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第73話 白い階段


 白光が、落ちた。



 中央区が、消える――


 はずだった。



 だが。



 空間が、止まる。



視聴者:41,004,882


【え?】

【止まった?】

【今なに起きた】



 観測者の“手”が、空中で静止している。


 白光は、零号の頭上で凍りついていた。



 音が、消える。


 風が、止む。


 霧が、粒子単位で固定される。



 世界が、息を止めた。



《未知干渉値、急上昇》

《階層下部より核波動検出》



 中央広場の石畳に、亀裂が走る。



 一本。


 二本。


 円環。



 白い線が、幾重にも重なる。



視聴者:45,882,441


【キター!!】

【地下だ】

【鳥肌ブツブツブツ】



 石畳が、ゆっくりと持ち上がる。



 白い階段が現れる。



 まるで、


 地の底から“世界の別層”が浮上するように。



 観測者が、初めて後退する。



《優先度、更新》

《核干渉者、確認》



 造形師が、呟く。



「……戻ったのか」



 零号の仮面が、かすかに震える。



 白い階段の奥。


 光。



 足音。



 一段。


 また一段。



視聴者:52,441,002


【来る】

【やばい】

【主人公演出きた】



 男が、姿を現す。



 黒い外套。


 変わらない輪郭。


 だが――


 空気が違う。



 霧が、勝手に整列する。


 石畳が、重さを取り戻す。


 空間の歪みが、修正される。



 何もしていない。


 ただ、立っているだけ。



視聴者:60,882,441


【圧】

【格が違う】

【帰還バフ】



 観測者が動こうとする。



 だが。



 動けない。



 白光が、砕ける。



 男が、視線を上げる。



 その目は、静かだ。



 ただ一言。



「……うるさいな」



視聴者:68,002,441


【きたあああああああ】

【主人公帰還】

【伝説更新】

【空気止まった】

【レイン様ァ!!】



 観測者の構造に、ヒビが入る。



 都市全体が、呼吸を取り戻す。



 零号の膝が、崩れ落ちる。



 仮面の奥から、涙がこぼれる。



「……遅いよ」



 レインは、ちらりと視線を向ける。



 だが何も言わない。



 ただ一歩、前に出る。



 その瞬間。



 観測者の一体が、粉砕された。



視聴者:74,882,441


【無双始まった】

【北斗の拳】

【ワンパン】



 そして、世界は次の段階へ進む。



(第73話・完)

いつも有難うございます。第4章が始まりました。この章では再置換の謎を解き明かしたいと思います。引き続き宜しくお願いします。

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