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38-5・ブラークさんに挑む②

「オマエが俺を?・・・盾や鎧も装備せずに?・・・随分と大きく出たな。

 だが、オマエが今の状況で冗談を言うとは思えない」


 慌てすぎて、鎧を着る時間を惜しんじゃいました。だけど、ブラークさんのマジックソードを喰らったら、鎧の有無なんて関係ありませんよね。


「はい!本気です!」

「・・・解った。ならば、かかってこい!」


 無視をして先に行くことや、問答無用で退けることもできるだろうに、僕の求めに応じて剣を構えてくれる。やはり、ブラークさんは優しい。だからこそ、失いたくない。


「尊人くんっ!」


 真田さんが寄って来て、魔石のダガーナイフを貸してくれる。


「言わなくても解ってるだろうけど、ブラークさんメッチャ強いよ。

 剣を飛ばされた時の護身用に、持っておいて」


 受け取って、腰帯に挟む。


「あたしの特殊能力も使って!」

「ありがとう!」 


 真っ向勝負を挑んでも勝てるわけがない。勝つためには、「どうやってブラークさんの想定外を付くか?」が重要になる。真田さんの魔石ダガーも、その選択肢の1つになるだろう。

 使える手札(特殊能力)は、ルーラー、アーマーファンブル、ウインドミル、アジリティ、ヒール、そして真田さんに借りたピークエクスペリエンス。ブラークさんと戦うことが予め解ってれば、若林さんの巨大化能力ギアンティゼーシャンツカさん防御能力ディフェンダーを借りておけば良かったかな?

 

「いや、トロールを瞬殺できるブラークさんには、巨大化なんて全く通用しない。

 防御壁の中に隠れていたら、ブラークさんには届かない」


 無い物ねだりをしても意味が無い。例え、無い物があったとしても、状況はそれほど変わらない。持ち札だけでなんとかするしかない。


「富醒・レンタル発動!」


 手札を選んで待機状態にして、剣を構えて突進!


「ルーラー発動!動くなっ!」


 ブラークさんが迎撃態勢になるより先に動きを封じる!


「なにっ!?」


 ルーラーの干渉下に落ちたブラークさんの動きが止まった!

 本家(藤原くん)のルーラーなら、対象が抵抗をする前に懐に飛び込んで一撃を叩き込めるかもしれない。だけど、僕のルーラーでは、一瞬だけ動きを止めるのが限界だ。だから、すかさず次の手札を切る。


「わぁぁっっ!!」


 ルーラーの干渉で初動を封じ~突進をしながら次の手札の発動(ルーラーは解除される)で詰められる距離は、腕を精一杯伸ばして先生の剣を振れば届く距離。それは、仲間達に練習台になってもらって何度も確かめた。


「アーマーファンブル発動!」


 動けるようになったブラークさんが、バックステップで回避を試みる!だけど、ブラークさんが棒立ちになるわけが無いことは想定の範囲内!僕の踏み込みの方が早い!この距離ならば、切っ先が届く!

 ブラークさんが僕の切っ先を弾くために剣を振るう!だけど、アーマーファンブルを発動させた状態の剣ならば、防御を無効化できる!これが、接近戦仕様の最強コンボだ!


「行けるっ!」


 僕は「ブラークさんにダメージを通せる」と確信をした!・・・が、ブラークさんの剣が僕の剣にぶつかった瞬間、刀身に込められていたアーマーファンブルの効果が飛び散ってしまった!


「・・・へっ!?」

「魔法剣で特殊効果を打ち消したのだ!」


 ブラークさんが返す刀で横凪を振るってきたので、慌てて後退で回避する!


「・・・マジかっ?」


 考えが甘すぎた。魔力を込めた剣でアーマーファンブルを相殺できるなんて想定外。初手で接近戦の最強コンボを攻略されてしまった。


「どうしたっ!それで終わりかっ!?」


 指摘された通り、これで終わりです。アーマーファンブルを攻略されてしまった時点で、ブラークさんにダメージを与える手段は無くなった。

 だけど、ブラークさんは剣を構えて容赦無く突進をしてくる!ブラークさんの振るう剣は一本しか無いはずなのに、素早い剣さばきによって、幾つもの切っ先が飛んでくるような錯覚に陥る!


「富醒・レンタルっ!」


 特殊能力の待機状態を解除!手札を入れ替えてピークエクスペリエンスを発動!集中力と先読み能力で飛んできた切っ先を弾く!

 しかし、辛うじて弾いただけ。勢いに押されて、数歩後退をしてしまう。今の攻撃が“ただの剣”だったから、後退させられただけで済んだけど、マジックソードだったら大ダメージを喰らっていただろう。


「でもそれって、貯め無しでマジックソードは発動できないってこと!」


 腕を後ろ回しにしてファイヤーウインドミルを発動!至近距離で火の玉を飛ばす!ブラークさんは剣で防御!

 火の玉を剣で受け止めるのではなく、剣を覆っている光に散らされている。先ほどのアーマーファンブルと同じように、魔法剣で相殺されているのだ。


「ブラークさんがチートと戦った時と同じ」


 ブラークさんはチートの特殊能力を相殺するのが手一杯で、攻撃に転じる余裕が無かった。そして、徐々にチートの手数に押されて、最終的には物理攻撃を防げずに敗北した。


「チートに倣ってるみたいで癪だけど・・・

 特殊能力で攻撃をすれば、マジックソードを発動する隙を与えずに済む」


 マジックソードの弱点は解った。だけど、その弱点を突いてブラークさんを倒すのは不可能。僕には、チートのような手数や火力が無い。攻撃系手札のアーマーファンブルとファイヤーウインドミルが軽々とあしらわれてしまった現状では、「ドノーマルに剣を振り回す」以外の攻撃手段が無い。

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