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第84話 暴走の先にあるもの


 煙が晴れる。


 砕けた石壁の前で、軍務卿はゆっくりと立ち上がった。


 口元の血を拭う。


 だが目は笑っていない。



視聴者:655,882,441

【まだ立つ】

【しぶとい】

【暴走半島】



「なるほど……」


 軍務卿は胸元の鉱石に、深く指を差し込んだ。


 躊躇なく。



 純度の高い結晶が、肉に沈む。


 光が、強まる。



 エルフィナの黄が鋭く弾けた。


「やめて――それは安定域を超える!」



 だが軍務卿は止まらない。


「国の柱の前だ」


 声が歪む。


「限界など知るか」



 光が爆ぜる。


 白い衝撃が空洞を満たす。



視聴者:660,002,441

【暴走入った】

【咆哮】

【あんたバカ】



 軍務卿の身体が膨れ上がる。


 血管が浮き、瞳が光る。


 制御式を無理やり上書きした。


 過負荷状態。



 床がひび割れる。


 原脈が、わずかに共鳴する。



 レインの瞳に蒼が滲む。


 鑑定。



「出力百二十」


 低く呟く。


「崩壊まで、三十秒か」



視聴者:664,441,882

【カウント始まった】

【タイムリミット戦】

【原脈巻き込まれるぞ】



 軍務卿が跳ぶ。


 速い。


 さきほどまでとは別次元。


 剣が、ゴーレムの胸部核へ一直線。



 重装破砕型が迎え撃つ。


 四腕が交差。


 蒼の紋様が広がる。



 激突。



 轟音。


 核が軋む。


 装甲に亀裂。



視聴者:668,002,441

【核やばい】

【出力差縮まった】

【質量VS質量】



 軍務卿が吠える。


「力とはこう使うのだ!」



 連撃。


 斬撃の嵐。


 ゴーレムの装甲が削られる。


 だが退かない。



 レインは動かない。


 蒼は広げない。


 ただ、見ている。



 ミナが叫ぶ。


「レイン!」



「まだだ」


 短い。



 エルフィナの黄が、原脈へ向く。


「共鳴が強くなってる……!」



 軍務卿の暴走出力が、原脈に触れ始める。


 空間が揺らぐ。


 紋様が乱れる。



視聴者:672,441,882

【原脈連鎖爆発】

【空間崩壊フラグ】

【王都ごと消し飛ぶぞ】



 軍務卿が最後の力を振り絞る。


 剣に光が集中する。


 核を貫こうとする一撃。



 その瞬間。



 レインの足元の紋様が、静かに拡張した。


 蒼が、濃くなる。


 円環が五重に重なる。



 生成ダンジョンが、最下層を包む。


 空間が支配下に入る。



視聴者:676,002,441

【空間支配入った】

【本気きた】

【ここから歩ダン無双】



 ゴーレムの核が、蒼く燃え上がる。


 亀裂が、逆に閉じる。


 紋様が、巨体全体へ走る。


 紋様が広がる。


 床から原脈の手前まで。



 軍務卿の剣が、核に触れる寸前――



 止まる。



 空間そのものが、重くなる。


 蒼が、軍務卿の身体を押さえ込む。



「な……」


 声が歪む。



 レインが、初めて軍務卿を見る。


「力は」


 静かに。


「借りるものじゃない」



 ゴーレムの四腕が同時に動く。


 蒼が集中する。


 収束。



 叩き込む。



 爆発的衝撃。


 軍務卿の身体が、床へ叩きつけられる。


 鉱石が、砕ける。



視聴者:681,441,882

【粉砕】

【完全制圧】

【立て!立つんだ!卿!】



 だが。


 砕けた鉱石の光が、地面へ染み込む。


 原脈が、強く脈打つ。



 エルフィナの黄が鋭く光る。


「接触した……!」



 空洞全体が震える。


 原脈が、目覚める。



視聴者:686,002,441

【本番ここから】

【ボス第二形態?】

【原脈が敵か】



 軍務卿は、動かない。


 だがその代わりに――


 原脈の奥で、巨大な影が蠢いた。



 蒼の紋様が、さらに広がる。


 空間が軋む。



 レインは、静かに言う。


「本体か」



(第84話・完)

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