の形で挑戦してみたいですか?
⇒歳の差はもう、これからも何度でもやります。私の創作のテーマと言っても過言ではありませんからね。歳の差ジャスティス!
19.何か、これだけはしておきたい言い訳というのはありますか?(笑)
⇒ある程度つじつまは合うように色々と調べたつもりではありますが、基本的に背景は雑なので、不自然な部分等ありましても見逃してください……。
20.最後に一言どうぞ!
⇒歳の差ジャスティス!
……コホン。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
ちなみに今作に出てきました楠木晴菜は『梨の実が香る頃に』に、柊伊織は『街を巡る手紙』にそれぞれ出演しておりますので、興味を持っていただけた方はそちらもぜひご覧ください。