第15話 霊力・魔力・あと胡散臭いやつ
今回のタイトルを考えた秒数。36秒。
――――――アリス宅
〜メリー視点
突然現れたおば「少女よ」・・・・・・・・・・・・・少女は名前を紫と名乗った。
その人によるとどうやらあの化け物は一種の下級妖怪で、そのうち幻想郷に連れて来ようとしていた所で今回の騒ぎが起き慌ててスキマに落としたらしい。その際に謝って私たちごと幻想郷へと送ってしまったらしい。
「へぇ〜・・・便利なんですね。そのスキマ。」
「うふ、いろいろと便利なのよ、このスキマ。」
ただ、見た目を除けば・・・
で、そのお方が何用かと言うと
「あなた達に興味を持ったのよ。」
・・・・・・は?
「興味・・・ですか?」
「ええそうよ。」
即答で答える紫とそれを見て若干呆れた顔のアリス。
「興味っていうのは・・・いったい?」
「そうねぇ。あなた達霊力っていうのは知ってる?」
「「霊力?」」
「そう、霊力。」
説明によると、霊力とは大抵の人なら誰もが持っているという力だ。だが、ほとんどの人は霊力が小さくあってもなくても同じようなものらしい。たまにそれが強い人がいるのだが、本当にごく稀にしかいないらしい。
「で、その霊力が私達とどういう関係なんです?」
「あなたは何故か他人よりも霊力が多いのよ。それこそ普通の人が持っている量の何倍かはあるわ。」
そんなこと言われても分かるわけないじゃない。
「で、そっちのあなた。」
そう言って優海さんを指差す紫。勿体付けてないで早くいいなさいよ。
「あなたには霊力がないの」
・・・・・・・・・・は?
―――――――――アリス宅
〜優海視点
「あなたには霊力がないの」
「・・・・・・・・へ?」
突然の事に間抜けな返事を返す私。いったいどうゆうこと?霊力ナシ?ナニソレ?
「たまにいるわよね。霊力がない人間って。」
「ええ、ごく稀にだけど・・・」
あ、稀にいるんだそう言う人。
「でも、あなたの場合霊力はないけれどその代り魔力があるのよねぇ〜・・・何でかしら?」
「いや、そんな詰め寄られても分からないんですけど・・・」
っていうか魔力って何?ドラ○エで言うMPの事?
「ドラ○エっていうのは知らないけれど・・・要は魔法とかを発動させるのに必要な力の事よ。」
「本当ですか!?っていうことは魔法が使えるんですか!?」
そう言って今度は逆に紫に詰め寄る優海。
本当に魔法使いのようになれると!?
「え、ええ。そうよ。ただし私は妖怪だから魔法は使えないけどね。」
「え?妖怪って魔法使えないんですか?」
「たまに使えるのもいるけど、基本は人間は霊力。妖怪は妖力。魔法使いは魔力。神なら神力っていう風に力が決まっているのよ。」
そう言って説明するアリス。その横では「ちょ、私のセリフ・・・」とか言っている紫がいた。
え?なに?他に神様とかいるの?
「いるわよ。ここ、幻想郷では神様も存在しているの。ここはなんであれ受け入れる。そう言う場所だから。」
「そ、そうなんですか。」
幻想郷って・・・すごいところなんだなぁ〜・・・。
「っていうか、あなた人間じゃなかったんですかッ!?」
「「「今更かよッ!?」」」
「もう・・・お約束ね・・・。」
「しゃんはーい・・・」
すっかり納得しているアリスと上海。と、それを見ていた優海はふと思い出す。
「あれ?ひょっとしてその子も魔法とかで動くようにしてあるんですか?」
「ええ、そうよ。それとこの子以外にも動く子はいるんだけど・・・あの子は恥ずかしがり屋だから人がいるところでは中々出てこないのよね。」
「そうですか・・・」
どんな子なんだろう・・・。今度会ってみたいな。
「まぁ、兎も角あなた達は普通の人ではありえない力を持っているのよ。納得がしていただけたかしら?」
「「あなたが胡散臭いことに」」
「そこ!?」
いや、まぁ理解はしているけどちょっと弄りたくなったっていうかなんていうか。
どうやらメリーちゃんも同じことを思っていたみたいで、まさかハモるとは思ってはいなかった。
「まぁ、それは置いておいて。紫、この二人はどうなるの?」
「そうねぇ〜・・・あなた達さえよければこのままこっちで暮らしてもいいんだけど。」
「どうす――」
「私はこっちがいい!!」
と、大きな声で宣言するメリーちゃん。何故?
とりあえず横で大声を出すのだけはやめて。
「だって、私。ずっと憧れてたんだもの!」
「「「・・・?」」」
―――――――時を戻ってしばらく昔。
〜メリー視点
今日もいつもどうりの日常を過ごして家に戻る。が、レポートやら何やらでかなり遅くなってしまった。そして、家に入りベットに倒れこむのと同時に私は眠りに落ちた。
「・・・ここは?」
久しぶりに見た見覚えのある景色だ。
切り立った峠。そこから見える景色はまさに絶景だった。緑が生い茂る山々と美しく輝く月。その横には今ではめったに見ることのできない星がキラキラと輝いている。ただ、その景色にはどこか寂しそうに感じるところが私にはある。
その景色を一言で表すなら・・・
「“とても・・・幻想的・・・”」
さて・・・そんな景色を少し眺め、私は今山を下っている。理由は単純。
「今日は何があるのかな〜♪」
ここにはとても面白いとこがあるからだ。
すこし前は竹林の中に放り出されてそこで延々迷ったことがある。時々落とし穴に落ちたり、兎の耳を付けたセーラー服の少女を見たり。月を見て狼になった少女もいた。
さすがに首が空中に飛んでいる人を見たときは悲鳴を上げそうになった。
そう言えば・・・時々爆発音や少女の叫び声が聞こえたのだけれどいったい何だったんだろう・・・・。
さて、今日はどこに行こうかな?
―――――――現在・アリス宅
〜紫視点
おどろいたわ・・・まさか、夢の中で幻想郷に入る人間がいるなんて・・・。そんな人間は今まで聞いたことはない。にしても、どうやってあの結界をとってきたのかしら?夢の中だから?・・・と、まぁそんなことは置いておいて。
「じゃああなたは、夢の中でこっちに来たことがあるわけね?
「はい・・・」
・・・まったく、この世は不思議なものね。
「それで、どうしてあなたはこちらの世界がいいの?」
「だって面白そうじゃない!!」
即答!?マジでか!?
普通の外来人だったらまず元居た世界に帰りたいと願うのが普通だろう。だが、彼女はそれを望まない。むしろこちらの世界に来たがっている。まぁ対して困りはしないのだが・・・
「そちらの方はどうするの?」
「え?私ですか!?」
あなた以外に誰がいると?
「私は・・・こっちにいてもいいかな?」
「え、・・・そ、外の世界に戻りたくないの?」
「いや・・・戻りたくないっていう訳じゃないけど・・・魔法についていろいろと知りたいなぁ〜って思って。」
はぁ・・・どうやらこの二人は明らかに好奇心が先に来ているようだ・・・。大丈夫なの?これで・・・。
「では、お二人は外の世界には戻られないという事で了解しましたわ。それではまたいずれ。」
そう言ってスキマを開き、中に入る。にしても珍しい人間も居たものね。まぁ自分が言えたことではないが・・・。
それにしてもアリスちゃん・・・か・・・ププッ!!(笑)
のちに優海がアリスの事をチャン付けで呼ぶことをやめるのだがそれはまた別のお話。
作「アリスちゃんwwwプププッwww」
*その後作者はピチュりました




