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第72話 試験


 中央塔、最上層。



 都市級干渉紋様が、ゆっくりと回転している。


 白い数式。

 優先度の線引き。

 選別基準。


 すべてが整然と並ぶ。



 だが、その中心。


 波形が、わずかに乱れていた。



「第三区、干渉残留値」


「零号の局所生成痕、確認」



 造形師代表は、都市を見下ろしたまま言う。



「誤差の範囲だ」



 だが、その目は冷たい。



視聴者:15,882,004


【誤差扱い!?】

【零号舐められてる?】

【フラグ立った】



 同刻。


 地下廃坑。



 零号は仮面を机に置き、地図を見つめていた。



 第三区は守れた。


 だが、第七外縁は消えた。



「管理は、計算している」



 部下が問う。


「どちらの味方なんです?」



 零号は答えない。



「残った者の味方だ。

 消えた理想じゃない」



視聴者:17,002,441


【かっこよ】

【零号派増えてきた】

【でも正体バレまだ?】



 そのとき。


 警告灯が赤く染まる。



「観測値、急上昇!」


「中央区直下!」



 零号が仮面を掴む。



「……試験か」




 地上、中央区。



 空が、歪む。



 白ではない。


 無色。



視聴者:19,441,882


【来た本番】

【中央!?】

【管理の心臓部】



《境界干渉個体、複数》


《管理干渉値、測定中》



 観測者が、降りる。


 前回より多い。



 塔の上、造形師が手を上げる。



 都市級干渉、展開。



 白い紋様が、空を覆う。



視聴者:21,882,004


【都市級きた】

【管理本気】

【観測者VS管理】



 観測者の一体が触れる。



 数式が、歪む。



 上書き。



 白紋様の一部が消える。



視聴者:23,441,882


【上書き!?】

【やばいやばい】

【管理詰む?】



 造形師の外套が揺れる。



「……干渉率、想定超過」



 中央区の一角が、薄くなる。



 観測者の“手”が振り下ろされる。



 初期化。



 その瞬間。



 横から歪みが走る。



 観測者の腕が、弾かれる。



視聴者:25,002,441


【止めた!?】

【零号!】

【主人公ムーブ】



 零号が立っている。



 両手を広げ、空間を“切って”いる。



 白光は消させない。


 逸らす。



 観測者の処理が、斜めへずれる。



 地面が裂ける。


 塔が震える。



「ここは守る」



視聴者:27,882,004


【熱い】

【お前が主人公だ】

【やっぱレインじゃ?】



 観測者が、数を増やす。



《干渉者、確認》


《優先排除対象、更新》



 零号の足元が沈む。



 圧が、重い。



 仮面に亀裂。



 それでも、踏み込む。



 極薄の生成層を重ねる。


 半階層退避。


 波形再配置。



 観測者の構造に、ヒビ。



視聴者:30,114,882


【がんばれ仮面】

【レインじゃないの?】

【誰でもいいから無双して】



 だが――



 次の瞬間。



 観測者の中心が、無色に染まる。



《排除処理、優先実行》



 零号の周囲が、白く削られる。



 左腕が、さらに薄くなる。


 指先が透け、輪郭が崩れる。



視聴者:32,441,002


【消える】

【やめろ】

【ここで退け!!】



 造形師が叫ぶ。



「撤退しろ、零号!」



「退かない」



 零号は、膝をつきながらも両手を広げる。



「ここは、消させない」



 観測者の“手”が振り下ろされる。



 白光。



 都市中心部が、まとめて削られようとする。



視聴者:35,882,441


【終わる】

【中央区消えるぞ!?】

【レインまだ!?】



 零号の視界が、白く染まる。



 ――その瞬間。



 どこか、深い場所で。



 何かが、軋んだ。



 だがまだ、誰も気づかない。



 白光が、落ちる。



(第72話・完)

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