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プロローグ

どうしてこうなった

異世界に来たら凄い魔法とかハーレムとかあるんじゃないの?

猫じゃん まごうことなき猫。


それもこれも全部、あのじじ神様のせいだよ!



遡ること一時間前

俺は交通事故で死んだ。26歳の春だった。

背が低く、顔も不細工、運動も勉強も駄目。

もちろん彼女なんていたことないし、就職先はブラックだ。

社畜勤めの普通のサラリーマンは久々の休暇(いっても半休)にトラックにぶつかって即死した。


意識が飛ぶ最中、俺は不謹慎なことを考えていた。

『このまま死んだら異世界転生だ、会社もやめれるし自由に生きるぞ』

そのまま意識を失った。


気がつくと目の前にじいさんがいた。雲の上のような場所に。

神様かな?それにしては老けすぎだよな。

漫画とか小説ではまだまだ若いのが多かったりするが、これが現実なのか?

そんなことを思っていたらじいさんが話しかけてきた。


「あぁ…おぬしは誰じゃ?」


あれ、知ってるんじゃないの?俺、死んでここにいるんだよね?

とりあえず自己紹介かな?


「神崎竜、 26歳でした。 トラックにはねられてここにいます」


「はい?何じゃ?」


「いや、だから神崎竜と申します。26歳で車にはねられて死亡しました」


「はぁそうか、……それでなんのようじゃ?」

こっちが聞きたいんですが。

異世界転生とかないなら、早く天国でもどこでも連れていってくれ。

地獄はやめてくれ、真っ当に生きたから!


「そうじゃ、おぬしはさっき車に引かれた若者だったな。年を取るとどうにも忘れやすくなっていかんな」

がははと笑っているじいさんに腹が立ったが、神様っぽいので我慢。


「それで、俺はこれからどうなるんですか?」

「あぁそのことじゃが、若くして亡くなった人間にはもう一度チャンスを与えることになってる。これは知られていないことじゃがな」

まぁそうだろう、そんなこと知られていたらみんなコンティニューする。


「じゃあ生き返れるんですか?それとも転生とか?」

「そうじゃ、地球とは別の世界に行ってもらう」

異世界キタコレ!頑張ってハーレム作るぞ!

イケメンに転生、美少女でもいいな。男と恋愛は無理だから百合百合するぜ。


「転生にあたっていくつか質問させてもらうぞ、よいか?」

「ぜひ!」


「好きなものはなんじゃ?」

……はい?転生と関係ある?

「しいていえば猫ですかね」

実家でも飼ってたし、社畜じゃなかったら二匹飼ってたな、確実に


「猫…」

なんか紙に書いてるけどアンケート用紙なの?


「夢は何かな?」

もう26だから夢とかないだろ…。でも異世界行ったら好かれたい。

「人気者になりたいですね」


「人気者…」

いや、だからそれなに?


「どんな能力がほしい?」

おっ、最重要な質問だ

魔法が無尽蔵に使えるのもいいし、やっぱり強くいたいよね。

でもハーレムも捨てがたいし、チャームとかかな?

もう死にたくないから不死身とか?考えだしたらきりがない。

日本の食べ物とかあるのかな?それは心配だ。

日本人だから食にはこだわりたい。酒もお菓子も。

うぅーん、キリがない


「早くしてくれ、時間がないんでな」

「じゃ、じゃあ 想像したら具現化される能力がいい」

急かされて訳の分からないことを口走った。


「創造…と」

やっぱり変な能力になるよな。まずい……


「やっぱり今の」


ゴーン ゴーン

どこからか大きな鐘の音が鳴った。



「おや、タイムアップじゃ!まだまだ転生者がいるのでな」

いや、早くない?全然答えてないよ?

自己紹介とかで時間なくなったんじゃないだろうな?


「それでは達者でな よき異世界ライフを」

待って、待って

質問3つだけじゃん、 ルックスとか決めさせてくれよ。


その時足下に穴が開いて、そのまま落ちていった。


「こんな転生の仕方ありかよぉおおお」

「グドラックじゃ」

クソジジイ!!


落ちていく最中、体が光に包まれて意識を失った。

何はともあれ死ぬ前よりはいい人生が歩めるだろう。

さらば、不細工で社畜な俺、こんにちは新たな人生



◇ ◇ ◇ ◇ ◇


神の社にて


「エルダ様、また転生者の希望用紙を適当に書きましたね!」

エルダと呼ばれる先ほどのじいさんが、若い天使に叱られている。


「ちゃんと書いたじゃろ?完璧じゃ!」

「いやいや、書くところぐちゃぐちゃですよ!この人なんか『なりたい人』の欄にトマトって書いてますし」

「はて?そういってたぞ」

「言わないですよ!好きなものと間違えたんじゃないですか?」

「まぁなんとかなるじゃろ、あの世界だとの」

「そうですが……。ですが次からは私のいるところで面接してくださいね」

「分かった、分かった。リクはうるさいのぅ」

本当に分かってるのかこのじいさんは。

リクと呼ばれる天使は、悪態をつきながらも上司には逆らえないのでこの場を納めることにした。


今日の転生者が無事で過ごせますように








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