夏の雪 5話 光
「まず朱莉の両親曰く昨日の9:00に散歩に行ってくると言い、出かけた。そして遺体は山で発見された。そしてお前らは車を運転できない。このことからお前らの誰かが犯人で、まず単独犯であるなら山が犯行現場か否かに分類できる。山が犯行現場であると仮定すると、2日前から今朝までに朱莉と連絡を取るか前もって朱莉が外に出るような約束をしておく必要がある。山が犯行現場でないとすると、車を持たないでかつ山まで死体を運ぶのは現実的ではない。だからお前らが犯人でかつ単独犯なら、犯行現場は山で、今朝までに共に山まで行きそこで朱莉を殺害する。という流れだろう。」
「とりあえず、全員今から一人ずつ犯行時刻と考えられる、1日前の9:00から今朝までの行動と、殺された可能性はないが、1日前までの9:00までの朱莉との連絡履歴を確認させてくれ。」
「あなたに何の権限があるっていうの?そもそもあなたも立派な容疑者よ。」
「俺は、朱莉の彼氏として、やっぱりどうしても確認しておきたいんだ。朱莉が死ぬ直前最後にあったのは誰なのか。」
「っ、わかったわよ。」
嘘をつかれると困るからな。
1人ずつ聞いていくのが自然だろう。
連絡履歴を見ても1人も昨日までに犯行時刻である、1日前の9:00から今朝に出かけようという連絡は来ていない。
ということは彼らが犯人なら、今朝までに明かりと何らかの形で直接会うか手紙など電子的でない方法で連絡したと考えるのが自然だろう。
先井 砒菜
「まずお前が最後に朱莉と会ったのはいつだ。」
「夏休み前ね。それ以来会ってないわ。つまりあなたが朱莉としたデートより前にしか会ってないってこと。」
少し得意げだ。
私にはアリバイがありますよ。
とでも言いたげだ。
「それを証明出来る者はいるか。」
「ええ。夏休みに入ってから今日、朱莉が死んじゃったという知らせを聞くまで、ずっと彫刻を彫っていたの。だから両親がそれを証明できると思うわ。」
「そうか。彫刻刀って凶器になりそうだな。」
「私は芸術家なのよ。そんなことに使わないわ。」反論するところはそこなのか。
「朱莉とはどんな関係だったんだ。」
「朱莉とはよくも悪くもライバルだったわ。」
「悪くもって。」
「朱莉とはたまに喧嘩もしたの。他の誰かと朱莉が喧嘩をするところは見たことがないもの。」
「喧嘩…朱莉が喧嘩か。」
「あなたはどうなの?そもそもあなたと付き合ってから3日後なんて怪しいじゃない。」
「俺?」客観的に見ればそれは自然な問いだ。
先井 砒菜から見て僕の今までの行動は不明なのだから。
「俺は…」その時玄関のチャイムが鳴った。
誰だろうか。
凛が出る。
「はい。って、恍莉ちゃん。」
「恍莉ちゃんって…」須応朱莉の妹だ。
須応 朱莉と須応 恍莉は2年1日差だそうだから、今中学2年生か。
凛の家にくるということは、そういう事だろう。
「あっ。こんにちは。初めまして。須応 恍莉って言います。」
姉の須応 朱莉とは異なり内気だな。
「え、あぁ初めまして。横井 丈です。朱莉の妹さんですよね。」
「あ、丈さん。お姉ちゃんの彼氏…の方。」
「はい。そう、です。何で凛の家に、」
「それは、」
須応 恍莉が言いかけると、先井 砒菜が言う
「ところで何であなたは凛のことを『凛』って呼ぶの?凛と知り合いなの?」
「あぁ、それは、」
言いかけると、
「別にそんな関係ではないわ。クラスでもそんなに話したことはないし、現に私は『横井』って呼んでるでしょ。」
凛がそういった。
「え、何言って、」
凛は怒っているのだろう。あの時からずっと。
『なんで?』と凛に言われ、責められたあの時から、ずっと。
「じゃあ彼がfriendlyなだけなのね。」
そこから須応恍莉の話になってしまった。
「恍莉ちゃん。お姉さんのこと本当に。」
「大丈夫です。あの、実は、姉の部屋から日記が見つかったんです。」
「本当に。」
「はい。実物は警察の方に渡したので写真ですけど。少し気になることがあって、見てください。」
日記か。
手掛かりが書いてあるかもしれない。
一応見てみるか。
「これって。」
実に狂気的だった。
彼女の日記には




