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苗がほとんど霜でやられました・・

「殺せと言ってるだろ

 農民一人殺せないとは何様のつもりだ」

なにか老人が若者に罵声を上げている

ここは、小さな部屋で、薄暗く

俺と老人、若者以外に部屋にはだれもいない

「俺には、出来ません」

若者は、涙声になりながら、必死に抵抗した

「こんな、子供を殺せと言うんですか?

 この子は、能力者じゃない」

俺を指さしながら、若者は言った

子供と言うのは俺のことか・・

俺は手足は縛られ身動きが取れない状態だ

どうやら、囚われてるらしい

「能力者じゃないから、殺すんだ

 いわば、度胸試しだ

 貴様の特殊能力は、拷問には最適だからな」

「俺は、そんな事したくありません」

「殺れ !!貴様は、我々が滅んでもいいと言うのか?」

「でも、それとこれとは・・」

話の途中に老人は

「黙れ !!殺さなければ、俺がお前を殺すぞ」

そう言うと、老人は右手を前に突き出す

すると、若者は何か見えないものに掴まれ、宙に浮き始めた

若者は、首の所を両手で押さえ苦しそうにしている

若者の目が虚ろになった瞬間、老人は右手を下ろした

それと同時に、若者が地面に叩きつけられ

いきなり息をしようとして、むせている

「殺れ、もし殺らねば、お前を殺す」

冷たいその言葉が効いたのか

若者は、フラフラになりながら

立ち上がり、「ごめん」と呟きながら、俺に右手を向けた

何をしていいるのかわからなかったが

すぐに、理解した


腹の中が熱い、熱さが段々痛みに代わってくる

自分の腹の中で何かが、ズルっと崩れる感じがした

痛くて、叫びたいのに叫べない

「グベッ・・」

体から無理やり絞り出されたような声と一緒に

俺は、大量に吐血した

「もう、嫌だ━━━━!!

 俺にはできない」

若者は、ヒステリックになり

その場で、頭を抱えながらその場で膝から崩れた

「俺には、もぅできない

 嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ・・」

若者にとっては、それで良かったかもしれない

だが、俺にとっては最悪だ

腹の中は、完全に焼け切らず

生焼け、半殺し状態だ・・

ただ、この状態でも、少し生きたいという気持ちはあったが

楽になりたい、と言う気持ちがが強くなってきた

呼吸も荒くなり、息を吐くたんびに

痛みと血も一緒に出てくる


「くそっ、この役立たずめ・・」

老人が、そう呟きながら腰に差してあった

ナイフを取り出し、俺に近づいてきた

殺してくれ、声は出ないが

口をそう動かした

「止めろ゛━━!!」

そう言いながら、若者は老人に飛びかかった

だが、それにすぐに反応し

老人は右手を若者の顔に置いた瞬間

力を使い、若者を壁の方に、吹き飛ばした

若者は動かなくなった


「何事ですか?」

扉が勢いよく開き

赤い髪をした人が入ってきた

そいつは若者を見て「テニム・・」と呟いた

「そいつを連れてけ」

老人がそう言うと

赤い髪の人は若者を担ぎ部屋から

出て行った


それを確認してから、老人は俺の心臓めがけ

ナイフを刺した




バリン、と言う激しい音で巧真は目を覚ました

これで家の、最後の窓ガラスが、割られたと言う気持ちとは裏腹に、

先ほどの夢を思い出し

俺は、雨が降る中、外に飛び出し、嘔吐した

荒い呼吸を整えながら

必死に、腹や心臓の所を探り

何ともないか確認する

そして、あれが、本当に夢だったと解釈する

深く息を吸い、息を一気に吐き出した

夢に出てきたのは、テニムとバイロ

そして、殺されたのはおそらく村長の・・



外は雨なので、俺は家の中に戻る

日が差し込むと、明るい家のはずだったのに

村の子供達に、窓ガラスをほとんど割られ

雨風を防ぐため、板で塞いでしまったので

家の中は非常に暗い

そして唯一の風呂場の窓も

今さっき、割られてしまった


「畑の様子見に行かないとな・・」

家の裏に回ると小さな畑がある

村長が「これなら冬でもできる野菜の苗だ」

そう言って、いくつか持ってきてくれた

そして、その苗なんだが、とりあえず動く

根は固定されてて動かないが

葉や茎の方は踏もうとすると避ける

そして、水や生ごみを与えると

それに応じて野菜を持ってくる

初めは気持ち悪かったが

今では、もう当たり前のようになっていた

いや、ごめん嘘です。正直まだ気持ち悪いよ・・



ただ、牛との相性はいいようだ

牛の毛の間には、ゴミなどが色々と入ってたりする

それを苗は、取ってくれる

牛は、ゴミがなくなり

苗は、食糧が手に入る。そして、牛に食料を提供する

なんていう、共同生活が成立している

だから、今はほとんど、牛に野菜の世話を任せている

そして俺は、さすがに野菜だけの生活は無理がある

だから、山に行き

動物を捕まえて

生肉・・はさすがに無理だが

木の実やキノコのようなものを取りに行っている

その作業が終わる頃には

大体、昼は過ぎている

・・のはずだが、今日は生憎の雨なので

割れた窓を板で塞ぎ、また寝ることにする



しばらく寝ていると、子供の叫び声で

俺は目を覚ました。

どうやら、夕暮れ時だ

そんな事は、どうでもいい

とにかく、外に出ると

裏庭の方が騒がしい

裏庭に回ると、いつも窓ガラスを割っていた

子供たちが、牛に追われている

牛はやけに興奮している

「牛、何やっているんだ」

そう言って、牛と子供の間に割って入った

牛は、目の前に俺が、現れたからか、一瞬止まった

俺は、畑の方を見ると野菜がすべてダメになっていた

「なんて事してくれたんだ !!

 この、クソ餓鬼ども」

俺は、牛から目を離さないようにしながら

後ろで怯えている子供達にそう叫んだ

子供の一人が「ヒッ」と言う引きつった声を出し

走り出した。

それにつられて全員が走り出した

「止せっ、むやみに走るな」

走り出した、子供が視界に入った瞬間

牛は、怒りに満ちた声を発し

俺をヒラリとかわし、子供たちに、突進していった

「しまった・・」

そんな中、子供の一人がベタにも、転んでしまった

牛は、その子めがけて突進いていった




カイは、今日の書類を書き終え

思いっきり、手を後ろに伸していると

突然、後ろの扉が開いた

「よぅ、トイ・・久しぶりだな」

手を下しながらそう言った

後ろを振り向かずにカイがそう言ったのに

トイは少し驚いた

「あぁ・・そうだな」

「明日は、城の見回りだからな

 ちゃんと来いよ」

「それより、聞いてくれよ」

「なんだ?」

そう言ってようやく、カイは後ろを振り返ってくれた

「どうでもいいような事だったら

 承知しないぞ」

「神様と隊長の事なんだけど」

「?」

「やっぱり、隊長がどうして

 解任になったかわからないんだ」

「なんだ、そんな事か」

カイが呆れたような態度を取った事に

トイは、少し腹が立った

「そんな事ってなんだよ」

「別に、どうでも良さそうな事みたいだから

 俺、帰るわ」

そう言って、カイは席を立とうとした

「待てよ、お前も神様の味方をするのか?」

「そうだ。それに味方もくそもあるかよ

 だれが敵で誰が味方だ?」

「隊長と神様

 そんで俺は、隊長の味方をする」

「はぁっ何言ってるんだ?」

「俺は、神様を殺す」

「なっ・・!?

 何言ってるんだ?そんな事してみろ

 世界が崩壊するぞ」

「そんな事はない、隊長がいる

 隊長だって神クラスの能力者だ」

「だからと言って・・」

「殺すのは良くないってか?

 そんな事はない、神様だって

 自分の手を汚さずに人を殺してる」

「そんな事はしていない」

「そう思いたいだけだろ?

 神様は、お前の思い人だからな」

「ち、違っ・・いや、違くはないけど、

 そういう意味じゃなくて」

「え?本当まじで?」

「おまっ・・適当に言ったのか?」

「う、うん・・御免ごめん

互いに顔が赤くなってきた



「・・と、とにかく、俺はそれには反対だ

 思い人とかそんなの関係なしに

 それに、もしお前が、それを実行しようとしてるなら

 俺はお前を捕まえなくちゃいけない」

そう言うと、カイはナイフを取り出した

「カイ・・理解してくれないか?」

「残念だが、出来ない

 トイ、お前こそ、そんな事止めるんだ」

その言葉を聞くとトイは深いため息をついた

「お前は、隊長のことを、思っていないんだな」

「違う、隊長のことを思って

 俺はこれを選択した」

「カイ、俺の特殊能力って覚えてるか?」

「なんだ?いきなり」

トイが右手をカイの方に向けた

カイはナイフを顔の近くに持ってきて

防御の姿勢をとった

トイの特殊能力はたしか・・

「俺の特殊能力は、一度見たものなら

 それを復元できる能力だ

 たとえ、使用方法がわからなくてもな」

そう言うと、トイの右手に徐々に

何かが出来上がってきていた

出来上がった物は

甘次郎とか言う農民の持っていた物だ

「知ってるか?

 拳銃って言うらしいぜ?」

「何っ?」

拳銃と言う言葉にカイは少し驚いた

「この、レバーを引くと

 ここの穴から小さな玉が飛んでくるんだ

 どんなに力を使っても玉は見えないんだ

 それほど、玉のスピードは速い

 それに実験してみたんだ

 下の街で色々と」

「まさか・・お前が住民を殺してたのか?」

トイの目つきが変わり

口元はニヤつき始めた

「初めは、どんな物かわからなかった

 ただ人に向けてレバーを引くと

 突然、手に震動が走ったんだ

 それと同時に、人が倒れた

 近づいてみると、胸のあたりに小さな穴が開いていて

 そこから、たくさん血があふれてきた」

トイは段々、興奮しながら

まるで、幼い子供のようにイキイキと話し始めた

「今まで、ナイフや能力での殺しとは違う

 今までにない人の殺し方を俺は手に入れた

 そうだよ、5年前の殺し方とは訳が違う

 ただ、この拳銃には玉の数が決まってるんだ

 玉は全部で8発、初めはそんな事も知らず

 8人殺したんだ。9人目を見つけたとき

 俺は興奮しながら、レバーを引いた

 でも、カチっていう音しかしなくて

 人は倒れなかった。

 何回押してもカチってしか鳴らない

 だから、新しい拳銃を造って

 9人目も殺したんだ」

うれしそうに、喋るトイは

今まで一緒にいたトイとはまるで別人に見えた

「・・・狂ってる」

そう言って、カイはナイフを強く握りしめた

「狂ってる?違うよ

 これが本当の俺だよ

 本当の自由を手に入れたんだ

 神様の世界では手に入れることのできない自由だ。

 でも、隊長の世界ではこれが手に入る

 カイもこっちに来い

 すごく面白いぞ」

「・・断る」

「あっそう、じゃぁ死んじゃえ」

そう言うと、トイは何の躊躇ちゅうちょもなく

拳銃の引き金を引いた




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