表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/105

第89話 黒き天幕


 蒼の軍勢が、戦場を割る。


 重装破砕型が中央を押し潰し、白銀の騎士が刃の道を作る。


 槍騎士の蒼光が左右を裂き、黒衣の魔術師が上空を封じる。



視聴者:872,002,441

【猪突猛進】

【本陣一直線】

【黒幕出てこんかーい】



 グランヴァル兵はなおも突撃する。


 黒い揺らぎが胸元で脈打つ。


 痛みを無視し、恐怖を捨て、ただ前へ。



 レインは歩きながら鑑定する。


 蒼が瞳に滲む。



「鎖は、外付けじゃない」


 低く。


「体内に“食い込んでいる”」



 エルフィナの黄が応じる。


「波形が神経系と同調してる……」


「外せない?」


「強制的に断てば、命を落とす」



視聴者:876,441,882

【えぐい】

【完全マリオネット】

【俺が黒幕許さん】



 ミナの赤が震える。


「じゃあ、どうやって止めるの」



 レインは、黒い天幕を見る。


 蒼が、静かに濃くなる。


「主を叩く」



 重装破砕型が地を踏み抜く。


 衝撃波。


 敵の重装隊が吹き飛ぶ。



 だが、その奥。


 黒い天幕の前に、異様な兵が立っている。



 鎧は黒。


 胸元の鉱石が、濁った光を放つ。


 そして――


 背後に、黒い紋様が揺れている。



視聴者:880,002,441

【幹部】

【中ボスきた】

【鎖濃いぞ】



 その兵が、ゆっくりと剣を抜く。


 目は完全に黒に染まっている。


「……退け」


 声は、人のものではない。



 次の瞬間。


 地面が爆ぜる。


 黒い紋様が、円状に広がる。



 生成兵の前列が弾き飛ばされる。


 白銀の騎士が一歩後退する。



視聴者:884,441,882

【強い】

【波形違う】

【本陣守護者】



 レインの蒼が、鋭くなる。


 鑑定。



「……主と直結している」



 エルフィナの黄が震える。


「波形が一本じゃない。複数の鎖が集約してる」



 つまり。


 この兵は、“集線点”。



 ミナが踏み出す。


 赤が燃える。


 だが、レインが手で制す。


「下がれ」



視聴者:888,002,441

【レインソロ?】

【本気の1対1?】

【蒼MAX来る】



 蒼が、地面に滲む。


 戦場に広がっていた紋様が、集約し重なり合う。


 空間が、静止する。



 黒鎧の兵が踏み込む。


 剣が唸る。


 蒼がそれを受け止める。



 火花。


 衝撃。


 だが力の質が違う。



 黒い紋様が、蒼を侵食しようとする。


 だが。


 蒼は揺らがない。



視聴者:892,441,882

【干渉バトル】

【式VS式】

【かっけぇ】



 レインは、鎖を見る。


 兵の背後。


 黒い鎖が、天幕へ伸びている。



「そこか」



 重装破砕型が前進する。


 だが黒鎧が立ちはだかる。


 四腕を受け止める。


 膝が沈むが、倒れない。



 白銀が横から斬り込む。


 黒衣が上空から術式を落とす。


 槍騎士の蒼光が死角を突く。



 それでも。


 黒鎧は立つ。



視聴者:896,002,441

【硬すぎ】

【鎖バフやば】

【主に繋がってるからか】



 レインは、一歩踏み出す。


 蒼が、さらに濃くなる。


 紋様が広がる。


 足元から、黒鎧の足元へ。



 黒い紋様と、蒼の紋様が交差する。



 圧力。


 空間が軋む。



「……断つ」



 蒼が、鎖へ食い込む。


 力ではなく、式で。


 侵食ではなく、分解で。



 黒鎧の背後の糸が、軋む。


 一本、裂ける。



視聴者:900,441,882

【切れた】

【主に届く】

【あと少し】



 黒鎧が咆哮する。


 黒い紋様が暴走する。


 周囲の兵がさらに凶暴化する。



 だが。


 レインは止まらない。


 蒼の紋様が、さらに広がる。


 生成兵が波のように押さえ込む。



 もう一本。


 鎖が、裂ける。



 その瞬間。


 黒い天幕の奥で、何かが揺らいだ。



視聴者:904,002,441

【本体反応】

【主動いた】

【早く面みせろ】



 レインの目が細まる。


「……引きづり出してやる」



 黒鎧の背後の鎖が、最後の一本で繋がっている。


 それは天幕の奥へ、真っ直ぐに伸びている。



 戦場の喧騒が、遠くなる。


 蒼と黒が、正面からぶつかる。



(第89話・完)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ