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婚約者の幼馴染に冤罪をかけられました  作者: 影茸


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第一話

「私、サーシリア様にずっと虐められてきたの」


 自身の婚約者の幼馴染み、リディアがそう告げたのは突然のことだった。

 想像もしないことに、私は驚きを隠せない。

 それもそうだろう。


 ……今の今まで、嫌がらせをしてきたのはリディアのほうなのだから。


「サーシリア! 貴様、婚約者にしてやった恩も忘れて!」


 私の話を聞かずに怒鳴るのは、婚約者のマイク。

 その態度に、普段の私であればため息をこらえるのに必死だっただろう。

 ただ、今の私の胸にあるのは喜びだった。


 ──なぜなら、待ちに待った婚約破棄のチャンスがやってきたのだから。


「……リディア嬢、もう一度いってもらってよろしいでしょうか」


 しかし、その内心を必死に押さえ込み、私は口を開く。

 そんな私に、勝ち誇った態度を隠そうともせず、リディアは告げる。


「あら、言い逃れする気? この傷が証拠よ!」


 本来リディアは私より身分が低く、こんな横柄に振る舞える立場にはない。

 しかし、いい加減面倒になってきた私はそれを指摘せず、リディアが見せてきた腕に視線をやった。


「この痣、見覚えがあるでしょう?」


 勝ち誇った様子で告げるリディア。

 その白い腕には、確かにわずかに青くなった痣があった。

 そして、それについて確かに私は記憶があった。


「ああ。私に水をかけようとした時についた傷ですね。転んだ時、この辺を打ち付けてましたもんね」


 思い出すのは数日前、リディアが私に水をかけようとした時だった。

 その時、私はきちんとおしゃれをしていたので、水をかぶる訳にはいかず、リディアの水を避け。


 ……かってにバランスを崩したリディアが痣をつけたのだ。


「さすがに盗人猛々しいのでは?」


 私の言葉に、親の敵でもみるような目で、リディアが睨んでくる。

 しかし、すぐにその顔に傷ついたような表情を浮かべ、マイクの方へとすり寄った。


「マイク様は、この女のいいわけなど聞きませんよね? 私が本当に傷ついたと理解してくださいますよね?」


「ああ、もちろんだ!」


 そう告げるマイクの鼻が伸びているのに気づき、私は内心思う。

 ……本当によく、こんな猿芝居に騙されると。


「それに、これだけではありませんわ」


 そういいながら、リディアはにっこりと笑う。


「私がいじめられた証拠に、証人がいます」


 そのリディアの言葉に反応し、数人の人間が姿を現す。


 ……それはリディアの家の人間達だった。


 その一番前に立った侍女が私に向けて叫ぶ。


「私達もみておりました。サーシリア様がお嬢様の悪評を周囲に広めていたことを!」

描きたかった幼馴染ものの試験的短編です!

一日三話程度更新ですぐ終わるかなと思っております!

よければ、同時連載の婚約破棄されたのは最強の悪役令嬢でしたもよろしくお願いいたします!

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